イーサリアム大型アップグレード「Fusaka」、メインネット実装完了

フサカのメインネット実装完了

イーサリアム(Ethereum)の次期大型アップグレード「フサカ(Fusaka)」が、世界協定時12月3日21:49:11(日本時間12月4日6:49:11)にメインネットで起動した。起動後、約15分でチェーンの最終確定(finalize)が得られ実装が完了している。コミュニティメンバーは今後24時間にわたり問題の有無を監視し続けるとしている。

なお同時刻は、エポック番号411392、スロット番号は13,164,544にあたる。

なおエポックとは、イーサリアムで用いられる時間単位のこと。またスロットは12秒ごとに区切られた時間単位のこと。32個のスロットを1つの区切りとする単位をエポックと呼ぶ。各スロットではブロック提案者となる単一のバリデータが選ばれるが、提案者の不在などによりブロックが生成されない(missed slot)場合もある。

フサカでは複数のEIP(Ethereum Improvement Proposal:イーサリアム改善提案)が導入され、スケーラビリティ(拡張性)の向上、セキュリティの強化、将来的な運用コストや負荷の低減が図られている。

主な提案として、EIP-7594(PeerDAS)によるデータ可用性の仕組み強化(結果としてレイヤー2のスループット拡大に寄与)、EIP-7825による1トランザクション当たりのガス使用量上限の導入、EIP-7935による実行レイヤーのデフォルトガスリミット引き上げ、EIP-7939(CLZ)によるEVM命令追加、EIP-7951(secp256r1)によるP-256署名検証のプリコンパイル追加(パスキー・WebAuthn等の活用を後押し)が含まれる。なお、これらは並列実行(Parallel Execution)を直接実装するものではなく、将来のスケーリング等を進めやすくするための前提整備の側面が大きい。

PeerDAS(ピアDAS)は「Peer Data Availability Sampling(ピアデータアヴェイラビリティサンプリング)」の略称で、ノードがブロックデータ全体をダウンロード・保存しなくても、データが十分に利用可能であることをサンプル取得によって検証できるようにする技術だ。基盤技術として消失訂正符号(erasure coding)が用いられ、データを断片化して冗長情報を加えることで、一定の断片が得られれば元のデータを復元できる性質を活用する。

イーサリアムの共同創業者であるヴィタリック・ブテリン(Vitalik Buterin)氏は、PeerDASがネットワークのスケーリングの鍵になる旨をXで言及している(表示上は9月24日だが、日本時間では9月25日に該当し得る)。

なおフサカではメインネット実装に先立ち、10月1日にホルスキー(Holesky)、10月14日にセポリア(Sepolia)、10月28日にフーディー(Hoodi)といったイーサリアムの各テストネットで順次アップデートが実施された。 

画像:PIXTA

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参照元:ニュース – あたらしい経済

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