英国ビジネス団体、英米テックブリッジでブロックチェーン導入を要求|デジタル金融での出遅れを懸念

英米テックブリッジにブロックチェーン導入を要求

2025年9月12日、英国の複数の業界団体が、英米Tech Bridge(テックブリッジ)にブロックチェーン技術を組み込むよう英国政府に要望したことが明らかになりました。

英米テックブリッジとは、英国と米国が新興技術分野での協力を進めるために設けた政府間の枠組みであり、AIや量子技術、防衛関連技術など幅広い分野で政策連携や研究開発の推進を目指す取り組みです。

ブルームバーグの報道によると、業界団体は分散型台帳技術(DLT)を英米テックブリッジの「中核的な要素」と位置付けるよう求めています。

同団体が英国ビジネス大臣ピーター・カイル氏宛に出した書簡では、ブロックチェーンを英米テックブリッジから除外することは機会を逃すことになると指摘するとともに、英国が傍観者として取り残されるリスクについて警告したと伝えられています。

また同書簡では、ステーブルコインや金融資産のトークン化が両国経済にとって戦略的に重要な要素であることも強調したと報じられています。

「英米テックブリッジにブロックチェーンを」英国業界団体が要望

ブロックチェーンで国際競争力を高める提案

今回の要望は、9月17~19日に予定されているトランプ米大統領の訪英(国賓訪問)に先立つ動きであり、両国間の高水準の技術協力合意にブロックチェーンを組み込む狙いがあるとブルームバーグは報じています。

書簡を提出したのは、英国のCryptoasset Business Council(仮想通貨事業者協議会)、UK Finance、TheCityUKなど金融・テクノロジー・仮想通貨業界を代表する12の業界団体とのことです。

団体側はブロックチェーン技術を「次世代の金融サービス基盤」と位置付け、資金の流れの改善や決済の高速化、コスト削減、金融包摂の拡大につながると強調しています。

提案内容には、ステーブルコインを活用した米英間のクロスボーダー決済(国際送金)回廊の構築や金融商品のトークン化推進、仮想通貨市場における流動性拡大などが含まれていると報じられています。

英国の仮想通貨対応の遅れへの危機感の高まり

業界団体は、これらの取り組みを英米テックブリッジの政策議題に盛り込み、規制基準の調和を図ることで英国が国際的なデジタル金融標準に主導的に関与できるようにする狙いを示しました。

こうした提案の背景には、英国国内でデジタル金融分野の遅れが懸念されています。元財務大臣ジョージ・オズボーン氏は先月「英国は米国やアジア諸国に比べ仮想通貨対応で遅れを取っており、国際的な競争から取り残されかねない」と警鐘を鳴らしました。

オズボーン氏は特にステーブルコイン対応の遅れを問題視し「英国はすでに第1波の仮想通貨ブームに乗り遅れ、次に到来するステーブルコイン市場の波も見逃そうとしている」と述べています。

英国、仮想通貨規制緩和で出遅れ回避を目指す

こうした状況を踏まえ、英国では最近、デジタル金融分野で遅れを取らないための動きも見られています。

今月上旬には、ブロックチェーン技術やステーブルコインの推進を求める一般請願が大手仮想通貨取引所Coinbase(コインベース)の呼びかけをきっかけに支持を広げました。

また、Financial Conduct Authority(金融行為規制機構、FCA)は個人投資家による仮想通貨ETN(上場投資証券)の販売禁止措置を10月8日付で解除する予定で、個人の暗号資産へのアクセスに課されていた規制が緩和される見通しです。

これらの動きは、英国がデジタル金融での出遅れを挽回し国際競争力を高めようとする姿勢の表れだと受け止められています。

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Source:ブルームバーグ報道
サムネイル:Shutterstockのライセンス許諾により使用

参照元:ニュース – 仮想通貨ニュースメディア ビットタイムズ

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