ソニーのSoneium、J-Pop推し活をスコア化
ソニーのレイヤー2ブロックチェーンSoneium（ソニューム）は2025年11月28日、日本最大級のアイドル・ファッションイベント「IDOL RUNWAY COLLECTION（IRC）」の公式アプリと連携することを発表しました。
Soneiumは、同アプリ「IRC APP」と連携してファンの応援活動をAIで分析し、その結果を「IRCスコア」としてブロックチェーン上に記録する仕組みを提供します。
発表によると、IRC APPはファンのSNS上での推し活（応援活動）を可視化・記録するプラットフォームで、AIが投稿内容や活動頻度を解析し、貢献度・継続性・コミュニティへの影響度に基づきスコアを算出します。
また、算出された「IRCスコア」はユーザーごとにオンチェーン上のウォレットに自動記録され、累計値に応じてRegular・Bronze・Silver・Goldの4段階のメンバーシップランクが付与されるとのことです。
ランクに応じてチケット先行購入権や優先入場、限定招待などの特典も付与され、上位ランクのファンにはより多くの投票権が与えられてファン投票に参加できます。
秋元康氏のメンズグループも技術活用
SoneiumとIRCが創るJ‑PopファンのWeb3応援モデル
J-Popイベント「IRC」の特徴と開催規模
IRCは2023年に始まった新時代のガールズイベントで、アイドルパフォーマンスとファッションショーを融合したステージが特徴です。
東京ガールズコレクション（TGC）の協力のもと大型会場で開催され、2025年3月の開催時には100組以上のアイドルが出演し、来場者は1万人以上にのぼったことが報告されています。
応援を評価するAIスコアとオンチェーン記録
IRC公式アプリ「IRC APP」は、W TOKYOやアソビシステムなど複数企業の合弁会社であるYOAKE entertainmentが開発しており、秋元康氏が総合プロデューサーを務めています。
今回の連携によって同アプリでは秘密鍵管理が不要なアカウント抽象化（AA）技術が採用されており、LINEやGoogleアカウントで容易にログインして利用できます。
また、ファンがX（Twitter）アカウントを連携すると、AIが投稿内容や活動頻度を解析して貢献度をスコア化します。
Soneiumは、この仕組みにより、ファンの貢献は検証可能なオンチェーンデータとして記録され、従来は見えづらかった応援活動に定量的な価値が与えられるとしています。
乃木坂46ら出演の大型イベントとも連動
こうして得られたIRCスコアはガス代不要で自動的に各ユーザーのウォレットに蓄積され、メンバーランクに反映されます。
発表によると、2025年1月のβテストではオンチェーン投票に6万人以上が参加し、使いやすいUXにより一般ファンも違和感なくブロックチェーンを活用できることが確認されています。
2026年3月に開催予定のIRC 2026には乃木坂46やFRUITS ZIPPERの出演が決定しており、これらの情報もアプリ上で共有される予定です。
音楽の知的財産オンチェーン化
Web3時代の音楽ファン体験を支える技術革新
米Ticketmasterが推進するNFTチケット戦略
エンターテインメント分野におけるブロックチェーン活用は世界各地で進展しています。
例えば、米TicketmasterはイベントチケットにNFTを導入しており、累計で約1億枚ものNFTチケットを発行したと報じられました。
デビッド・マーカス副社長は「アーティストがWeb3やNFTを活用することで特定ファンに特別なアクセスや報酬を提供し、ファンとの関係を深化できる」と語っており、同社はNFT保有者限定のチケット先行販売機能をコンサートで試験導入しています。
韓国発「Aria Protocol」の著作権トークン化
韓国では音楽著作権をトークン化しファンが一部を直接保有できる「Aria Protocol」が登場し、数兆円規模の潜在市場が期待されています。
11月1日にソウルで開催されたイベントには1,200人以上が詰めかけ、プロジェクトへの高い関心が示されました。
TicketmasterやAria Protocolなどに共通するのは、ブロックチェーンの利点を裏で活用しつつユーザー体験を向上させている点です。
ファンにとって重要なのは技術ではなく「推しを応援する楽しさ」であり、ソニーを含む大手企業も熱狂的なファン層へのサービス強化を目指してWeb3技術への投資を続けています。
音楽×ブロックチェーン関連の記事
Source：Soneium公式ブログ
サムネイル：Soneium公式ブログより引用
コメント