米PwCが暗号資産分野へ本格参入、トランプ政権下での規制明確化を追い風に=FT

規制整備で参入障壁が低下

米大手会計事務所PwCが、暗号資産(仮想通貨)分野への関与を本格化させる方針を示した。PwC米国代表のポール・グリッグス(Paul Griggs)氏が、「フィナンシャル・タイムズ(FT)」のインタビューで1月5日に明らかにしている。

長年、暗号資産領域に慎重な姿勢をとってきたPwCが、戦略転換に踏み切った背景には、ドナルド・トランプ(Donald Trump)政権下で進む米国の暗号資産政策の転換と、法制度の整備があるという。

グリッグス氏はPwCが2025年に行った戦略見直しについて「デジタル資産に本格的に踏み込む判断を下した」と説明。トランプ政権が暗号資産に前向きな規制当局者を任命し、議会がステーブルコインなどを対象とした新たな法整備を進めたことが大きな要因だとしている。

なかでも2025年7月に成立した「GENIUS法(Genius Act)」は、米国で初めてステーブルコインを包括的に規制する法律となった。同法は米ドルなどの資産に連動するトークンの法的位置付けを明確化し、銀行などの金融機関が独自のデジタル資産を発行する道を示した。

グリッグス氏は「GENIUS法やステーブルコインを巡る規則策定によって、この資産クラスに対する確信が高まった」と述べ、トークン化の流れも今後さらに進展するとの見方を示した。そのうえで「PwCはそのエコシステムに参加しなければならない」と強調した。

トランプ政権下では、米証券取引委員会(SEC)も暗号資産に関するルール整備を優先課題としており、前政権時代に見られた慎重・否定的な姿勢からの転換が進んでいる。こうした政策環境の変化が、PwCを含む大手企業にとって暗号資産分野への参入障壁を下げている。

PwCは現在、監査およびコンサルティングの両面で暗号資産関連業務を拡大している。ステーブルコインを活用した決済効率化の提案や、暗号資産関連の税務アドバイスなどを企業向けに提供しているほか、ビットコインマイニング企業のマラ・ホールディングス(Mara Holdings)を新たな監査クライアントとして迎えている。

これまで米国のいわゆるビッグ4と呼ばれる大手会計事務所は、規制当局の慎重姿勢やマネーロンダリング、消費者保護リスクへの懸念から、暗号資産関連企業の監査に消極的だった。しかし近年は他のビック4も動きを見せているという。暗号資産取引所コインベース(Coinbase)の監査を担当するデロイト(Deloitte)は、5月に暗号資産会計に関する初の「デジタル資産ロードマップ」を発表し、KPMGも2025年を「デジタル資産普及の転換点」と位置付け、暗号資産関連のコンプライアンス助言やリスク管理サービスを販売しているという。

また、PwCでは暗号資産分野の専門性強化のため、外部からの人材登用も進めてきたという。グリッグス氏は「提供できる体制を整えないまま、新たな事業に踏み込むことはない」と述べ、過去1年ほどで社内外のリソースを拡充していることを明かしている。

参考:FT
画像:PIXTA

関連ニュース

参照元:ニュース – あたらしい経済

コメント

タイトルとURLをコピーしました