NFTの一種として注目を集めている「SBT(Soulbound Token)」。
学歴や資格、会員権のように「個人に結びついた証明」をブロックチェーン上で表す新しい形のトークンです。
しかし、日常的に利用しているウォレットサービスがもし終了してしまったら、そのSBTはどうなるのでしょうか。
「せっかく発行されたSBTが消えてしまうのでは?」と不安に感じる方もいるかもしれません。
そこで本記事では、SBTの基本からウォレットサービスが終了した際の仕組み、ユーザーが取るべき対策までをわかりやすく解説します。
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そもそもSBT(ソウルバウンドトークン)とは

SBT(Soulbound Token/ソウルバウンドトークン)とは、譲渡や転売ができない仕様を持ったNFTの一種です。通常のNFTは自由に売買や移転が可能ですが、SBTは一度ウォレットに紐づけられると他者へ移せないという特徴があります。そのため、投機性が低い一方で、所有者本人の実績やアイデンティティを証明する手段として期待されています。
代表的な活用例としては、下記のようなものが挙げられます。
- 大学の卒業証明書
- 国家資格の認定バッジ
- オンラインコミュニティのメンバーシップ
- イベント参加証
こうした情報をブロックチェーン上に記録することで、改ざんが難しく、誰でも検証可能な証明手段として機能する点が大きなメリットです。近年ではWeb3の実装事例として、万博や大規模イベントでの参加証明の一部としてSBTの考え方が応用されるケースも見られます。
ただし、この移せないという特徴は便利な反面、ウォレットの利用環境やサービスの継続性に大きく依存することになります。つまり、利用していたウォレットサービスが終了した場合、SBTがどう扱われるのかがユーザーにとって重要な部分となるのです。
ウォレットサービスが終了したらSBTはどうなる?

結論から言えば、ウォレットアプリが終了したとしても、SBTそのものが消滅することはありません。SBTはブロックチェーン上に記録されており、ウォレットはあくまでそのアドレスを操作する「鍵と画面」の役割を担っているに過ぎないからです。ただし、状況は誰が秘密鍵を持っているかで大きく異なります。
非カストディアル型ウォレット、つまり自分自身で秘密鍵やリカバリーフレーズを管理している場合は比較的安心です。利用していたウォレットアプリが終了しても、別のウォレットアプリに同じ鍵を復元すれば、SBTを継続して利用できます。逆に、取引所や事業者に鍵を預けているカストディアル型の場合、その事業者がサービス終了に伴い秘密鍵を引き渡さなければ、SBTにアクセスできなくなる可能性があります。
また、最近普及しつつある「アカウント抽象型(スマートアカウント)」の場合も、SBT自体はブロックチェーン上に残り続けますが、ガス代の肩代わりや特定の復旧モジュールなど、サービス特有の便利機能が停止するリスクがあります。つまり、SBTは残るが、使い勝手やアクセス手段が変わることが想定されるのです。
このように、ウォレットサービスが終了してもSBTは消えませんが、その後も使えるかどうかは、秘密鍵の所在とどのタイプのウォレットを使っているかによって左右されます。
じゃあどうすればいい?

SBTを安全に持ち続けるためには、まず自分が利用しているウォレットの種類を把握することが重要です。非カストディアル型の場合は、必ず秘密鍵やリカバリーフレーズを安全な場所にバックアップしておきましょう。紙や金属プレートなどオフラインで保存しておくのが理想的です。ウォレットが終了した際には、その鍵を使って他のウォレットアプリに復元すれば、同じアドレスに紐づいたSBTをそのまま表示・利用することができるはずです。
一方で、カストディアル型のウォレットを利用している場合は注意が必要です。サービス提供者が終了を発表した際には、出庫や鍵のエクスポートなどSBTの移行に関する案内がないかを確認しましょう。もしそれらがない場合、SBTはブロックチェーン上に残っていても、自分の手では取り戻せず、実質的な消失となるリスクがあります。
さらに、SBTは基本的に譲渡不可の仕様であり、別のアドレスに移すことはできません。アドレスを変えたい場合やウォレットを乗り換えたい場合は、発行元が再発行やリバインド(再紐付け)などの機能を用意しているかを事前に確認しておくことが大切です。例えばERC-5484のような規格ではリバインドを可能にしている場合があります。
つまり、ユーザーが取るべき対策はシンプルです。鍵を自分で管理し、安全にバックアップしておくこと。そして利用しているウォレットの仕組みを理解し、万一の終了時にどう動くかを事前に把握しておくことが、SBTを守る最も効果的な手段になります。
ウォレットサービスの終了事例
ウォレットサービスが終了するとどうなるのか、実際の事例を見ておくとイメージがつきやすいでしょう。ここでは、直近で話題となった2つのケースを紹介します。
NTT Digital「scramberry WALLET」のサービス終了

