米上院農業委「仮想通貨現物取引をCFTC規制下に」規制枠組みの明確化を提案

CFTCに仮想通貨現物市場の権限付与

2025年11月11日、米上院農業委員会のジョン・ブーズマン委員長(共和・アーカンソー州)とコーリー・ブッカー上院議員(民主・ニュージャージー州)は、
仮想通貨現物取引をCFTC(商品先物取引委員会)の規制下に置くための新たな規制の検討草案を公表しました。

この提案は、7月に下院で可決された「CLARITY法案」を拡張するもので、証券に該当しない仮想通貨(デジタル商品)の現物市場をCFTCが直接監督する新たな枠組みを設けることを目的としています。

草案には、主要な仮想通貨取引所などの事業者にCFTCへの登録を義務付ける規定や、顧客資金の分別管理、利益相反防止などの強力な消費者保護策が盛り込まれています。

さらに、個人が自身の仮想通貨(暗号資産)をウォレットで自己管理(セルフカストディー)できる権利も明記されています。

米議会、CLARITY法案拡張で仮想通貨市場ルール整備へ

現物取引市場をCFTCが一元監督する新制度

本草案は米国の仮想通貨市場に明確なルールをもたらし、規制の不確実性を解消することを狙いとしています。

まず、「デジタル商品」を新たに定義することで、証券に該当しない仮想通貨をCFTCの所管対象として明文化しています。

ブーズマン委員長は声明で「CFTCこそがデジタル商品現物取引を規制する適切な機関であり、新興の仮想通貨市場に明確なルールを定めつつ消費者を保護することが重要だ」とコメントしました。

加えて、仮想通貨の現物取引所やブローカーにはCFTCへの登録を義務付け、新たなライセンス制の下で、消費者保護策を遵守させる枠組みも設けられています。

例えば、顧客資金の分別管理や関連企業による相場操縦の禁止などが義務付けられます。

ウォレット自己管理権を明文化

さらに、個人のセルフカストディー(自己管理)権が明文化され、当局が個人ウォレットの使用を禁止したり取引所への預託を強制したりできないことが保証されました。

加えて、単にコードを公開・提供するだけのブロックチェーン開発者は送金業者と見なされないとの条項も盛り込まれ、革新的技術の発展を妨げない姿勢が示されています。

未確定のAML規定やDeFi扱いが課題に

一方で、この草案には、今後の協議で決定されるべき論点も残されています。

特にDeFi(分散型金融)に関する章は「更なるフィードバック求む」と記載されており、DeFiプラットフォームの扱いは引き続き議論が必要です。

また、アンチマネーロンダリング(AML)規制の詳細や、CFTCが一部ルールを免除できる裁量範囲なども未確定で、今後ステークホルダーの意見を踏まえて調整される見通しです。

なお、農業委員会の民主党議員は、ブロックチェーン開発者の責任免除条項は銀行委員会の所管事項であると指摘しており、今後、上院銀行委員会など他の委員会との調整を経て内容が修正される可能性があります。

消費者保護と産業育成を両立する新法案の狙い

CLARITY法案の拡張草案は、仮想通貨市場における不透明な法的状況の解消を図るものであり、消費者保護と産業育成の両立を目指す転換点といえます。

一方、DeFiやAMLなど未整備分野の扱いは今後の制度設計に大きな影響を与えると見られ、議会内外での議論が鍵を握ります。

草案の成立時期は依然不透明ですが、法的明確化を求める業界の要請が高まる中、今後の立法プロセスの動向に注目が集まっています。

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Source:草案資料
サムネイル:Shutterstockのライセンス許諾により使用

参照元:ニュース – 仮想通貨ニュースメディア ビットタイムズ

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