米下院、GENIUS法案など3法案の本採決を延期。CBDC巡る党内対立で

「クリプト・ウィーク」失速か

米下院の本会議にて、議員らは196対223で反対票を投じ、今週審議入り予定だった3つの法案の採択手続き動議を、現地時間7月15日に否決した。

この投票は、「クリプト・ウィーク(暗号資産週間)」に審議予定だった3つの重要法案を、審議に進めるかを決めるものだった。

この3つの法案には、米国内におけるステーブルコイン規制を目的とした「GENIUS法案」と、デジタル資産市場構造に関する立法案「CLARITY法案(デジタル資産市場透明性法案)」が含まれる。

「ザ・ヒル(The Hill)紙」の報道によれば、反対票を投じた共和党議員の中には、マージョリー・テイラー・グリーン(Marjorie Taylor Greene)下院議員、チップ・ロイ(Chip Roy)下院議員、マイケル・クラウド(Michael Cloud)下院議員、アン・パウリナ・ルナ(Anna Paulina Luna)下院議員らが含まれている。

反対票を投じた議員らは、GENIUS法案における中央銀行デジタル通貨(CBDC)の取り扱いに関して懸念を示していた。

グリーン下院議員はXにて、「GENIUS法案は、米国民がステーブルコインを使って取引する一方で、その裏側ではCBDCの監視機能が稼働するという、多層構造のCBDCの基盤を築く内容」だと指摘。この法案がCBDCを明確に禁止していない点と、セルフカストディを保護するものではない点に懸念を示した。また、「GENIUS法案は、CBDCの禁止を定めていないため、この大統領令に従っていない」と述べ、「下院指導部はCBDC禁止修正案を認めなかった」と指摘。この法案を支持することはできないとの立場を表明している。

ロイ議員も、GENIUS法案のCBDCに対する「明確な禁止措置」がないことへの懸念を表明している。

本来、下院は同日午後5時(米東部時間)に再投票を行う予定だったが、共和党指導部はこの再投票を中止した。

再投票中止の理由は、保守派が期限までにに決議が成立しない可能性を指摘したこと、そして、指導部も規則委員会に戻って新たな規則を準備する可能性があるためだ。結局、指導部は次回の投票を7月16日に延期している。

また、今回の延期で影響を受けるのは暗号資産関連法案だけではない。

国防予算案の進展可能性にも影響が見込まれる。これらの法案の規則には、トランプ政権による9.4億ドルの資金回収要請を迅速に審議する条項も含まれており、議会は7月18日の期限までにこの要請を承認する必要がある。

参考: The HillPOLITICO
画像:iStocks/Foryou13

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参照元:ニュース – あたらしい経済

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