クリプトドットコム、米スポーツ予測市場で社内マーケットメイカー募集=報道

クリプトドットコムが予測市場向けトレーダー募集

海外暗号資産(仮想通貨)取引所クリプトドットコム(Crypto.com)が、米国で提供するスポーツ予測市場(スポーツイベント契約)において社内でマーケットメイクを行うトレーダーの募集を行っていると「米ブルームバーグ(Bloomberg)」が12月23日に報じた。

報道によると、同社は「クオンツトレーダー(quant trader)」として、スポーツイベントの結果に連動する金融契約の売買を担当する人材を募集している。職務内容には売買気配の提示による流動性提供(スプレッド縮小を含む)、リスク管理、新情報に応じた戦略・価格の調整などが含まれるという。なお勤務地は英国ロンドン(ハイブリッド)と求人票に記載がある。

ブルームバーグは、求人情報の中で「リスクを慎重に管理しながら利益を最大化する」ことが職務目標として示されている点に触れた。報道ではクリプトドットコムが自社プラットフォーム上で顧客と反対側の取引(顧客と競合)を行う立場になる可能性があると指摘している。

予測市場を巡っては、取引所が中立的な取引基盤であると説明する一方で、社内マーケットメーカーが存在する場合、顧客との利益相反が生じるのではないかとの指摘が以前からある。

これに対してクリプトドットコムの広報担当者は、同社は自己勘定取引を主要な収益源としておらず、社内マーケットメーカーが顧客の注文フローや独自データに優先的にアクセスすることはないと説明した。また同社の社内トレーディングチームについては「CFTCに開示している」旨が述べられている。

なおクリプトドットコムは最近予測市場分野での取り組みを拡大している。同社は9月、米スポーツアプリ「アンダードッグ(Underdog)」を通じて、NFLやNBAなど主要スポーツの試合結果を対象とした予測市場取引を提供する計画を発表していた。この取引は、米商品先物取引委員会(CFTC)に登録された関連会社「クリプトドットコム・デリバティブズ・ノース・アメリカ(Crypto.com Derivatives North America)」を通じて提供されるとのことだ。

また米国では現在、予測市場が従来のスポーツ賭博とどのように区別されるべきかについて、規制当局や政治家の間で議論が続いている。予測市場事業者は、連邦規制下のデリバティブ市場として運営されていると主張する一方、州当局の中には無認可のスポーツ賭博に該当すると指摘する動きも出ている。

 参考:ブルームバーグ
画像:PIXTA

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参照元:ニュース – あたらしい経済

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