ナスダック上場企業VERB、TON財務戦略を掲げ社名変更へ

TONコインを財務準備資産として大量取得予定

ナスダック上場企業のヴァーブ・テクノロジー・カンパニー(Verb Technology Company:VERB)が、超過申込されたプライベートプレースメント(PIPE取引:限定投資家への私募)の価格決定を発表し、TON(The Open Network)の財務戦略を本格的に進める計画を8月4日に発表した。

VERBは、キングズウェイ・キャピタル(Kingsway Capital)と提携し、TONブロックチェーンのネイティブ暗号資産TONを対象とする最初の公開取引可能な財務準備金を設立する。また、この動きにあわせてVERBは、社名をトン・ストラテジー(TON Strategy Co.:TSC)に変更予定であることも発表された。

PIPE取引では、2025年8月1日現在の終値を反映した1株9.51ドルで、約5,870万株(ワラントを含む)を発行し、総額5億5,800万ドルを調達する見込み。調達資金の大部分はTON取得に充てられ、同社はTONのグローバルな主要保有者の一員となる見通しだ。さらに、ステーキング報酬の活用により、TONへのエクスポージャーを現金流入プラスで開始・管理・拡大する体制を整える。

取引完了後には、経営陣として暗号資産・金融の精鋭が集結する。

執行会長にはキングズウェイ・キャピタルの創業者兼CEOでTON財団会長のマヌエル・ストッツ(Manuel Stotz)氏、最高経営責任者(CEO)にはTON財団の元シニアアドバイザーで元モルガン・スタンレー銀行家のヴェロニカ・カプスティナ(Veronika Kapustina)氏、最高財務責任者(CFO)にはEuropa Partnersの共同創業者でJPモルガンオニキス(Onyx)におけるコーポレート開発部門責任者を歴任したサラ・オルセン(Sarah Olsen)氏、特別顧問にはBlockchain.comのCEO兼共同創業者ピーター・スミス(Peter Smith)氏が就任する。

PIPE取引が完了すると、同社発行株式の36%が6〜12か月間ロックアップの対象になる予定。また、総調達額の77%が現金資産としてデジタル資産トレジャーに計上され、TON流通供給量の約5%に相当する規模のTONを保有する見込み。さらに、TONトレジャーを拡大するための十分な準備金も確保される。

取引は8月7日頃に完了予定で、完了後は新しい財務戦略が有効になる。ティッカーシンボルは「VERB」のままナスダックで取引が継続される。同社は透明性、コンプライアンス、資産検証を重視し、TONの取得やガバナンス方針に関する追加情報を今後数週間以内に発表する予定だ。

VERBはネバダ州ラスベガスに本社を置き、ソーシャルコマースとAIビデオマーケティング技術を展開する企業。AIライブショッピングプラットフォーム「MARKET.live」をはじめ複数の事業を手がけており、今回のTON戦略によって暗号資産領域へ大きく舵を切る構えだ。

参考:発表
画像:iStock/Aleksei_Derin

関連ニュース

参照元:ニュース – あたらしい経済

コメント

タイトルとURLをコピーしました