
フィンランド、仮想通貨取引の報告義務化へ
フィンランド政府は、2026年1月から国内の仮想通貨(暗号資産)取引に対する報告制度を導入する方針であることが明らかになりました。
ブルームバーグによれば、この報告制度は、経済協力開発機構(OECD)が策定した国際的な税務情報交換の枠組み「CARF(仮想通貨報告フレームワーク)」や、EU(欧州連合)が定める「DAC8」を上回る義務を課すもので、国際的な税務情報の透明性を高めることを目的としています。
具体的には、仮想通貨取引所やウォレット運営者などが2026年1月からユーザーの取引(売買・移転)や居住国などの情報を収集して報告する義務を負い、初回の年次報告書は2027年1月に提出され、国際的な情報交換は同年9月までに行われる予定です。
さらに、フィンランド政府案には、居住者およびその相続人の資本損益を計算できる情報基盤を税務当局に提供させる規定も盛り込まれていると伝えられています。
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仮想通貨課税の新制度で透明化推進
国境を越えた課税回避防止に向けた国際連携の強化
この新たな報告制度が導入される背景には、国境を越えた仮想通貨取引や交換サービスによる課税回避や情報隠匿のリスクの増大があり、国際的な取り組みが強化されています。
CARFは、登録する70以上の国・地域で仮想通貨関連の自動情報交換を目的としており、フィンランドもこれに追随しています。
特にフィンランド国税庁は「これまで仮想通貨取引に関する包括的な情報を持っていなかった」と述べ、サービス提供者からの報告義務によって課税体系の透明性を強化するとしています。
取引所・ウォレット運営者に年次報告を義務化
報告義務の対象となるのは、仮想通貨取引所やウォレット運営者などを含む「仮想通貨サービス提供者(CASP)」で、国内外問わず居住者・非居住者のユーザーを対象に、納税者番号・居住国・年間取引総額を区分して報告する必要があります。
さらに、フィンランド政府案では、単に取引総額を報告するだけでなく、居住者のキャピタルゲインや損失を算出できる情報まで提供可能とし、義務の範囲を広げています。
この制度の導入により、仮想通貨取引に関する税務当局の監視は大幅に強化される見通しで、フィンランド国内の仮想通貨利用者や取引プラットフォームには、報告対象範囲の拡大や収集情報の詳細化、データ管理体制の整備が求められます。
フィンランド政府は国際基準に沿った仮想通貨の税務透明性強化を図る方針で、制度が本格稼働すれば、国内外の仮想通貨取引に対する税務監査や情報交換の枠組みが一層明確になるとみられています。
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Source:ブルームバーグ報道
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