2025年11月NFT市場動向レポート|取引高48%減の大幅調整

2025年11月、暗号資産市場は10月の反発から一転し、市場時価総額が15.43%減少するという厳しい調整局面を迎えました。米連邦準備制度理事会(FRB)の政策を巡る不透明感や、日本銀行の利上げ観測に伴う円キャリートレードの巻き戻しによる懸念が投資家心理を冷え込ませ、リスク資産全般から資金が流出した形です。

このマクロ環境の悪化はNFT市場にも強く波及し、月間取引高は前月比で48.2%減と、暗号資産全体を上回る大幅な下落を記録しています。投機的な需要が後退する一方で、特定のチェーンやコレクションでは独自の動きも見られました。

本レポートでは、NFT市場の全体動向と内部の構造変化を、チェーン別・マーケットプレイス別・主要コレクション別に分解し、国内の動きも交えながら多角的に整理していきます。

本レポートの全体概要
  • 月間取引高は約3.2億ドルで、前月から49.2%減
  • 主要チェーンがそろって減速、イーサリアムは取引高-70%、Baseも-67%
  • 直近30日のチェーン別ではイーサリアムが取引高1.062億ドル、ユーザー数はBaseが17.2万人で最多
  • HyperEVMが取引高2,240万ドルで3位に入り、ハイリキ公式NFT「Hypurr」の売買が中心
  • マーケットプレイスはOpenSeaが取引高9,790万ドル・ユーザー22.3万人で首位Blurは取引高3,150万ドルでもユーザー約6,000人と少数、Magic EdenはSolanaとビットコインで存在感を示す
  • コレクションはDMarketが取引高3,042万ドルで首位、Courtyardが前月比+35%と伸長。
  • 国内ではコインムスメやクリプトスペルズなど人気ブロックチェーンゲームのサービス終了が相次ぐ

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市場概要

11月のNFT市場は取引高の急減により、2025年の中で最も厳しい月となりました。

CryptoSlamのデータによると、月間取引高は前月の約6.3億ドルから約3.2億ドルへと減少し、前月比49.2%減という急落を記録しました。

NFT市場概要 2025年12月
引用:CryptoSlam

特に主要チェーンにおける取引高の落ち込みが激しく、イーサリアムNFTの取引高は70%減、前月まで爆発的な成長を見せていたBaseチェーンも67%減となるなど、市場を牽引してきたエンジンが一時停止した形です。

コレクション別では、CryptopunksをはじめとするブルーチップNFTの取引が停滞し、全体の取引高を押し下げている反面、低価格帯のゲームアセットやRWA関連のNFTが一定の取引ボリュームを維持しています。

チェーン別動向

11月のチェーン別動向では、順位の入れ替わりは限定的だった一方、主要チェーンの取引高が軒並み記録的な減少を見せる、停滞感の強い一ヶ月となりました。

チェーン別に見ると、イーサリアムは首位を維持したものの、月間取引高は前月比で約66.7%という大幅な下落を記録。前月に復調の兆しを見せていたブルーチップNFTの流動性が、暗号資産市場全体のボラティリティ上昇に伴い急速に失われたことが主な要因です。

チェーン別NFT取引高
引用:NFT Pulse
チェーン別NFT取引高

そして、イーサリアムに続くBaseの取引高も前月比約-72%と大きく失速しました。10月はBase上のDX Terminalがコレクション別でトップを獲得し取引高を伸ばしましたが、11月は取引高が-77%落ち込み、チェーン全体としてもその影響を大きく受けた形です。

このほか、ビットコインが-72%、Solanaは-36%と主要チェーンの落ち込みが連鎖しており、特定チェーン固有の問題というより、市場全体の投機熱が冷え込んだことを示しています。

一方で、Hyperliquidが提供するHyperEVMは月間取引高2,240万ドルを記録し、チェーン別取引高で3位にランクインしました。9月にローンチされ話題となったHyperliquid上の公式NFT「Hypurr」の売買が取引高の大半を牽引した形です。 

マーケットプレイス別動向

11月のマーケットプレイス市場は取引高が約1.82億ドル、ユーザー数は約29.3万人となり、10月(約4.65億ドル)から取引高は約61%減りました。ブルーチップNFTの取引が減り、イーサリアム由来の取引が縮んだ影響が大きいと言えるでしょう。

