
コンヴァノがビットコイン・インカム事業を開始
ネイルサロン「FASTNAIL」運営の東証グロース上場企業コンヴァノが、ビットコイン(BTC)を対象とした機関投資家向けインカム戦略「ビットコイン・インカム事業」を開始すると8月5日に発表した。
なお同事業は、同社がビットコインを積み上げつつ、安定的なさらなる純利益を創出できる新たなトレジャリーの機能として導入を決定したという。オプションプレミアムという安定的な営業収益を確保しつつ、長期的にビットコインを積み上げることでストック資産の価値向上を図るとのことだ。
コンヴァノによるビットコイン・インカム事業は、事前に設定した権利行使価格でビットコインを買い受けるポジション(いわゆる「キャッシュ・セキュアード型プットオプション」)を売却し、その対価としてプレミアム(オプション料)を受領することでインカムを得る戦略とのこと。
具体的に同事業は、①全額現金担保を積み立てたうえで、②権利行使価格が現時点の市場価格と同じか一定幅低い水準にある国内のOTCプラットフォーム等で売却し、③満期時点で権利不行使となった場合はプレミアム収入をそのまま営業収益として計上し、④権利行使となった場合には担保資金を用いてビットコインを取得する仕組みとのこと。
この仕組みの特徴は、行使価格を事前に選定することで、現物購入の可否を市場に委ねつつ、下値リスクが顕在化した際にも平均取得単価を市場より低い水準に抑えられる可能性が高まるため、価格下落リスクを一定程度緩和できる点であるという。
なお同事業に係る全ての取引は100%現金担保で行い、レバレッジを一切使用しないとのこと。これにより、損失が担保額を超過するリスクを排除し、資本を確実に保全する設計にしたという。
事業開始のための支出金について
コンヴァノの発表によるとビットコイン・インカム事業の開始時期は、8月を予定しているとのこと。デリバティブ管理システムおよびリスク計測インフラを構築した上で開始するという。
また同事業の初期枠として、2026年3月期中に 300億円を充当する計画とのこと。なお同計画は、2025 年8月4日に公表された「コンヴァノ 21,000 ビットコイン財務補完計画」におけるフェーズ1及びフェーズ2の合計1,780億円の枠内の資金になるという。
この資金は、①オプション売却時に必要となる全額現金担保、②必要に応じて行使された場合の現物ビットコイン取得原資、③デリバティブ管理システムおよびリスク計測インフラの構築費用で構成されているとのこと。
また同事業の実行に際しては、「1回当たりの希薄化率を10%未満に抑制し、段階的に実施」、「発行価格の決定時にはディスカウント率を一定以内に制限」、「累計希薄化率が 25%を超える場合は臨時株主総会を開催し、増資の必要性・相当性について株主の承認を得る」といった方針を策定するという。これにより株主利益への影響を最小限にとどめるとのこと。
また当面は300億円に対してオプション料だけの収益で10%のリターンとなる30億円のリターン確保を目標とするとのことだ。
コンヴァノは8月4日、2027年3月末までのビットコイン21,000BTC(発行上限比 0.1%)保有を長期KPIとする「コンヴァノ 21,000 ビットコイン財務補完計画」を策定したと発表していた。
ちなみにコンヴァノが保有するビットコインは合計164.9254833BTCとなった。なおこのビットコインの購入金額は28億9,999万8,556円。平均取得単価は1,758万3,690円となっている。
参考:コンヴァノ
画像:PIXTA
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参照元:ニュース – あたらしい経済

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