日本取引所グループ、国内暗号資産トレジャリー企業の上場基準見直しを検討=報道

コンテンツ

JPX、暗号資産トレジャリー企業への新たなルール整備を検討

2025年11月13日、日本取引所グループ(JPX)は、暗号資産(仮想通貨)を保有・投資対象とする「トレジャリー企業」に対して、上場審査および開示・監査体制の強化を検討していることが明らかになりました。

ブルームバーグは”事情に詳しい関係者の話”として、JPXが対象企業に対し、バックドア(裏口)上場を防ぐための合併規制の厳格化や新たな監査義務の導入を検討していると報じています。

また、関係者の1人によると、JPXの意向を受けて2025年9月以降、日本の上場企業3社が暗号資産の購入計画を保留したとされています。これらの企業には、暗号資産を事業戦略に組み込んだ場合、資金調達能力が制約される可能性があると伝えられています。

JPXはブルームバーグに対し、暗号資産への投資や保有に対する一律の規制は設けていないと述べる一方、リスクやガバナンス面で懸念がある企業には株主・投資家保護の観点から個別に対応していると説明しています。

暗号資産トレジャリー企業の現状と国内市場の課題

暗号資産依存型ビジネスに広がる市場不安

報道によると、暗号資産トレジャリー企業の代表例とされる米ストラテジー(旧マイクロストラテジー)は約660億ドル(約10.1兆円)相当のビットコイン(BTC)保有しており、現在の同社株価は2025年7月の年初来高値からおよそ半値まで下落したと伝えられています。

この下落は世界的に注目され、日本国内でも同様のビジネスモデルを採用する企業の株価が急落し、個人投資家が損失を抱える事例が相次いでいます。

日本では、メタプラネットが2024年初めにホテル事業から暗号資産保有事業へ転換し、すでに3万BTC以上を取得していますが、同社株価は年初の上昇後、6月時点で上場来高値から75%以上下落しました。

コンヴァノも2万1,000 BTCの取得方針を示した後に株価が約60%下落したとされ、こうした急変動を背景に投資家保護への懸念が高まっています。

日本市場が抱えるガバナンス課題と今後の焦点

香港やアジア太平洋地域の複数の取引所では暗号資産トレジャリー企業の新規設立に慎重な姿勢が広がる一方で、日本市場は比較的寛容とされ、ビットコイン保有企業数はアジアで最多の14社に達しています。

JPXが規制強化の検討を進める背景には、こうした株価急落や個人投資家の損失を受けて、企業ガバナンスと市場の健全性を確保する必要性が高まったことがあると報じられています。

今後の論点として、不適切な合併の防止や監査義務の追加、資金調達に関する審査強化などが挙げられており、JPXは引き続き企業の暗号資産保有状況を注視する姿勢を示しています。

※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=154.80 円)

>>最新の仮想通貨ニュースはこちら

Source:ブルームバーグ報道
サムネイル:Shutterstockのライセンス許諾により使用

コメント

タイトルとURLをコピーしました