
セイファート氏、ETF承認に強気予想
米国ブルームバーグのETFアナリストであるジェームズ・セイファート氏は2025年6月21日、SEC(米国証券取引委員会)が複数の仮想通貨ETFを承認する確率が「90%以上」になるとの見解を示しました。
セイファート氏は自身のX(旧Twitter)で、SECが申請者との対話に前向きな姿勢を見せている点に触れ「SECの関与は承認に向けた前向きな兆候だ」とコメントしています。
同氏と同僚のエリック・バルチュナス氏は、多くの仮想通貨ETF申請についてこのように強気の予測を示しており、特にエックスアールピー(XRP)やドージコイン(DOGE)、カルダノ(ADA)など複数のアルトコインETFが2025年末までに承認される可能性が極めて高いと指摘しています。
NEW: @EricBalchunas & I are raising our odds for the vast majority of the spot crypto ETF filings to 90% or higher. Engagement from the SEC is a very positive sign in our opinion pic.twitter.com/5dh8G8rK6Y
— James Seyffart (@JSeyff) June 20, 2025
バルチュナス氏と私は、ほとんどの現物仮想通貨ETFの承認確率予想を90%以上に引き上げました。
SECとのやり取りが積極的に行われていることは、非常に前向きな兆候だと考えています。
今回の発言は、SECの姿勢変化を受けて市場の期待感が高まっている状況を反映しており、業界関係者の間では「もはや承認されるか否かではなく、いつ承認されるかの問題だ」との見方が広がっています。
アルトコインシーズン、まもなく到来か
主要アルトコインETF承認確率90%超へ引き上げ
通貨別承認確率の最新予測
2025年初頭、ブルームバーグのETFアナリスト陣はアルトコイン現物ETFの承認確率について、ライトコイン(LTC)を最高の90%とする一方、ドージコイン75%、ソラナ(SOL)70%、XRP 65%という水準で見積もっていました。
その後、数ヶ月を経て情勢は変化し、約2週間前の時点では、XRPやDOGE、ADAの承認確率は90%未満とされていましたが、最新の予測ではこれらの銘柄すべてを90%以上に引き上げています。
現時点ではXRPのETF承認確率が95%に達しており、ドージコインとカルダノもそれぞれ90%に引き上げられました。
さらにポルカドット(DOT)やアバランチ(AVAX)など他のアルトコインETF候補も95%まで引き上げられており、ライトコインも引き続き95%と最有力視されています。
セイファート氏は「大半の仮想通貨ETF申請の承認確率を90%以上に引き上げた」と述べており、その背景にはSECの積極的な関与が見られる点があると説明しています。
SECの柔軟姿勢がETF承認予測を後押し
SECは今月に入りソラナ現物ETFの申請者に対して登録書類(S-1)の修正を要求する対応を取っており、これは承認が近づいている兆候だと受け止められています。
またSECは、ETF申請内容の訂正や追加情報の提出を求めたり、市場からの意見募集を行ったりするなど建設的な姿勢を見せており、セイファート氏らはこのような対話路線の強まりが承認確度を押し上げていると分析しています。
こうした強気な予測には、米国の規制当局を取り巻く環境が変化していることも関係しています。
2025年1月にドナルド・トランプ大統領が就任して以降、ホワイトハウスの方針転換によりSECはデジタル資産規制に柔軟な姿勢を見せ始めており、4月に正式就任したポール・アトキンス新SEC委員長も仮想通貨に寛容なアプローチを取る方針を示しました。
ETF審査延長も承認予測は維持
今年3月にSECが複数のアルトコインETF申請の審査を一時延長した際には、セイファート氏は「これは標準的な手続きであり、アトキンス新議長の就任承認がまだ済んでいないことが一因とみられる」と指摘しつつ「今回の延期によって我々の承認確率予想が変わるわけではない」との見解を示していました。
同氏はまた、この時点で最終判断の期限が2025年10月まで残されている点にも言及し、依然として承認に向けた時間的な余裕があると説明しています。
セイファート氏「承認は不可避」
