
ビットコイン投資で高まる価値保存ニーズ
米資産運用大手BlackRock(ブラックロック)のデジタル資産部門責任者、ロバート・ミッチニック氏は2025年11月22日、「同社の投資家の多くが日常決済ではなく、資産の価値を保存する手段としてビットコイン(BTC)を評価している」との見解を示しました。
ミッチニック氏はポッドキャストのインタビューで、現物ビットコインETFの需要が初期段階から想定を大きく上回った背景には、ビットコインを長期的な価値保存資産として位置づける投資家が増えている点があると説明しています。
同氏は、価値保存目的の需要が拡大する中、当初は個人投資家が中心だったETF購入層が現在では個人と機関で半々となり、機関側でもウェルスアドバイザー経由の資金とヘッジファンドがほぼ同割合で参入している点を重要な変化として挙げました。
さらに同氏は、ソブリン・ウェルス・ファンドや年金基金といった超大型投資主体もETF経由でビットコインを保有し始めており、この動きにより価値保存需要が市場のより広い層へ拡大していると強調しました。
その上で同氏は「ビットコインを一括りに“リスク資産”と分類する見方は不適切であり、独自のリスク・リターン構造を持つ別種の資産として理解すべきだ」と指摘しました。
一方でミッチニック氏は、ステーブルコインは決済手段としてすでに幅広く機能しており、価値の移転に関しては確固としたプロダクト・マーケット・フィットを獲得していると評価しています。
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投資家が評価するBTCの価値保存と決済の分岐
ビットコインのリスク特性と資産としての位置付け
ミッチニック氏は、ビットコイン価格が流動性や実質金利といったマクロ要因の影響を受ける可能性に触れつつも、これは金や新興国通貨と同様に「流動性リスク」の枠組みで理解されると説明しています。
同氏は、ビットコインと金のリターン特性が似通う場面もあると指摘し、こうした特性から将来的には時価総額が金と同等、または追い抜く可能性があると述べています。
さらに、若年層や機関投資家がAI関連資産と競合するのではなく、補完的にビットコインを捉えている点を強調し「特に価値保存手段としての評価が高まっている」と説明しました。
また、世界各国で通貨不安やインフレ環境が見られる中、同氏は「ビットコインが経済的な命綱として機能している例もある」と述べています。
BTC 1〜2%配分とステーブルコイン普及
ポートフォリオ構築に関しては、ブラックロックのモデルケースとしてビットコインを資産全体の1〜2%に配分しているとミッチニック氏は説明し、相関係数を踏まえた理論的根拠があると付け加えています。
加えて、ビットコインが決済手段として広範に普及するにはスケーリング技術やライトニングネットワークなどの整備が必要であり、現時点での決済用途の期待は「やや投機的」であるとの見方を示しました。
一方で、ステーブルコインはすでに決済領域で実用化が進んでおり、ビットコインとは異なり決済用途で確固とした役割を果たしていると説明しています。
こうした背景から、ビットコインは価値保存資産としての性格が強まりつつあり、決済分野ではステーブルコインが主導的役割を担う流れが示されています。
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Source:ポッドキャストインタビュー
サムネイル:AIによる生成画像






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