
メール送金と請求リンクでUSDC決済簡略化
米大手仮想通貨取引所Coinbase(コインベース)は2025年10月16日、スタートアップ企業や中小企業向けに新たな決済ツールを提供開始したと発表しました。
これにより、米ドル連動型ステーブルコインUSDコイン(USDC)をメールアドレス宛てに送金できる「グローバルペイアウト」と、支払いリンクを発行して資金を請求できる「ペイメントリンク」が利用可能になります。
コインベースは、これらの新機能により、従来の国際送金で課題となっていた高額な手数料や送金遅延、為替コスト、チャージバックリスクを解消し、中小企業のグローバルな資金移動を簡略化できると強調しました。
さらに、USDC残高については「年利4.1%」のリワード(報酬)も提供されており、獲得したUSDCはいつでも銀行送金(ACHやワイヤー送金)で換金ができると説明されています。
コインベースとサムスンが提携
Coinbase、中小企業向けUSDC決済機能を始動
メールアドレス宛にUSDC送金が可能に
公式ブログによると、グローバルペイアウトでは、受取人が仮想通貨ウォレットを持っていない場合でも、先にメールで支払いを受け取り、その後コインベースアカウントを作成しUSDCを引き出すことができます。
取引先や従業員などへの繰り返し支払いに備えて宛先情報を保存・管理できるコンタクト管理機能も備えており、入力ミスのリスク軽減や送金業務の効率化に役立つと説明されています。
さらに、送金処理を自動化できるAPI(アプリケーションプログラミングインターフェース)も用意されており、社内システムと連携して、オンデマンドや定期的な一括支払いを実行することも可能です。
決済と利回り4.1%運用を両立する新たな選択肢
ペイメントリンクでは、請求金額を設定した専用リンクを作成し、メールやQRコードで共有することで、顧客からUSDCによる支払いを受け付けることが可能となっています。
今後提供予定のAPIを通じてアプリやECサイト内で動的に支払いリンクを生成する機能が開発される予定で、企業はこれを活用して自社サービスにUSDC決済を組み込むことができると説明がなされています。
さらに、Coinbase Businessアカウントで保有するUSDC残高には年率4.1%(変動)のリワードが自動適用されるため、企業は送受金に利用しつつ資金を運用することも可能とのことです。
なお、今回の新機能リリースに伴い、コインベースは既存のマーチャント向けサービス「Coinbase Commerce」を今後数カ月以内に「Coinbase Business」へ統合する計画も明らかにしています。
Coinbase Business自体は米国の一部事業者を対象にアルファ版(試験提供段階)としてサービスが提供されており、利用申し込みから最短2日ほどで承認される手軽な開設プロセスや各種サービス利用料が無料である点も特徴として挙げられています。
BTC還元クレジットカードを発行
Coinbase、国際送金革命に向けた展開強化
今回発表された新機能は、コインベースが安価で迅速な国際決済を推進する取り組みの一環であり、同時にステーブルコインの普及に向けた他社との協業やグローバル展開も進められています。
2025年4月、コインベースは決済大手PayPal(ペイパル)との提携を拡大しました。
これにより、PayPal発行の米ドル連動型ステーブルコイン「PYUSD」の売買や送金時の取引手数料は無料化され、加盟店は銀行を介さず直接PYUSDを受け取れる環境が整備されています。
また10月15日には、インドの大手仮想通貨取引所CoinDCX(コインディーシーエックス)に新規出資を行ったことを発表しており、この出資によりCoinDCXの評価額は24.5億ドル(約3,680億円)に達したことも明らかになっています。
コインベースの事業責任者であるシャン・アガルワル氏は「インドおよび周辺諸国が今後のグローバルなオンチェーン経済の未来を形作るだろう」と述べており、こうした地域展開を通じて世界規模での仮想通貨決済網構築に注力している姿勢を示しています。
※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=150.20 円)
コインベース関連の注目記事はこちら
Source:Coinbase公式ブログ
サムネイル:AIによる生成画像





コメント