VISA、米国で「USDC」によるステーブルコイン清算開始。ソラナ上で銀行向け提供

ビザが米国でUSDC清算提供

米決済大手ビザ（Visa）が、米国でステーブルコイン「USDC」による決済清算の提供を開始したと12月16日に発表した。これにより米国のカード発行会社および加盟店契約会社は、ビザとの清算を法定通貨に代えてUSDCで行うことが可能となる。

今回の取り組みはビザが進めてきたステーブルコイン清算のパイロットプログラムの一環で、米国のカード発行会社・加盟店契約会社がUSDCでビザと清算できるようになるのは初となる。USDCは米サークル（Circle）が発行する米ドル建てステーブルコインで、裏付け資産を全額保有する「フルリザーブ型」とされている。

同取り組みにおける初期の参加銀行としては、クロスリバー・バンク（Cross River Bank）とリード・バンク（Lead Bank）が名を連ねているとのこと。両行はソラナ（Solana）ブロックチェーン上でUSDCを用いた清算を開始している。ビザは米国内での提供を2026年を通じて段階的に拡大する予定だとしている。

ビザによると、USDC清算の導入により従来の5営業日中心に限定されていた清算サイクルが、週7日対応となるという。これにより銀行やフィンテック企業は資金移動の即時性や流動性管理の柔軟性を高めることができるとのこと。また、ビザはバックエンドの清算手段をUSDCに切り替えても消費者側のカード利用体験に変更はないとしている。

今回の発表について、サークルの共同創業者兼CEOであるジェレミー・アレール（Jeremy Allaire）氏は自身のXアカウントで言及した。同氏は、米国のすべてのカード発行体がUSDCを用いてビザと直接清算できるようになる点について、USDCの主流採用と受容における重要な節目だとの認識を示している。

同社はこれまで、中南米（LAC）や欧州、アジア太平洋（AP）、中東・アフリカ（CEMEA）地域などでステーブルコイン清算の実証実験を行ってきた。11月30日時点で、ビザのステーブルコイン清算額は年換算で35億ドル（約5,428億円）規模に達しているという。

さらにビザは、USDCの発行元であるサークルが開発を進めるレイヤー1ブロックチェーン「アーク（Arc）」のデザインパートナーとして参画していることも明らかにした。アークはオンチェーンでの商業活動を想定した高い処理性能と拡張性を備える設計とされており、ビザは将来的に同ネットワーク上でUSDC清算を行うほか、バリデータノードの運営も検討しているという。

参考：ビザ
画像：PIXTA

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参照元：ニュース – あたらしい経済

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