マスターカード、ステーブルコインインフラ企業のゼロハッシュを約20億ドルで買収交渉か=報道

マスターカードがゼロハッシュを買収か

米マスターカード(Mastercard)が、暗号資産スタートアップのゼロハッシュ(Zero Hash)を15億~20億ドル(約2,286億~約3,048億円)で買収する交渉の最終段階にあると、「フォーチュン(Fortune)」が10月29日に報じた。事情に詳しい5人の情報源を引用したものだ。

この取引が成立すれば、マスターカードにとってステーブルコイン領域で過去最大級の賭けの一つになるという。一方で、交渉が破談になる可能性もあると報じられている。

マスターカードとゼロハッシュはロイターの取材に対し、コメントを控えた。

決済大手各社は、ブロックチェーン基盤を活用し、従来の決済手段より高速・低コスト・安全とみる観点から、米ドルなど資産に連動するステーブルコインの統合を進めている。

クリプトドットコム(Crypto.com)、オーケーエックス(OKX)、クラーケン(Kraken)などとの提携からも分かるように、マスターカードはステーブルコインの可能性を早くから認識してきた。

2017年創業のゼロハッシュは、ステーブルコイン/ブロックチェーン向けのインフラを開発しており、マスターカードを含む金融機関に対し、暗号資産の取引、カストディ、ステーキングなどのサービス実装を可能にしている。

先月、モルガン・スタンレー(Morgan Stanley)は、同社のプラットフォームであるイートレード(E*TRADE)において、2026年上期から暗号資産の取引提供を開始する方針を表明した。パートナーはゼロハッシュである。

また、ゼロハッシュは年初に1億ドル強(約152億円超)の資金調達を完了し、評価額10億ドル超(約1,524億円超)となった。このラウンドはインタラクティブ・ブローカーズ(Interactive Brokers)が主導し、モルガン・スタンレー、ソーファイ(SoFi)などが参加した。

今回の動きは、マスターカードとコインベース(Coinbase)が、ステーブルコイン企業のBVNKの約20億ドル(約3,048億円)での買収を検討していたという先行報道にも続くものだ。ただし、フォーチュンによれば、この競争はコインベースが優勢で、現在BVNKとの独占交渉に入っているという。コインベースはコメントを控え、BVNKは回答していない。

※この記事は「あたらしい経済」がロイターからライセンスを受けて編集加筆したものです。
Mastercard poised to buy crypto firm Zerohash for nearly $2 billion, Fortune reports
(Reporting by Pritam Biswas in Bengaluru; Editing by Shilpi Majumdar)
翻訳:大津賀新也(あたらしい経済)
画像:Reuters

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参照元:ニュース – あたらしい経済

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