マーケットプレイス NFT市場 2025年12月

OpenSeaは取引高シェア約54%・ユーザー約22.3万人(76%)で首位を維持していますが、各セクションの全体シェアは若干縮小しています。

ただ、Baseでは取引の約73%・ユーザーの約97%がOpenSea経由で、HyperEVMでも取引高の約93%を吸収するなど、盛り上がったチェーンほど同社に集まる傾向は継続しました。加えて、トークン取引も集約するアグリゲーター化を引き続き強化しており、NFTの冷え込みを補う姿勢が見えます。

引用:NFT Pulse/チェーン別マーケットプレイス出来高シェア
引用:NFT Pulse/チェーン別マーケットプレイスユーザー数シェア

一方で、Blurは3,150万ドル(17.3%)の一方でユーザーは約6,000人(2.1%)に留まり、大口中心の色が濃いです。SolanaではMagic Edenが取引高1,930万ドル(10.6%)・ユーザー4.1万人(14.0%)と堅調で、Larva Labs(1,170万ドル)やOKX(780万ドル)も前月に引き続き上位に入りました。

主要NFTコレクションの動向

11月のコレクション別動向では、PFPの大口売買が減る一方で、ゲームやRWA、DeFiなどのコレクションが上位に残りました。

10月はHypurrが約8,720万ドル、DX Terminalが約4,040万ドルまで伸びましたが、11月の取引高首位はMythos上のDMarketです。取引高は約3,042万ドル。取引件数が92万件と突出しており、ゲーム内アイテムのように回転が生まれやすい領域が数字を作った月でした。

コレクション NFT 2025年12月
引用:CryptoSlam

2位には、イーサリアムのAlgebra Positions NFT-V2(約2,137万ドル)が入りました。こちらはDeFiの集中流動性ポジションをNFTとして保有するタイプで、取引件数1,637件と少ない一方で金額が大きく、流動性ポジションをNFTとして管理するタイプの動きが反映されたとみられます。

そのほか、ゲーム系ではImmutable-Zk上のGuild of Guardians HeroesやGods Unchained Cardsなどがランクインし、RWA系のCourtyardは21万件超の取引を記録しました。一方で、Pudgy PenguinsやCryptoPunks、BAYCなどのブルーチップNFTはトップ10に残ったものの、10月の勢いは明らかに後退していることが見て取れます。

OpenSeaのフロア価格データを見てみても、取引高上位のコレクションの多くが10〜30%下落していたことから、11月はNFT市場にとって非常に厳しい月だったと言えるでしょう。

国内のNFT市場動向

国内のNFT市場では、NFTを投機対象として前面に出すよりも、企業や自治体が既存のサービスや施策の中に組み込む動きが11月も続きました。

チケット領域では、チケミーのNFTチケット先行抽選や、SBI VCトレード×オーバースによるNIDT限定VIPチケット企画などが話題に。公式チケットにNFT技術を使う取り組みが増えており、転売対策や正規流通の整備に寄与する方向性が見えています。

コミュニティ施策でも、アニメDAOのようにNFT保有者が投票で企画に関われるケースが出ており、保有することがそのままコミュニティ参加への入口になっています。

一方でゲーム領域は明暗が分かれています。『甲虫王者ムシキング』IPを活用したブロックチェーンゲームの正式リリースや、新作ゲーム『Sakura Nexus』のジェネシスNFT販売が行われる反面、『キャプテン翼-RIVALS-』がサービス終了、『コインムスメ』や『クリプトスペルズ』はサービス終了を発表し、トークン経済に依存した運営の難しさも改めて露呈しました。

国内では、Web3を前面に押し出すより、既存の事業やIPに自然に接続できる形が増えてきています。

2025年11月のNFTニュース5選

ここでは、2025年11月に話題になったNFT系ニュースの中から、特にインパクトのあったものを5つに厳選してご紹介します。

  1. 楽天グループ、乃木坂46ライブのチケットリセールにNFT技術を導入
  2. ムシキングのIPを活用したブロックチェーンゲームが登場
  3. クリスペ、2025年12月にサービス終了を発表
  4. NFTレンディングのTVLが過去最低水準へ。ピーク時から97%下落
  5. 【三条市公認】NFTを活用したデジタル市長選挙が開催!