2025年9月、NTT Digitalが提供していたscramberry WALLETのサービス終了が発表されました。ユーザーには事前に通知が行われ、資産の移行や出庫を呼びかける対応が取られました。
このケースは、事業者が終了後の移行手段を確保していた良い例といえますが、もし利用者が案内を見逃した場合、資産やNFTが残っていても取り出せなくなるリスクがあったことになります。
EXPO2025「デジタルウォレット」の会期終了後対応

大阪・関西万博で提供されている「EXPO2025デジタルウォレット」も、会期終了後の扱いが注目されました。
このウォレットでは、スタンプラリーで取得できる「ミャクーン!NFT」や、各パビリオンの参加証明として機能するSBTなどが発行されています。
会期終了後はSBI VCトレードやHashPort Walletへの移行ルートが公式に用意されており、NFTを保有し続けることができる仕組みが整備されています。
おすすめのウォレットと現状の最適解

SBTを安全に管理するためには、どのウォレットを選ぶかが非常に重要です。一般的に、最も安心できるのは非カストディアル型で、秘密鍵を自分で保持できるウォレットです。代表的な例としてはMetaMaskやRabby、Phantomなどがあり、グローバルで広く利用されているためサポート情報も豊富です。国内では、Gincoのように法人利用にも対応したソリューションも注目を集めています。
さらに安全性を高めたい場合は、ハードウェアウォレットを併用するのも有効です。LedgerやTrezorといったデバイスを使えば、秘密鍵を物理的に隔離できるため、ハッキングや不正アクセスから守ることができます。SBT自体は移せない仕様ですが、同じアドレスをハードウェアウォレットに復元して利用することが可能です。
現時点での最適解は、メジャーな非カストディアル型ウォレットを利用しつつ、秘密鍵やリカバリーフレーズをオフラインでバックアップしておくことです。加えて、資産の一部をハードウェアウォレットで管理するなど、多層的なセキュリティ対策をとるのが望ましいでしょう。こうすることで、ウォレットサービスが終了しても柔軟に移行でき、SBTを安全に持ち続けることができるでしょう。
SBTは便利だが、デメリットもつきもの

SBTの最大の魅力は、「個人の実績や信用をブロックチェーン上に記録できる」という点です。学歴や資格、会員権、イベント参加証などの証明をデジタルで一元化できれば、改ざんされにくく、信頼性の高い証明として活用できます。また、NFTチケットや限定コミュニティなど、日常生活やビジネスに応用する余地も広がっています。
しかし、その便利さと同時にデメリットも存在します。まず、SBTは譲渡不可であるため、ウォレットを乗り換えたいときやアドレスを変更したいときには柔軟に移せません。再発行やリバインドの仕組みが発行元に用意されていない場合、ユーザーは不便を強いられることになります。
さらに、プライバシーの懸念もあります。一度発行されたSBTはブロックチェーン上に残り続けるため、取り消しや削除が難しく、不要になった情報が公開されたままになる可能性があります。また、利用しているウォレットやチェーンが事業者依存の場合、そのサービスが停止するとアクセスが制限されるリスクもあります。
こうした課題は、SBTが社会に浸透していく中で解決されていく余地があります。標準規格の整備や再発行フローの普及、相互運用性の強化が進めば、利便性と安全性を両立した仕組みが実現していくでしょう。しかし現時点では、SBTには便利さと引き換えに一定の制約があるというのが現状になります。
まとめ

ウォレットサービスが終了しても、SBTそのものが消えることはありません。SBTはブロックチェーン上に残り続けるため、サービス停止=消滅ではないのです。
ただし、実際に利用を続けられるかどうかは、鍵を誰が持っているかに左右されます。秘密鍵やリカバリーフレーズを自分で管理していれば、別のウォレットに復元することでアクセスできますが、事業者が鍵を管理するカストディアル型の場合は、事業者の対応次第ではアクセス不能となるリスクもあります。
SBTは個人の証明や実績をデジタルで担保する便利な仕組みですが、その特性上、移動や削除が難しいという制約も存在します。だからこそ、ユーザー自身が秘密鍵を安全に保管し、利用しているウォレットやチェーンの特性を理解しておくことが重要なのです。利便性とリスクを正しく理解し、備えをしておけば、SBTはこれから社会でますます活躍の場を広げていくでしょう。
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