【2025年版】サービス終了(予定)を発表した国産ブロックチェーンゲーム7選

2025年に入り、国内発のブロックチェーンゲーム(BCG)でサービス終了の発表が相次いでいます。市場環境の変化やユーザー獲得コストの上昇、トークノミクスの維持難など、複数の要因が重なった結果と言えるでしょう。

本記事では、2025年に終了を発表した、または年内に終了予定となっている国産タイトルを時系列で整理します。

そのうえで、なぜサービス終了になってしまったのかを共通要因から読み解き、今後生き残るプロダクトの条件まで簡潔に考察します。

なお、各タイトルの状況は更新される可能性があるため、最新の公式情報の確認を前提にお読みください。

2025年にサービス終了(予定)を発表した国産ブロックチェーンゲーム

2025年に入ってからサービス終了(またはWeb3要素の停止)を発表した主な国産ブロックチェーンゲームを、発表された時系列順にご紹介します。

  1. De:Lithe Last Memories|ディライズ:ラストメモリーズ
  2. TEKKON
  3. TOKYO BEAST
  4. QB GoldRush
  5. キャプテン翼 -RIVALS-
  6. 魁 三国志大戦 – Battle of three kingdoms –
  7. Eternal Crypt - Wizardry BC-

終了の背景や経緯はタイトルごとに異なりますが、それぞれの発表から読み取れる情報もあわせて記載します。

De:Lithe Last Memories|ディライズ:ラストメモリーズ

ラスメモ
引用:De:Lithe Last Memories公式サイト

De:Lithe Last Memories|ディライズ:ラストメモリーズ』は、株式会社enishが開発・運営を手がけたローグライクRPGです。Oasysブロックチェーン上で発行されるGEEKトークンやNFTといったWeb3要素を組み込み、注目を集めました。

しかし、運営は2025年6月11日にGEEK関連サービスの終了を発表。終了の理由として、トークン価格の下落や取引所での上場廃止、そして短期的な収益効率を重視しすぎた経済設計の歪みを挙げています。

6月13日以降、トークン交換やNFT販売などのWeb3機能は段階的に停止されましたが、ゲーム本体は基本プレイ無料タイトルとしてサービスを継続する方針が示されています。Web3要素のみを切り離す形でのピボット事例となりました。

詳細はこちら▼
ラスメモとは?Web3要素のサ終や特徴、評判、遊び方を徹底解説

TEKKON

TEKKON
引用:株式会社エクライズ

TEKKONは、インフラ老朽化という社会課題の解決を目指した、位置情報×Web3アプリです。ユーザーがマンホールや電柱などのインフラ設備を撮影・投稿することで、点検や保全に貢献し、対価としてトークンを得られる仕組みを提供していました。

運営元のNPO団体 Whole Earth Foundationは2025年7月31日をもってサービスを終了することを公式Noteで発表。

具体的な理由は明かされていませんが、「これまでの活動で得られた知見やネットワークは、形を変えて今後の活動に引き継いでいく」としており、プロジェクトで得た成果を前向きに捉え、発展的に終了する形を選択したようです。

TOKYO BEAST

TOKYO BEAST
引用:PR TIMES

TOKYO BEASTは、「クリプト×本格RPG」を掲げ、独自のNFTキャラクターを用いたバトルやベッティング要素を特徴とした国産ブロックチェーンゲームです。

開発元のTOKYO BEAST FZCOは2025年7月22日にサービス終了を告知し、同年8月24日をもってサービスを停止しました。

プロデューサーはサービス終了の理由を「プロジェクトを維持するための運用コストとのバランスが取れなくなったため」と説明。トークンセールなども実施していましたが、持続的な収益確保には至らなかったようです。

サービス停止に伴い、ゲーム内通貨の払戻しや、特定のNFT保有者に対するUSDCでの補填といったユーザー対応も合わせて案内されました。

詳細はこちら▼
【TOKYO BEAST終了】背景と補填内容を解説&税金周りを専門家に聞いてみた

QB GoldRush

QB GoldRush
引用:PR TIMES

QB GoldRushは、Web3プロジェクトの支援やギルド運営を行うGuildQBが手がけた、放置型マイニングGameFiです。プレイヤーはNFTキャラクターを使ってゲーム内通貨を採掘(マイニング)し、それを暗号資産に交換できる仕組みでした。

運営は2025年9月、公式X(旧Twitter)にてサービス終了を発表し、同月末でのクローズを予告。

サービス終了の理由は「運営体制や今後の事業方針を踏まえた慎重な検討の結果」とされており、詳細は明らかにされていません。

ゲーム内で獲得した資産の移行や補償対応については、専用のサポート体制を準備中であり、追って詳細を案内するとしています。

キャプテン翼 -RIVALS-

キャプテン翼 RIVALS
引用:PR TIMES

『キャプテン翼 -RIVALS-』は、世界的な人気漫画「キャプテン翼」のIPを活用したブロックチェーンゲームです。ユーザーはNFTとして発行された選手キャラクターを育成・編成し、他のプレイヤーと対戦できます。

