Slash PaymentがKaiaに対応!加藤 雅人氏にインタビュー

暗号資産決済サービスを手がけるSlash Fintech Limitedが、アジア最大級のWeb3エコシステムを構築するKaia DLT Foundationとの提携を発表しました。これにより、同社の「Slash Payment」および「Slash Vプリカ SHOP」がレイヤー1ブロックチェーン「Kaia」に対応し、ユーザーはKaia上の暗号資産を利用して決済やVプリカギフトの購入が可能になります。

Kaiaは、カカオとLINEがそれぞれ開発したブロックチェーンが統合し、2024年に設立されました。2億5000万人以上の潜在的なユーザーを抱え、アジア最大のWeb3エコシステムを構築しています。LINEのメッセンジャー上で展開する「Dapp Portal」では、83以上のミニアプリが提供されています。

今回の提携により、ユーザーは米ドルと連動するステーブルコイン「USDt」をはじめとする、Kaia上の多様な暗号資産での支払いが可能になりました。

Slash Fintech社は、特に成長著しいアジア市場を中心にオンチェーン決済の普及を促進するようです。そこで今回の発表について詳しくお話を伺うべく、Slash Fintech Limitedの加藤 雅人氏(以下、加藤氏)にインタビューを実施しました。

Kaiaと提携した狙いや今後の事業戦略を深堀りし、Slash Fintech Limitedの事業戦略を紐解きます。

マスアダプションへの布石

Vプリカ Slash kaia
引用:Slash Vプリカ SHOP

ーーBNB ChainやPolygonなどに続き、Kaiaと提携した理由を教えてください。

加藤氏:最大の理由は、LINEの広大なユーザーベースにあります。

Kaiaとの提携は、将来的にLINEのミニアプリ上で「Slash Vプリカ SHOP」を展開することを見据えた一手です。LINEアプリからシームレスにVプリカギフト(Visaプリペイドカード)を購入できるようになれば、暗号資産に詳しくない人でも簡単にサービスを利用できるようになります。これは、暗号資産決済の普及を目指す上で非常に大きな意味を持ちます。

また、Kaia上のエコシステムで利用されるステーブルコイン(USDtなど)に対して、新たな使い道を提供したいという狙いもあります。

今後、LINEユーザーはポイント感覚でステーブルコインを受け取る機会も増えるでしょう。その際にSlashを活用すると、ステーブルコインでVプリカギフトを購入することが可能です。

この流れが生まれれば、日常生活でステーブルコインが利用できるようになります。LINEのエコシステムは日本と韓国で非常に普及しているため、これらの地域でのシェア拡大につながっていくはずです。

Slashは、暗号資産を使って"新しいお金のカタチ"を届ける、次世代の決済スタートアップとして暗号資産を日常の支払いに活用できるプロダクトを2022年から提供してきましたが、各国市場における事業戦略の観点でKaiaとの連携は中長期的に大きな意味をもつと考えております。

国内外で普及しつつあるブロックチェーン決済

ーー暗号資産決済に関して、日本や世界の市場動向を教えてください。

加藤氏:世界と日本では異なるフェーズにあるものの、共通してステーブルコインを決済に利用するエコシステムが拡大しています。

まず世界のトレンドとしては、銀行口座を持てないアンバンクト層に対してオンチェーン決済が浸透しています。主にアフリカやインド、東南アジアなどが中心であり、決済/金融への重要なアクセス手段として今後も普及が進むでしょう。

このような流れのなかで大手金融機関も参入しており、VisaやMastercardといったクレジットカード会社もステーブルコイン決済への対応を本格化させています。また、StripeやCircleといった企業では、決済専用のブロックチェーン開発が進行中です。

また、ステーブルコインを預けて利回りを得ながら、それを決済にも使える「PayFi」市場が拡大しており、オンチェーン上のインタラクションをワンストップで提供するプラットフォーム「スーパーアプリ」を中心とした「クリプトネオバンク」や「ステーブルコインバンク」といったテーマで事業を展開する企業も生まれており、今後の動向が注目されます。

