Google Cloudがエージェント向けステーブルコイン決済公開、コインベース・イーサリアム財団・メタマスクなど連携で

Google Cloudがエージェント向け決済プロトコル公開

米グーグルクラウド(Google Cloud)が、ステーブルコイン対応のエージェント向け決済プロトコル「AP2(エージェント・ペイメンツ・プロトコル)」を9月16日に公開した。

AP2は、グーグルクラウド提供のA2A(エージェント・トゥ・エージェント)プロトコルと、MCP(モデル・コンテクスト・プロトコル)の拡張として利用できるオープンかつ共有可能なプロトコルとのこと。A2Aは、異なるプラットフォーム間でAIエージェント同士がやり取りを可能するプロトコル。またMCPは、AIモデルに情報や文脈を渡すための共通プロトコルとされている。

AP2では、異なるプラットフォーム上のエージェントと加盟店間の取引を可能にしているとのこと。取引はステーブルコイン、クレジットカードやデビットカード、即時銀行振込などに対応しているという。

AP2でステーブルコイン決済を可能にしているのは、同プロトコルの拡張機能「A2A x402エクステンション(A2A x402 extension)」だ。A2A x402エクステンションは、グーグルがコインベース(Coinbase)、イーサリアム財団(Ethereum Foundation)、メタマスク(MetaMask)などとの連携により立ち上げられたとのこと。

A2A x402エクステンションにより、エージェントは自社サービスの収益化や他エージェントへの支払い、ユーザーの代理で少額決済(マイクロペイメント)を自動処理できるという。

なおA2A x402エクステンションにおいて、コインベースがステーブルコイン決済を可能にする役割を担っている。A2A x402エクステンションに導入されているx402は、コインベースが関与して構築されたオープンな決済プロトコルだ。

同プロトコルは、コインベースが5月に発表したHTTPの未使用ステータスコード「402ペイメント・リクワイアド(402 Payment Required)」が活用されており、Webリクエスト内に即時ステーブルコイン決済を組み込める。また同プロトコルでは、サブスクリプションやアカウント登録を介さずにAIエージェントがAPI経由で課金・決済を実行するようなユースケースへの応用も見込まれている。

発表によると、AIエージェントがユーザーの代わりに取引を実行できるようになると、従来の「人間が直接購入操作を行う」という前提が成り立たなくなるという。そのため決済システムにおいて、権限付与や正当性、責任所在を明確にする仕組みが不可欠になるとされている。

そこでAP2では、暗号署名付きデジタル契約「マンダート(Mandates)」を活用し、ユーザーの指示を改ざん不可能な形で証明するとのこと。

またリアルタイムの購入では、初期リクエストが「インテントマンダート(Intent Mandate)」として記録され、その後、ユーザーの承認によって最終的な内容を確定する「カートマンダート(Cart Mandate)」が署名されるという。

条件付きの委任タスクでは、事前に承認されたインテントマンダートに基づき、条件が満たされると自動的にカートマンダートが生成されるとのこと。この一連の流れにより、権限付与や正当性、責任所在を担保する監査可能な記録が残るという。

またAP2は、在庫監視による自動購入「スマートショッピング」、ユーザー条件に応じた割引提案「パーソナライズされたオファー」、複数事業者と連携して航空券とホテルを同時予約する「調整されたタスク」などといった取引モデルを可能にするとのこと。

なおAP2のローンチにあたり、グーグルはアイゲンクラウド(EigenCloud)やメッシュ(Mesh)、ミステンラボ(Mysten Labs)などのWeb3プロジェクトに加え、アメリカン・エキスプレス(American Express)、アント・インターナショナル(Ant International)、ジェーシービー(JCB)、マスターカード(Mastercard)、ペイパル(PayPal)、レボリュート(Revolut)、セールスフォース(Salesforce)、ユニオンペイ・インターナショナル(UnionPay International)、ワールドペイ(Worldpay)などといった大手企業とも連携している。

ちなみにコインベースは9月11日、AIエージェント向け決済プロトコル「ペイメントMPC(Payments MCP)」を開発者向けに提供開始している。

ペイメントMPCは、チャットGPT(ChatGPT)やクロード(Claude)といったLLM(大規模言語モデル)を暗号資産経済に接続するためのソリューションとのこと。ペイメントMPCにより、ユーザーはAIエージェントにウォレットを持たせられ、ステーブルコインによる支払いをAIエージェントが自律的に実行できるという。

なお同プロトコルは、x402との連携も想定されているとのことだ。

参考:グーグルクラウドコインベース
画像:PIXTA

関連ニュース

参照元:ニュース – あたらしい経済

コメント

タイトルとURLをコピーしました