開発・運営を行うMint Townは2025年9月26日、同年11月28日をもってサービスを終了すると発表

終了理由を「ゲームエコシステムの継続が困難になったため」としており、トークン価格の維持や新規ユーザー獲得に課題があった可能性が示唆されます。

サービス終了に伴い、ゲーム内通貨の購入停止やマーケットプレイスの閉鎖などが段階的に行われ、終了後はNFTの閲覧もできなくなる予定です。

魁 三国志大戦 – Battle of three kingdoms –

魁 三国志大戦 – Battle of three kingdoms –
引用:PR TIMES

『魁 三国志大戦 – Battle of three kingdoms –』は、株式会社double jump.tokyoが開発を手がけ、セガの人気アーケードゲーム「三国志大戦」を題材としたブロックチェーンゲームです。Oasysチェーン上に構築された独自のL2ネットワーク「SG Verse」を活用し、ゲーム内アイテムやキャラクターのNFT取引を実現していました。

運営は2025年10月1日、同年10月31日をもってサービスを終了することを発表。同時に、基盤となっていたL2「SG Verse」の停止も告知され、ユーザーが保有するNFTについては他チェーンでの再発行を検討中としています。

具体的な収益状況への言及はありませんが、エコシステム全体の維持が困難になったことが背景にあると推測されます。

Eternal Crypt - Wizardry BC-

Eternal Crypt - Wizardry BC-
引用:Eternal Crypt - Wizardry BC-公式サイト

『Eternal Crypt - Wizardry BC-』は、不朽の名作RPG「Wizardry」のIPを用いたブロックチェーンゲームとして、ドリコムとチューリンガムが共同で開発・運営していました。

2024年3月の正式リリースから約1年半後の2025年10月1日、同年12月15日をもって全サービスを終了すると発表。この決定は、ゲームパブリッシャーであるZEAL NOVA社の解散に伴うものであり、「運営の継続が不可能になったため」と明確な理由が説明されています。

外部要因によるサービス終了という、BCGプロジェクトが直面しうるリスクの一つを示す事例となりました。

相次ぐサービス終了、その背景にあるものとは?

2025年に入り、なぜこれほど多くの国産ブロックチェーンゲームが、志半ばでサービス終了の判断に至っているのでしょうか。

「BCGはもう終わったのか?」といった声も聞かれますが、実態はもう少し複雑です。単一の原因ではなく、いくつかの構造的な課題が複合的に絡み合った結果と見るべきでしょう。

X(旧Twitter)などの議論も踏まえつつ、その深層を探ってみます。これらの背景には、主に以下のような要因が考えられます。

  • 持続困難な経済モデル
  • 「稼ぐ」が先行しすぎたゲーム性
  • Web3特有の参入障壁
  • 運営コストと収益の不均衡
  • 規制やプラットフォームの不確実性

それぞれ詳しく解説します。

持続困難な経済モデル

多くの指摘があったのが、黎明期特有の経済モデルの歪みです。

初期のBCGは「Play to Earn(遊んで稼ぐ)」を旗印に、高利回りの報酬設計でユーザーを惹きつけました。

しかし、ゲーム内で得たトークンやNFTを消費する健全な仕組み(例えば、キャラクターの強化や見た目の変更、イベント参加権など)が十分に設計されていないと、新規ユーザーの流入が続く間は良くても、それが鈍化した途端に売り圧力が強まり、価格が下落してしまいます。

それが更なるユーザー離れを招くという悪循環に陥りやすかったのです 。一部のタイトルで見られたトークン価格の急落は、この構造的な脆さを象徴していると言えるでしょう。

「稼ぐ」が先行しすぎたゲーム性

次に、ゲームそのものの魅力が、投機的な側面に追いついていなかった点も無視できません。

「稼げるからプレイする」という動機が先行しすぎると、報酬が期待できなくなった途端、ユーザーは離れてしまいます。

たとえ報酬がゼロでも、純粋に面白いから遊びたいと思わせるだけのコアなゲーム体験を提供できているか、という点は、多くのプロジェクトにとって重要な問いとなりました。

Web3特有の参入障壁

さらに、Web3特有の使いにくさも大きな障壁でした。

ウォレットの作成、秘密鍵の管理、ガス代(手数料)の支払い、異なるブロックチェーン間での資産移動(ブリッジ)などなど...。

これらは既存のゲーマーにとって、あまりにも煩雑なハードルです。

このユーザー体験の悪さが新規ユーザー獲得のボトルネックとなり、結果的に多くのプロジェクトが初期の熱狂を超えてスケールすることができませんでした。

運営コストと収益の不均衡

加えて、運営コストと収益のアンバランスも深刻な問題です。

特に有名IPを利用する場合のライセンス料は高額になりがちです。

Web2のソーシャルゲームと同等レベルの開発・運営体制を維持するには莫大な固定費がかかりますが、BCG特有の収益モデルがまだ確立されていない中で、そのコストを賄いきれなくなったケースも少なくありません。

