
DEPプロトコル発表とWeb3完全移行の概要
Digital Entertainment Asset(DEA)社は2025年12月15日に、同社が運営するGameFiプラットフォーム「PlayMining」において、暗号資産ディープコイン(DEAPcoin/DEP)の価値最大化を目指す新構想「DEPプロトコル」のホワイトペーパーを発表しました。
今回の発表では、従来のプラットフォーム運営体制を抜本的に刷新し、真のWeb3(分散型ウェブ)プロジェクトへと完全移行する方針が明らかにされています。
今回の発表における最大の変更点は、PlayMiningプラットフォームがこれまで提供してきた「ウォレット機能」および「NFTマーケットプレイス」のサービス終了です。DEA社は、アバランチ(Avalanche/AVAX)の技術を活用した独自のパブリックチェーン「DEP Chain」を立ち上げ、DEPをガス代として消費する強固な経済圏を構築する方針を示しています。
この移行により、ユーザーは自身が保有するDEPやNFTを、MetaMask(メタマスク)などの外部ウォレットへ移動させる必要が生じます。
DEA社の吉田直人氏と山田耕三氏は共同メッセージの中で、今回の変更を「DEPが世界中で運用可能な資産へと生まれ変わるための不可避かつ前向きなステップ」であると強調しました。従来の使いやすさを重視した独自の「閉じた環境」から脱却し、DeFi(分散型金融)市場へのアクセスを可能にすることで、エコシステムの拡大とDEP価格の向上を目指すとしています。
ユーザーにとっては資産管理の手間が発生するものの、これはDEPがビットコイン(BTC)やイーサリアム(ETH)と同様の「パブリックな資産」へ進化するための重要な転換点となります。
サービス終了の詳細と資産移行スケジュール
「DEPプロトコル」の稼働に伴い、PlayMining上の主要機能は段階的に停止され、パブリックチェーン上の標準的な環境へと移行することになります。
特に重要なのは、ユーザー自身による資産(DEPおよびNFT)の外部ウォレットへの移行手続きです。DEA社は、期限内に移行を行わない場合、資産を利用できなくなる可能性があるとして、強く注意を喚起しています。
廃止される主な機能
- PlayMiningウォレット機能の終了:
プラットフォーム上のウォレット機能が廃止され、ユーザーは外部ウォレットで資産を自己管理することになる。これに伴い、DEPの入出金機能も順次停止される。 - PlayMining NFT(マーケットプレイス)の終了:
プラットフォーム上でのNFT取扱い終了に伴い、マーケットプレイスも閉鎖。今後はOpenSeaなどの外部マーケットプレイスでの取引を想定。 - PlayMiner Rank制度の廃止:
現在のランク制度(Apprentice, Auctioneer, Connoisseur)は廃止される。代替として、2026年1月中に「エージェント制度」の実装を予定。
なお、PlayMining ID(PMID)については、各コンテンツへのログイン機能として継続して利用可能です。また、廃止されるランク制度のために提供された個人情報(電話番号、本人確認書類など)は、移行完了後に規定に基づき破棄されることが明記されています。
【最重要】資産移行の期限とスケジュール
ユーザーは以下のスケジュールに従い、速やかに資産の移行手続きを行う必要があります。特に入金・出金の停止タイミングには十分な注意が必要です。
- 2025年12月19日(金):
NFT一括移行(ブリッジ)機能の提供開始予定。 - 2026年1月30日(金)メンテナンス開始時:
【DEP入金停止】
→外部からPlayMiningウォレットへの入金が不可能に。これ以降に送金されたDEPは消失し、返還不可となるため厳重な注意が必要。
【マーケットプレイス停止】
→NFTの購入・出品機能が終了。 - 2026年3月31日(火)メンテナンス開始時:
【DEP出金・NFT移行の完全停止】PlayMiningウォレットからの出金、およびNFTの外部移行(ブリッジ)が一切できなくなる。この期限を過ぎると、ウォレット内の資産を取り出す手段が失われることになる。
NFTの移行先については、パブリックブロックチェーンである「ポリゴン(POL)」へのブリッジが必要となります。DEA社は、ユーザーの負担軽減のため、NFTをまとめて移行できる一括機能を12月19日に追加する予定です。
新チェーン構想と今後の展望
今回の体制移行の核となるのが、Avalancheの技術を活用した独自の「DEP Chain」の立ち上げです。DEA社によれば、この新チェーンではDEPがガス代として消費されるほか、ステーキングによって利回りを生む仕組みが導入され、強固な経済圏が構築される計画です。
「DEPプロトコル」のホワイトペーパーでは、AIデータ需要の取り込みについても言及されており、DEPが実経済の中で持続的に「消費(Burn)」されるモデルが設計されています。
これまでのPlayMiningは、仮想通貨に詳しくないユーザーでも使いやすいUI/UXを提供してきましたが、その一方でブロックチェーン本来のメリットであるコンポーサビリティ(構成可能性)や、外部DeFiサービスとの連携においては制限がありました。
今回の完全Web3化により、DEPは様々な分散型サービスへ自由自在に接続可能となります。外部ウォレットに移行したユーザーのDEPは、新チェーン上での運用を通じて、ネットワークの成長による恩恵をダイレクトに享受できる形になります。
DEA社は、この変革を「サービスの縮小」ではなく、DEPがグローバル市場で競争するための「旅立ち」であると位置付けており、ユーザーに対して新しいエコシステムへの参加を呼びかけています。
既存ユーザーにとっては、メタマスク等の導入や資産移動という一時的な負担が発生しますが、これはプロジェクトが自律分散的な成長フェーズへ移行するために必要なプロセスと言えるため、ユーザーは2026年3月末の最終期限に向けて余裕を持ったスケジュールで対応することが重要です。
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source:DEA公式発表
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