ジュピター、新取引エンジン「Ultra v3」公開、MEV保護とガスレス機能を強化

JupiterがUltra v3をローンチ

ソラナ(Solana)の分散型取引所(DEX)集約プロトコル「ジュピター(Jupiter)」が、第3世代の取引エンジン「Ultra v3」のローンチを10月17日に発表した。同社は今回のアップデートを「これまでに作られた最も先進的なエンドツーエンド取引エンジン」と位置づけている。

Ultra v3では、サンドイッチ攻撃に対する保護が従来比34倍向上し、スリッページにおいても業界最高水準のパフォーマンスを実現したという。また実行手数料は最大10倍削減され、トレーダーにとって大幅なコスト削減を可能にしている。

さらに今回のアップデートでは新しいルーター「Iris(アイリス)」が導入された。これはメタアグリゲーション機能により、JupiterZ、DFlow、Hashflow、OKXなど複数の取引プラットフォーム間で最適な価格を見つけ出し利用者に提供する。なお「JupiterZ」はゼロスリッページで日次約1億ドルの取引量を処理するRFQ(Request for Quote)システムで、Ultra v3でのみ利用可能とのことだ。

Ultra v3は予測実行(Predictive Execution)エンジンによって駆動され、ルートを優先順位付けしてスリッページを回避し、リアルタイムシミュレーションを実行してより厳密な価格を実現する。この機能により、単なる見積もり時点ではなく実際の実行時点での最適価格を提供するという。

また新機能として、インハウス取引着地エンジン「ShadowLane(シャドウレーン)」が搭載された。このエンジンはプライベートな取引実行を可能にし、着地遅延を従来の1-3ブロック(400ミリ秒-1.2秒)から0-1ブロック(50-400ミリ秒)まで短縮する。

MEV(Maximal Extractable Value)攻撃からの保護も大幅に強化されたており、他のプロバイダーが注文フローを第三者のMEVサーチャーに販売することでサンドイッチ攻撃のリスクを高めるのに対し、Ultra v3では取引を外部プロバイダーに委託することなく、有害なMEVへの露出を最小化するとのことだ。

「ガスレスサポート」機能も拡張され、ユーザーはウォレットにSOLを保有することなく取引を実行できる。取引時に適格な価値を持つトークンが1つでもあれば、ガス費用を計算し、スワップで支払うという仕組みだ。最小取引サイズも約10ドルまで引き下げられ、Token-2022やミームコイン同士のペアもサポートするようになった。

なおUltra v3は、ジュピターのウェブ、モバイル、デスクトップアプリケーション、API、プロツールなど全製品にシームレスに統合されている。これにより、あらゆるインターフェースで一貫した高度な実行機能を利用できるとのことだ。 

画像:PIXTA

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参照元:ニュース – あたらしい経済

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