サークルの「CCTP V2」Stellarネットワークに導入へ|USDCの相互運用性を大幅強化

Stellarネットワークに「CCTP V2」導入

ステラ(Stellar/XLM)の開発を行うステラ開発財団(SDF)は2025年9月18日に、Circle(サークル)が開発する「Cross-Chain Transfer Protocol(CCTP)V2」をStellarネットワークに導入することを発表しました。

クロスチェーン転送プロトコル(CCTP)は、サークル社が発行する米ドル連動ステーブルコイン「USDC」を異なるブロックチェーン間でネイティブに移動させる仕組みであり、USDCの相互運用性を強化する重要な技術として知られています。

従来の環境でUSDCを複数チェーンで利用する際には、ラップドトークンやサードパーティのブリッジを利用する必要があり、セキュリティリスクや流動性分断といった課題が存在していました。

しかし、CCTP V2は送金元チェーンのUSDCをバーン(処分)して、送金先チェーンで新たに同額をミント(発行)する「バーン&ミント方式」を採用することで1:1のシームレスな資産移動を可能にしているため、ラップド資産やカストディ型ブリッジを介さず、安全かつ効率的にクロスチェーン送金できる仕組みとなっています。

今回は「CCTP V2」がStellarネットワークに統合されるため、これによってユーザーは「EthereumSolana・Base」を含む15のブロックチェーンとStellarの間でUSDCを直接安全に移動できるようになり、Stellarにおける相互運用性が向上し、新たなユースケースも可能になると説明されています。

Cross-Chain Transfer Protocol(CCTP)V2がステラに導入されます。

これによりステラはCCTPを通じてマルチチェーンのUSDCエコシステムと接続され、流動性が強化され、開発者はプログラム可能なクロスチェーン送金を利用できるようになります。

CCTP V2導入のメリット

CCTP V2導入の主なメリットとしては以下のようなものが挙げられています。

  • ネイティブな相互運用性
    CCTP V2によって、Stellar上のUSDCはEthereum・Solana・Baseなど他のCCTP V2対応チェーンと相互運用が可能になる。従来はUSDCをチェーンごとに分けて保有する必要があり、流動性が浅かったり、Circleアカウントや第三者を経由しないと移動が難しい状況だったが、CCTP V2はStellarをより広範なUSDCエコシステムとつなげ、深い流動性と柔軟な資金管理を実現する。
  • 開発者向けのプログラマビリティ
    CCTP V2は誰でも利用可能で、分散型アプリケーション(dApps)にクロスチェーン転送を直接組み込むことができるため、流動性をシームレスにチェーン間で移動させることが可能になる。さらに、開発者は転送時に任意のメタデータを含め、宛先チェーン上で自律的に処理を実行することも可能。開発者は追加の統合開発や独自の流動性戦略を構築する必要なく、Stellarネットワークの高速・低コストな決済機能や法定通貨へのオフランプを活用できる。
  • チェーン間での1:1バーン&ミント
    CCTP V2では、USDCをチェーン間で移動する際にラップド資産やカストディ型ブリッジが不要。転送時には送信元でネイティブUSDCをバーンして、送信先で新たにUSDCをミントする仕組みを採用しているため、ブリッジに伴うリスクを低減し、数秒での安全な決済が可能になる。

仮想通貨エコシステムを強化する重要な統合

CCTP V2によって、Stellarエコシステムは「クロスチェーンのUSDC流動性、USDCを利用するウォレット、取引所、DeFiレンディングプロトコル」など幅広いサービスと接続されるため、市場の流動性が深まり、効率性も向上、事業者やユーザーは資金をボトルネックなく移動できるようになります。

特に取引所にとっては重要で、分散型取引所(DEX)はより良いレートを提示できるようになり、中央集権型取引所(CEX)は流動性プールをチェーンごとに分けて保有する必要がなくなります。

Stellarはすでに国際送金分野をリードする存在ですが、CCTP V2の導入によって流動性アクセスとクロスチェーン機能がさらに強化され、Stellar対応の他チェーンは、低コストで迅速な決済に加え、世界47.5万か所以上のマネーグラム拠点を通じた法定通貨のオン/オフランプ(法定通貨と仮想通貨の交換)を活用できるようになります。

今回の統合はステラの“グローバル決済ネットワーク”としての地位をさらに固める動きであり、CCTP V2を通じてマルチチェーンの流動性を取り込み、USDC利用の幅を拡大することで、ステラは「最も効率的に資金を移動できるネットワーク」の一つとなる可能性があると期待されます。

クロスチェーンの利便性とセキュリティを兼ね備えたCCTP V2は、USDCの基盤的役割をさらに強化し、暗号資産・DeFi業界における「標準インフラ」として今後も広がっていくと見られます。

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source:ステラ開発財団
サムネイル:Shutterstockのライセンス許諾により使用

参照元:ニュース – 仮想通貨ニュースメディア ビットタイムズ

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