一方の日本市場でも、JPYCや法整備の進展を追い風に、ステーブルコインへの注目度が高まっています。

決済インフラとしての価値が徐々に認識され始めており、大手金融機関や事業会社との連携に向けた動きも活発化しています。ただし、「まだ時期尚早ではないか」といった慎重な見方も存在しており、本格的な普及にはまだ時間がかかると考えられています。

そこで、SlashはtoC領域からオンチェーン決済/金融に誰もがアクセスでき、ステーブルコインを保有/運用するメリットを享受できる環境を整備し、ステーブルコインが決済/金融の中心となることで、すべての金融サービスがインターネットのように接続されることを1つのビジョンとして掲げています。

Slashが提供する「決済だけではない付加価値」

ーーSlashの今後の戦略を教えてください。

加藤氏:Slashは「ステーブルコイン = お金のインターネット」とし、暗号資産決済/金融のインフラを構築していきます。

まず短期戦略としては、年内にUSDCを担保にしたクレジットカード「Slash Card」をリリースし、クリプトに詳しいアーリーアダプター層を中心として利用者の拡大を目指します。

Slash Cardは、日本の資金決済法、割賦販売法、および暗号資産関連法に抵触しないよう、日本の法律に準拠したプロダクト開発を行っており、海外発行のクリプトカードとの競争環境の中で、日本国内の法律に則った持続可能な事業モデルを構築しようとしています。 

今秋には日本法人を子会社として設立し、電子決済手段・暗号資産サービス仲介業等のライセンス取得を予定しております。また、Slash Card OEM/提携カードを通じて、日本の事業者との連携を強化すると同時に、日本での成功モデルを海外展開する取り組みも強化していく予定です。

その上で暗号資産に馴染みのない人にもステーブルコインを使ってもらえるように、既存の「Slash Vプリカ SHOP」とKaiaエコシステムとの連携を通じて日本市場のステーブルコイン決済のインフラとしての地位を確立させます。

そして中長期戦略では、ステーブルコインによる資産運用など、「決済」だけに留まらないSlashならではの付加価値を訴求していく計画です。将来的にユーザーは銀行振込で入金した日本円を自動的にUSDCに変換し、Slash Earnを通じて、年利4%〜8%という高い利回りで運用できるようになり、運用で得られた利息はカードで日常の支払いに利用可能なステーブルコインを活用した新しい資産運用モデルを提案します。

とはいえ、これまでの決済スタイルを変えてもらうのは容易ではありません。実際にPayPayが世の中に登場した際も、ポイント還元などの大規模なキャンペーンが連日繰り広げられました。このように中長期的な施策では、一般の利用者層が興味を引くマーケティングが必要になってくると考えております。

将来的にはさらに多くの企業と連携し、日本における暗号資産決済をリードする存在を目指していきままだ先の話になりますが、暗号資産決済/運用に加え、将来的にはトレード機能、さらには株式やETFといった証券取引へのアクセスも提供し、1〜2年以内に「日本版ロビンフッド」のような、個人が自己の資産で多様な金融サービスにアクセスできるプラットフォームを実現することも目指しています。

ーー最後に読者の方に向けてメッセージをお願いします。

日本国内の法規制に準拠した初のステーブルコイン対応クレジットカード「Slash Card」では、事前登録を受付中です。ぜひこの機会にご登録ください。

Slash Card▶https://pre-card.slash.vision/

海外では、Coinbase/BaseAppのようにオンチェーン決済/金融、ソーシャル、AIエージェント、メッセージング、ミニアプリなどのレイヤーを 1 つのアプリで完結させるスーパーアプリが一般的になりつつあるので、日本でも同様のサービスを法規制に準拠して開発提供することで、市場の発展に貢献したいと考えていますので、よろしくお願いいたします!

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