
ビットコインと金「未来の通貨」論戦へ
米ホワイトハウスは2025年10月23日、ドナルド・トランプ米大統領が仮想通貨取引所バイナンスの創業者チャンポン・ジャオ(CZ)氏に恩赦を与えたと発表しました。
今回の発表を受け、ビットコインに批判的な経済評論家ピーター・シフ氏は、CZ氏に対しX(Twitter)上で「ビットコイン対トークン化ゴールド」をテーマに公開討論を行うよう呼びかけました。
このシフ氏の呼びかけに対し、CZ氏もX上で「議論に臨む用意がある」と応じています。
シフ氏は自身が提唱する金裏付けトークン「Tgold」の構想を明らかにする一方、CZ氏はそれを中央管理に依存する「Trust Me Bro(私を信じて)」トークンだと強く批判しています。
討論の日時などの詳細は現時点で明らかになっていませんが、約5,000年の歴史を持つ金と誕生から15年ほどのビットコインという対照的な通貨をめぐる議論として、大きな注目を集めています。
I am in the mood for it.
As much as you voice against bitcoin, you are always professional, and non personal. I appreciate that. Can have a debate about it.
— CZ
BNB (@cz_binance) October 23, 2025
【ピーター・シフ氏】
恩赦おめでとうございます!ビットコインとトークン化された金についての議論でお祝いしましょう。【CZ氏】
ビットコインに対して批判的な意見をお持ちであっても、常にプロフェッショナルで個人的な感情に左右されない姿勢には感謝しています。ぜひ、この件について議論させていただければと思います。
「ビットコインは金を上回る資産」
ビットコインとTgoldが公開討論の舞台へ
シフ氏が提唱する「Tgold」構想
またピーター・シフ氏は、別の投稿でCZ氏に対し、ビットコインと自身が提唱する金のトークン「Tgold」のどちらが「貨幣の三要件(交換手段・価値尺度・価値貯蔵)をより満たすか」について討論しようと提案しました。
シフ氏は最近のインタビューで「ブロックチェーンに載せる価値があるのは金だけだ」と強調し、Schiff Gold社を通じて金の購入・保管・デジタル取引・現物の引き出しを可能にする金連動トークンのプラットフォームを計画していることも明らかにしています。
CZ氏が警鐘「金トークンは中央集権的」
こうしたシフ氏の構想に対し、CZ氏はX上で「金をトークン化してもオンチェーン上に実物の金を保有することにはならない」と指摘し、第三者の将来的な金の引き渡しを当てにするだけの「Trust Me Bro」トークンだと強く批判しました。
Saying the obvious. Most people “in crypto” know this, most people “not in crypto” may not understand yet.
Tokenizing gold is NOT “on chain” gold.
It’s tokenizing that you trust some third party will give you gold at some later date, even after their management changes, maybe… https://t.co/KMYfz2dG04
— CZ
BNB (@cz_binance) October 23, 2025
(前略)「金のトークン化」は、決して“ブロックチェーン上の本物の金”ではありません。
これは、ある第三者が将来的に、場合によっては経営陣が変わった後や戦争の最中でも、あなたに金を渡してくれると信頼することに価値を置いたトークンです。
つまり「私を信じてね」というトークンに過ぎません。
CZ氏は分散型のビットコインとは異なり、第三者への信頼が必要な点に警鐘を鳴らしています。
これに対しシフ氏は、金の保管を第三者に委ねるのは新しいことではなく、ブリンクスなどが160年以上安全に金を預かってきた歴史があると反論しました。
さらに同氏は、裏付け資産の管理に第三者を信頼する構造はステーブルコインにも共通すると指摘し、トークン化ゴールドだけを問題視するCZ氏の姿勢に疑問を投げかけています。
「ビットコインが金を追い越す」
BNBが12%高騰、CZ氏恩赦が仮想通貨市場を刺激
10月24日時点で、CZ氏に対する大統領恩赦の発表を受けて仮想通貨市場には上昇の動きが見られています。
ビットコイン価格は前日比で2%以上上昇して約110,000ドル(約1,680万円)に達し、ビルドアンドビルド(BNB)も直近24時間で一時約12%急騰しました。
ホワイトハウスは今回の恩赦に際し「仮想通貨に対する戦争は終わった」と表明しており、規制リスクの後退を意識した投資家心理の改善が価格を押し上げた一因となったと指摘する声もあります。
足元では金価格も米国の財政不安などを背景に史上最高値の1トロイオンスあたり4,000ドル(約61万円)超を記録しており、ビットコインと金がともに高値圏にある中、今後行われる討論への市場の関心が集まっています。
※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=152.58 円)
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BNB (@cz_binance) 



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