規制やプラットフォームの不確実性

最後に、外部環境の不確実性も影を落としています。

アプリストアの規約変更や、国ごとの暗号資産・NFTに関する規制の動向は、常に変化しています。

安全策を取ればゲームの魅力が損なわれ、攻めれば法的なリスクや対応コストが増大する。このジレンマの中で、プロジェクトの舵取りは極めて難しいものがありました。

これらの要因が複雑に絡み合い、多くの国産BCGが走り切るための時間と資金を確保できず、撤退という判断に至った、というのが現状ではないでしょうか。

【淘汰の先に描く未来】ブロックチェーンゲームが生き残る道筋とは

相次ぐサービス終了の報は、ブロックチェーンゲームの未来に対する悲観論を招きがちです。

しかし、黎明期特有の課題が浮き彫りになった今だからこそ、その失敗から学び、次世代の成功モデルを築くための道筋が見えてきています。

ここでは、今後ブロックチェーンゲームが持続的に成長し、ユーザーに愛され続けるために不可欠となるであろう要素を考察します。

ゲームの本質回帰

多くのサービス終了事例が示したのは、「稼げるだけでは人は定着しない」という現実でした。

投機的な魅力が薄れた途端にユーザーが離れてしまう構造は、あまりにも脆い。これからのBCGに求められるのは、たとえ報酬がゼロになったとしても「純粋に面白いから遊びたい」と思わせる、強力なコアゲーム体験です。

経済的なインセンティブは、あくまでゲームの面白さを拡張するスパイスであるべきで、主役であってはなりません。

持続可能なエコシステムの設計

ブロックチェーンゲームが長く愛されるためには、エコシステムの設計が鍵を握ります。

初期のプロジェクトの多くは、トークンやNFTを「どう稼ぐか」という点ばかりが注目され、プレイヤーが獲得した資産を「どう使うか」という使い道の設計が十分に考えられていませんでした。その結果、供給ばかりが増えてしまい、価値がインフレを起こして薄まってしまったのです。

これを防ぎ、エコシステムを持続させるには、ゲームプレイの中でプレイヤーが「これに使いたい!」と思える魅力的な消費先を用意することが欠かせません。例えば、キャラクターの強化や、見た目を飾るアイテム(スキン)、期間限定のイベントへの参加権などが考えられます。

プレイヤーが自発的に資産を使いたくなるような仕組みをゲームサイクルに組み込むことで、初めて健全な経済の循環が生まれます。さらに、シーズン制やリーグ制を導入して定期的に経済状況をリセットするような工夫も、長期的な安定には有効な手段となり得るでしょう。

Web3特有の壁を壊す

下記のようなWeb3特有のハードルは、依然として新規ユーザー獲得の大きな障壁です。

  • ウォレット作成
  • 秘密鍵の管理
  • ガス代

生き残るためには、これらの摩擦を極限まで減らす努力が欠かせません。

具体的には、メールアドレスだけで始められるウォレットレスな導入体験、クレジットカード等による法定通貨での直接決済(オンランプ)、複雑なガス代を利用者から見えなくする技術などが鍵となります。

「Web3であることを意識させない」レベルのUXこそが、マスアップデートへの道を拓きます。

デジタル資産の価値再定義

NFTの価値を、単なる価格上昇による期待だけに依存させるモデルは限界を迎えました。

今後は、ゲーム内での実用性(ユーティリティ)や、コレクションとしての所有欲を満たす設計がより重要になります。

例えば、見た目を変えるだけのスキンや、ゲームプレイに直接影響しない記念品のようなNFTは、経済圏への影響を抑えつつ、ユーザーの満足度を高めることができます。

二次流通市場に過度に依存せず、ゲーム内での体験価値と結びついた資産設計が求められています。

まとめ

2025年は、国産ブロックチェーンゲーム(BCG)にとって、大きな転換点となる年でした。

本稿で見てきたように、いくつかのタイトルが新たなフェーズへ移行するためにサービス提供の形を変える判断を下しています。その背景には、持続可能な経済モデルの模索、Web3特有のユーザー体験の改善、運営体制の最適化といった、業界全体が成長のために乗り越えるべき課題が見られました。

しかし、これは必ずしもBCGの停滞を意味するものではありません。むしろ、初期の熱狂的な市場から一歩進み、真にユーザーに価値を提供できるプロジェクトが次のステージへと進むための、自然なプロセスと捉えることができます。

「面白い」というゲームの本質に立ち返り、持続可能な経済圏を設計し、誰もがストレスなく遊べる体験を提供していくこと。これらを追求するプロジェクトこそが、次世代のスタンダードを築いていくのではないでしょうか。この転換期を経て、より洗練され、より多くの人に愛されるBCGが生まれてくることが期待されます。

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参照元:NFT Media

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