メタマスク独自トークン「MASK」コンセンシスCEOが早期発行の可能性を示唆

ルービンCEO、MASK発行時期に言及

2025年9月19日、ConsenSys(コンセンシス)社のジョセフ・ルービンCEOは、同社開発の自己管理型ウォレットMetaMask(メタマスク)の独自トークン「MASK」について、発行が当初の見込みより早まる可能性を示唆しました。

ルービン氏は米メディアのインタビューで、MASKトークンの発行計画が進行中であることを初めて認め「MASKトークンは予想よりも早く登場するかもしれない」と述べています。

コンセンシスのジョセフ・ルービンCEOが、MetaMaskの独自トークンについて「近いうちに登場する見込みで、予想よりも早く発行される可能性がある」と発言しました。

メタマスクは全世界で月間3,000万以上のユーザーを抱える主要な仮想通貨ウォレットであり、独自トークンの導入は利用者コミュニティやサービスの分散化戦略において大きな注目を集めています。

MASKトークン発行に向けたMetaMaskの戦略

ルービン氏が語るメタマスクの分散化戦略

ルービン氏は米仮想通貨メディアThe Blockのポッドキャスト番組「The Crypto Beat」に出演し、番組内でMASKトークンについて具体的に言及しました。

同氏は「MASKトークンはやがて登場します。現時点で皆さんが予想するよりも早く来るかもしれません。これはMetaMaskプラットフォームの一部機能の分散化に深く関係しています」と語りました。

メタマスクのネイティブトークン構想は2021年頃からコミュニティで取り沙汰され始め、2022年にはルービン氏が分散化戦略の一環としてトークン発行とDAO(自律分散型組織)の計画に言及しています。

当時ルービン氏は、MASKトークンを短期的な資金調達の手段とせず、いわゆるエアドロップ狙いの投機家に悪用されないよう対策を講じる考えも示していました。

DAO構想とMASKトークンの発行方針

その後、トークン発行に合わせてコミュニティ主導のDAOを通じた資金調達の構想が示されています。

2025年5月には、MetaMask共同創設者のダン・フィンレイ氏も同メディアの別インタビューで独自トークンについて「検討中」であると発言しています。

フィンレイ氏はインタビューで「トークンを発行する場合はメタマスク公式ウォレット内で直接告知し、ユーザーがウォレット内でリンクを確認できる形にする」と述べ、偽のエアドロップ詐欺に対抗するため公式アプリ内告知に限定する方針を強調しました。

また、同氏は「規制当局の監視が比較的緩やかな環境であればトークン発行はより安全に行えるだろう」と述べ、米国の規制状況次第で発行のタイミングを図っていることを示唆しています。

MASKトークンのエアドロップに期待高まる

一方で「証券法は依然として適用される」との認識も示し、プロジェクトが灰色領域に踏み込まないよう慎重な姿勢を維持しています。

こうした開発陣からの発言を受け、コミュニティではMASKトークンのエアドロップ(既存ユーザーへの無料配布)を期待する声も高まっています。

ルービン氏は以前、X(旧Twitter)上で「Wen MASK?(MASKはいつ?)」と投稿して独自トークン発行を示唆したことがあり、この際にも多くのユーザーが「メタマスクのスワップ機能利用者にトークン配布があるのではないか」といった推測を展開しました。

ただし、現時点で具体的な配布方法や条件は明らかになっておらず、公式からの続報を待つ必要があります。

MASKトークン用途とエコシステム連携

業界関係者は、MASKトークンが正式に発行された場合、その用途としてガバナンス(運営参加権)やユーザー報酬、ステーキングなど幅広い可能性を指摘しています。

こうした中、コンセンシスはすでに独自のイーサリアムL2ネットワーク「Linea」やメタマスク連携のステーブルコイン「MetaMask USD(mUSD)」を発表しており、MASKトークンもこれらのプロダクトと連携してユーザーへのインセンティブ付与やコミュニティ運営に活用される可能性があると伝えられています。

単なるマーケティング用のコインではなく、コンセンシスが構築するWeb3エコシステム全体(ウォレット、L2、ステーブルコインなど)を接続する役割を持たせることで、トークンによる段階的な分散化とユーザー還元を実現する狙いがあるとみられています。

MetaMaskステーブルコイン「mUSD」と今後の展開

mUSD導入で狙う決済機能強化

メタマスクは最近、エコシステム拡充に向けた動きを加速させています。2025年8月21日には、MetaMaskウォレットにネイティブ統合する独自の米ドル連動ステーブルコイン「MetaMask USD(mUSD)」を発表しました。

発表によれば、まずイーサリアム(ETH)メインネットとコンセンシス開発のL2「Linea」で2025年内に先行展開される予定です。

自己管理型ウォレットが独自のステーブルコインを発行するのは世界初の事例であり、メタマスクはmUSDを通じてウォレット内でのオンボーディングや決済機能の強化を図っています。

mUSD活用によるウォレット内外の金融体験向上

mUSDはMetaMaskアプリ内で、法定通貨からの直接購入(オンランプ)、既存の暗号資産とのスワップ(交換)、複数チェーン間のブリッジ(転送)に対応しています。ウォレット利用者はシームレスにドル価値を取り扱えるようになります。

加えて、今後提供予定のMastercard(マスターカード)提携デビットカード「MetaMask Card」を通じて、mUSDを利用した実店舗での決済も可能になる計画です。

これによりメタマスクはウォレット内外での金融体験を一段と向上させ、ユーザー基盤の強化を図っています。

ユーザー利便性と安全性の両立へ

また、メタマスクはセキュリティとユーザー体験の改善にも注力しており、最近のアップデートでブラウザ拡張機能の脆弱性対策やフィッシング詐欺警告の強化を公表しました。

加えて、ウォレットのポートフォリオ画面には新たに「Lineaネットワーク」専用ページが追加されています。

これにより、Linea上で展開されるトークンやNFT、dApps(分散型アプリ)の情報を一覧できるようになりました。

今回のルービン氏の発言とmUSD導入は、メタマスクが分散化と利便性向上を同時に進めている現状を示しており、今後の公式発表に注目が集まります。

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Source:The Blockインタビュー
サムネイル:Shutterstockのライセンス許諾により使用

参照元:ニュース – 仮想通貨ニュースメディア ビットタイムズ

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