各ニュースの概要を見ていきましょう。

楽天グループ、乃木坂46ライブのチケットリセールにNFT技術を導入

乃木坂46 NFTチケット
引用:プレスリリース

楽天が運営するチケットリセールサービス「みんなのチケット」は、乃木坂46『40th SGアンダーライブ』でNFTチケットを活用した公式チケットリセールを実施しました。取引履歴をブロックチェーンで管理し、偽造や不正転売を抑えつつ安心して売買できる導線を整えています。

リセールの対象となったのは先行販売分で、乃木坂46としてNFTチケットを活用したチケットリセールを実施するのは、今回が初の試みだったとのこと。

主催者公認の枠組みで受け渡しを一本化し、転売対策の実証としても位置づけられます。今後の拡大に注目です。

詳しくはこちら▼
楽天グループ、乃木坂46「40th SGアンダーライブ」の公式チケットリセールにNFT技術を導入

ムシキングのIPを活用したブロックチェーンゲームが登場

ムシキング ブロックチェーンゲーム
引用:プレスリリース

Kyuzanは、セガからのライセンス許諾を受け『甲虫王者ムシキング』を題材としたブロックチェーンゲーム『MUSHInomics with MUSHIKING』を期間限定でリリースしました。

ゲームでは、Oasys上のトークン「MUSHI」が活用され、ムシカードを集めてデッキを組み、スコアを競う仕組みです。カードはSBT(譲渡できないNFT)として保有でき、イベント報酬やランキングで継続参加を促しました。

詳しくはこちら▼
『甲虫王者ムシキング』とMUSHIを活用したブロックチェーンゲームを正式リリース!

クリスペ、2025年12月にサービス終了を発表

クリスぺ サービス終了
引用:プレスリリース

CryptoGamesはブロックチェーンTCG『CryptoSpells』について、2025年12月15日にサービスを停止する方針を発表しました。2019年から約6年間運営されてきた人気タイトルで、国内初期のNFTカードゲームとして知られています。

今回、サービスを終了する理由は収益性の観点から継続が難しいためとのことです。

なお、トップページ公開やNFTメタデータ配信、第三者サービスでのNFT取扱いは継続するとしています。一方で、クリスペポイントなど事前購入分の返金は行わない方針も明記され、利用者は注意が必要です。

詳しくはこちら▼
CryptoSpells(クリスペ)、2025年12月15日にサービス停止へ。NFTやIP活用は継続募集

NFTレンディングのTVLが過去最低水準へ。ピーク時から97%下落

NFTレンディング 2025年12月
引用:DefiLlama

NFTレンディング分野は資金流出が続き、DefiLlamaのデータによると、同セクターのTVLは約830万ドルまで縮小しています。ピーク時(2024年春)は数億ドル規模だったため、実質的にほぼ1/30です。

担保NFTの価格変動と清算リスクが重なり、貸し手が戻りにくい状況が続いています。

P2Pレンディングを中心としたGondiなど一部のレンディングサービスを除き、BlurのBlendなど主要サービスの利用も細り、主要プレイヤーが減って流動性も戻っていません。

詳しくはこちら▼
【市場動向】NFTレンディングのTVLが過去最低水準へ。ピーク時から97%下落

【三条市公認】NFTを活用したデジタル市長選挙が開催!

三条市はメタバース「バーチャルSANJO」で“デジタル市長”を選ぶ企画を実施しました。

『匠の守護者NFT』の保有者に立候補・投票権を付与し、投票は12月に実施。選出者は1年間、地域PRや企画提案に関われます。

地域住民以外も参加でき、観光・ファンを巻き込む関係人口づくりの実証として注目されました。NFTはプロジェクト参加権として機能し、Web3に不慣れでも入りやすい設計です。運営は市内外の参加者を想定しています。

詳しくはこちら▼
【全国初】新潟県三条市のデジタル市長選挙!魅力や参加方法を聞いてみた

まとめ

11月のNFT市場は、暗号資産市場の調整局面がそのまま波及し、取引高が前月から大きく縮小しました。主要チェーンでも減速が目立ち、10月に見られた反発ムードは一服している状況です。一方で、HyperEVMが上位に入り、話題性の高いコレクションがチェーン指標を押し上げる構図も確認できました。

マーケットプレイスでは、全体が冷え込む中でもOpenSeaが取引高・ユーザー数ともに首位を維持しました。BaseやHyperEVMなど伸びたチェーンほどOpenSeaに流れやすく、全体の出来高が落ちた分、取引は分散せず、OpenSeaにまとまりやすい月でした。

コレクション別では、PFPの大口売買が弱まり、ゲーム、RWA、DeFiなど用途が明確な領域が上位に残りました。国内でも、NFTを既存の事業やIP、自治体施策に自然に組み込む動きが続いています。11月は、相場の熱量に左右されやすい領域と、日常的に回るユースケースの差がはっきり出た月でした。

過去の月間市場レポートはこちらから

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参照元:NFT Media

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