セイファート氏とバルチュナス氏は、現在ではアルトコインETFの承認は既定路線に近いとの見方を取っています。
ただしその具体的な時期については慎重な姿勢も崩しておらず「承認が下りるのが来月になるのか、それとも10月以降になるのかは不確実だが、もはや”承認の可否ではなく、承認時期”の問題だ」と指摘しています。
現時点ではSECの最終判断時期は不透明なものの、市場関係者の間では最終的に承認に至るとの確信が強まりつつあります。
SECが5つの仮想通貨ETF承認を延期
複数のアルトコインETF承認に高まる期待
現在、米国ではビットコイン(BTC)やイーサリアム(ETH)の現物ETFに続き、それ以外のアルトコインを対象とした複数の現物ETF申請がSECの審査段階に入っています。
XRP・DOGE・ADAなど複数ETFが審査中
SECは今年2月14日付けで、資産運用会社グレースケールが申請していたXRPとドージコインの現物ETF申請を正式に受理し、約240日間の審査手続きに入ったことが明らかになっています。
さらに同月24日にはカルダノ現物ETFの申請も正式に受理されています。審査期間は最大240日まで延長できるため、このスケジュールに基づき、カルダノETFの最終判断は2025年10月下旬ごろに下される見通しです。
SECは6月12日付でBitwise社のドージコインETFなど複数の仮想通貨ETFの審査期限を延長しており、最終判断が10月以降に先送りされるケースも出ています。それでも市場では、SECが最終的にこれらETFの承認に踏み切るとの期待が高まっています。
新議長の下で示されている仮想通貨に友好的な方針が、こうした楽観的な見通しを後押ししているとみられます。
大手資産運用会社が続々とETF申請
大手運用会社によるアルトコインETF参入も相次いでいます。米VanEck社は今年3月14日、初のアバランチ現物ETFとなる「VanEck Avalanche ETF」の登録申請書をSECに提出しました。
また米Grayscale社も2月25日付でポルカドット現物ETFの上場申請を行っており、この動きはアルトコインETF市場拡大の転換点になる可能性があると報じられています。
SECはここ数ヶ月でソラナやXRP、DOGEなど複数のアルトコインETF申請を続々と受理しており、2月にはグレースケールのカルダノETF申請も審査入りしました。
今後SECの判断次第で他のアルトコインETFの審査プロセスもさらに進展する可能性があるとされ、業界では「ついにアルトコインETFにも門戸が開かれつつある」との期待の声が高まっています。
アルトコインETF承認による市場拡大に期待
アルトコインETFの実現がもたらす市場への影響にも注目が集まっています。
米金融大手J.P.モルガンの分析によれば、アルトコイン現物ETFの承認は潜在的に数十億ドル(数千億円)規模の新規資金流入を呼び込む可能性があるとされ、特にソラナやXRPなど主要アルトコインへの機関投資家からの関心は非常に高いと指摘されています。
アルトコインETFが正式に上場すれば、それら対象銘柄への需要増加による価格押し上げや、市場のさらなる成熟化につながるとの見方も示されています。
セイファート氏らも「これらのETF承認は代替仮想通貨の市場参加を拡大し、従来の投資マネーが流入する契機になる」としており、仮想通貨業界全体にとって大きな前進となる可能性が指摘されています。
ブラジル・カナダが先行事例に
なお、米国外でも仮想通貨ETFの動きは活発化しています。
ブラジルでは証券取引委員会(CVM)が世界初のXRP現物ETFを承認しており、カナダでもPurpose Investments社が今年6月にXRPのスポットETFを新たに立ち上げました。
こうした海外での事例は、仮想通貨ETFに対する国際的な支持の広がりを示すものであり、米国におけるアルトコインETFの行方にも期待が寄せられています。
今後数ヶ月以内にも初のアルトコイン現物ETFが米国市場で承認される可能性が高く、仮想通貨業界ではその動向に注目が集まっています。
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Source:ジェームズ・セイファート氏X投稿
サムネイル:AIによる生成画像






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