DEX「Aster」の取引量に不自然な相関、DeFiLlama創設者が指摘

DeFiLlamaでAsterのデータを除外対応

DEX(分散型取引所)「アスター(Aster)」の取引量にバイナンス(Binance)の無期限先物取引量と不自然な相関が見られると、分散型金融(DeFi)データ分析プラットフォーム「ディファイラマ(DeFiLlama)」の創設者である0xngmi氏が、10月5日に自身のXアカウントで指摘した。

アスターは急成長しているDEXだ。イーサリアム仮想マシン(EVM)互換のオンチェーン無期限先物取引プラットフォームを提供している。過去にバイナンス創業者チャンポン・ジャオ(Changpeng Zhao:CZ)氏が個人的にアスターのアドバイザーとして関わっていることを明言している。また複数の元バイナンス社員が関与していることも認めている。ただしバイナンス本体がアスターを公式支援しているといった関係性は、少なくともCZの発言ベースでは確認されていない。

0xngmi氏によると、アスター上の「XRP/USDT」および「ETH/USDT」など複数のペアで、バイナンス(Binance)の無期限先物取引量とほぼ完全に一致する取引パターンが確認されるとのこと。特に0xngmi氏が提示した分析データによるとイーサリアム(ETH)の両取引所間の相関係数は0.959と極めて高い一致が観測された。

比較対象とされた分散型取引所「ハイパーリキッド(Hyperliquid)」では、同じ銘柄でも相関係数は0.882と適度な乖離があり自然な市場変動として説明可能な範囲にとどまっている。一方アスターの取引量は、時系列でバイナンスとほぼ同時に変動しており、ウォッシュトレードの可能性があることを示唆している。

0xngmi氏はアスターでは発注単位の詳細データが取得できず、取引主体やボットなどの実態を検証できない状況にあると説明した。そのため同氏が関わるディファイラマでは、アスターの永久先物(Perp)取引量データを一時的に除外する方針を示している。

また同氏は翌6日、「自身はアスター関連トークンを保有しておらず当該銘柄にポジションを持ったこともない」と投稿している。今回の調査はデータの透明性と整合性を保つためのものであり、特定プロジェクトへの批判を目的としたものではないと説明した。

画像:PIXTA

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参照元:ニュース – あたらしい経済

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