
欧州10銀行がユーロ連動ステーブルコインの新会社設立
欧州の大手銀行ING、ウニクレディト 、BNPなど10行は、ユーロに連動するステーブルコインを2026年下半期に発行する新会社「Qivalis(キバリス)」を設立したと12月2日に発表した。デジタル決済でドルの支配状況に対抗する狙いだ。
キバリスの最高経営責任者(CEO)には暗号資産(仮想通貨)交換所大手コインベース(Coinbase)のドイツ部門CEOを務めたヤン・オリバー・セル(Jan-Oliver Sell)氏が就任する。セル氏は以前、暗号資産交換所大手バイナンス(Binance)にも勤務していた。会長には英金融大手ナットウェスト(NatWest)のハワード・デービス(Howard Davies)元会長が就く。
セル氏によると、キバリスは本社をオランダのアムステルダムに置き、向こう18~24カ月で45~50人を雇用する計画。既に計画の3分の1の人員を確保したという。
キバリスは、即時かつ低コストの支払い・決済を提供すると表明。ただデービス氏は、当初は暗号資産のトレーディングでの利用が中心になるとの見方を示した。
セル氏は、キバリスが26年下半期初頭にステーブルコインの発行を想定しており、ライセンスの取得に6-9カ月の期間を要すると説明した。オランダ中央銀行に電子マネー機関(EMI)のライセンスを申請している。
このプロジェクトが9月に発表された際には、参加銀行はオランダのING、イタリアのウニクレディト(UniCredit)、イタリアのバンカ・セラ(Banca Sella)、ベルギーのKBC、ドイツのデカバンク(DekaBank)、デンマークのダンスケ銀行(Danske Bank)、スウェーデンのSEB、スペインのカイシャバンク(CaixaBank)、そしてオーストリアのライファイゼン・バンク・インターナショナル(Raiffeisen Bank International)の9行だった。その後BNPパリバ(BNP Paribas)が加わった。
なおステーブルコインは、主にドルなどの法定通貨の価値に連動させ、政府債などの伝統的資産を裏付けとして一定価値を維持するように設計された、ブロックチェーン上で発行・移転されるトークンの一種。法定通貨以外の金や暗号資産に裏付けられるものや、需要調整で価格安定を図るアルゴリズム型も存在する。今年、米国で連邦レベルのルールが整備されたことなどを背景に市場規模が拡大している。
※この記事は「あたらしい経済」がロイターからライセンスを受けて編集加筆したものです。
欧州10銀行、ユーロ連動ステーブルコインの新会社設立
(Elizabeth Howcroft Jesús Aguado)
画像:Reuters
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参照元:ニュース – あたらしい経済

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