
Alpha不正参加者排除と報奨制度を発表
仮想通貨ウォレットサービス「Binance Wallet」は2025年10月20日、公式X(旧Twitter)で、Alphaプログラムを悪用していた600以上のアカウントを削除したと発表しました。
AlphaプログラムはBinance Wallet上で新規プロジェクトのトークンを早期配布(エアドロップ)する仕組みで、同社の発表によると、一部のユーザーが複数の偽アカウントや自動化ツール(いわゆる「ボットファーム」)を使い、不正に報酬を取得していました。
また同社は、不正行為によって得られたこれらのアカウントのキャンペーン報酬をすべて無効化(没収)し、該当アカウントを今後実施される全てのBinanceキャンペーンから永久に排除したことも明らかにしました。
さらに、最初に不正行為を報告したユーザーに対しては、回収された不正利益の最大50%を報奨金として支払う方針も示しています。
Dear User,
In-line with our commitment to protect our users and provide a fair platform, last week we banned over 600 accounts that had misused Binance Alpha by fraudulently using automated tools (e.g. “bot farms”).
We are enhancing our user feedback mechanism, and we… pic.twitter.com/97osYbmVqD
— Binance Wallet (@BinanceWallet) October 19, 2025
私たちはユーザーの保護と公平なプラットフォームの提供に努めており、先週、Binance Alpha を不正に利用し、自動化ツール(いわゆる「ボットファーム」)を使っていた600以上のアカウントを停止しました。
(後略)
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不正排除と報奨強化で信頼回復を図るバイナンス
ボットファームによる不正行為への制裁措置
Binance Walletによると、Alphaプログラムで確認された不正行為は大量の偽アカウントとボットを用いた報酬の不正取得でした。
例えば「ボットファーム」と呼ばれる手法では、数百もの偽アカウントに自動スクリプトを実行させ、同一のエアドロップに繰り返し参加させることで、本来他のユーザーに分配されるはずの報酬を不正に独占します。
バイナンスはこのような不正操作による報酬取得を確認し、Alphaプログラムの公平性を確保するため強硬策に踏み切りました。
同社は「Alphaプログラムを公平で透明性のあるものに保つため、規約違反アカウントは決して容認しない」と強調し、市場操作につながる不正行為には断固対処する姿勢を示しています。
不正報告で最大50%の報酬を支払う制度
加えて、Binance Walletはコミュニティによる監視強化策として「報奨金プログラム」を開始しました。
不正行為を発見したユーザーが所定の公式フォームから証拠付きで報告を行い、それが運営によって裏付け確認されれば、最初に通報したユーザーに対して該当アカウントから回収された不正収益の最大50%が報酬として支払われます。
報告にはスクリーンショットや関連アカウントのUID・ウォレットアドレスなど詳細な証拠の提出が求められ、重複報告は無効となるルールも示されています。
>> 報告フォーム
この「ホワイトハッカー報奨」により、一般ユーザーにも不正摘発のインセンティブが生まれ、公正な参加者がプラットフォームの健全性維持に協力できる仕組みが構築された形です。
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Binanceの対策に見る業界の不正排除の動き
今回のBinance Walletによる大規模アカウント削除と報奨金制度の導入は、取引所やウォレットを含む仮想通貨(暗号資産)業界全体で広がる「不正排除と透明性強化」の動きを象徴する取り組みといえます。
米司法省が仮想通貨詐欺で140億ドル分のBTC押収
10月15日には米司法省(DOJ)が国際的な仮想通貨詐欺ネットワークを摘発し、その関連資産として約12万7,000 BTC(約140億ドル/2.1兆円相当)の押収手続きを開始したことも明らかになりました。
これは中国人グループが関与した「Pig Butchering(豚の屠殺)」と呼ばれる大規模詐欺スキームの収益に対する措置で、米国史上最大規模の仮想通貨没収劇として注目されています。
プラットフォーム信頼維持に向けた取り組み
こうした国際的な摘発強化の流れを受け、取引所やウォレット事業者側でもユーザー保護とプラットフォームの健全性維持を競争上の重要要素として位置づける動きが強まっています。
不正が横行すればコミュニティの信頼が損なわれ、健全な市場成長にも悪影響を及ぼすため、各社はルール違反者の排除や不正取得資産の回収といった対策を相次いで打ち出しています。
Binance Walletの今回の措置も、こうした業界全体の流れの一環として位置づけられています。
不正参加者を排除し正当なユーザーに報酬を行き渡らせる取り組みは、公平性を重視する仮想通貨コミュニティから概ね歓迎されており、今後も同様の対策が他のプラットフォームで講じられる可能性が高いと見られています。
※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=150.84 円)
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Source:Binance Wallet公式X
サムネイル:Shutterstockのライセンス許諾により使用






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