米クラーケン、ソラナチェーン上で米国株・ETFのトークン化「xStocks」を提供へ

米クラーケン、ソラナチェーン上で米国株・ETFのトークン化「xStocks」を提供へ(Kraken launches “xStocks” for tokenized U.S. stocks and ETFs on Solana chain)

ソラナチェーンで米国株トークン化サービス開始へ

米大手仮想通貨取引所クラーケン(Kraken)は2025年5月24日、RWA(現実資産)トークン化を手掛けるBacked Financeと提携し、ソラナ(SOL)チェーン上で米国株式をトークン化する新サービス「xStocks(エックスストックス)」を近日中に提供すると発表しました。

ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)の報道によると、クラーケンはアップル(Apple)、テスラ(Tesla)、エヌビディア(Nvidia)を含む50銘柄以上の米国上場株式やETF(上場投資信託)をトークン化した資産を提供する予定です。

このサービスでは、ソラナチェーン上で資産が発行されることで、世界中の投資家が24時間365日いつでも取引可能になります。提供地域は欧州・中南米・アフリカ・アジアなどが中心とされています。

規制上の理由で米国内ユーザーは利用できないものの、実現すれば、2021年にBinance(バイナンス)が断念した米国株トークン化サービスを業界で初めて成功させることになります。

「xStocks」サービスの仕組みと特徴

ソラナ上で展開する米国株・ETFトークン化

近日中にクラーケンで提供される新サービス「xStocks」は、提携先のフィンテック企業Backed社が開発したもので、人気の米国株式やETFをトークン化して提供します。

また、xStocksの基盤にはソラナブロックチェーンが採用されており、各資産は同ブロックチェーンで広く使われる規格「SPLトークン」として発行されます。

これらのトークンはBacked社が実物株式を裏付け資産として発行するもので、裏付け株式は同社によって保管され、トークンは対応する株式の現金価値と1対1で交換可能です。

今回のクラーケンとの提携で、xStocksをより多くの個人・機関投資家に提供することが可能になります。

クラーケン幹部「国境なき投資機会を提供」

クラーケンのグローバル消費者部門責任者マーク・グリーンバーグ氏は、今回の発表について「従来の米国株投資へのアクセスは依然として遅く、費用も高く、制約も多い」と指摘しています。

その上で「xStocksではブロックチェーン技術を活用し、誰もがアメリカの代表的企業へのオープンで即座かつ手軽な国境なき投資機会を得られる。これこそが投資の未来の姿だ」とコメントしています。

同氏は今回の取り組みが「伝統的な金融(TradFi)と仮想通貨をつなぐ重要な一歩」であるとし、将来的にはトークン化する資産の種類や提供地域をさらに広げていく計画であることも示唆しました。

クラーケンは今年4月、米国内向けに手数料無料の株式取引サービス「Kraken Securities(クラーケン・セキュリティーズ)」を開始しており、今回のxStocks導入は、それに続く新たな戦略と位置付けられます。

Backed社が語る「xStocks」の未来

Backed社も公式発表の中で「クラーケンやソラナと共にアクセスと流動性を向上させ、DeFi統合を可能にしていく。しかし我々の使命はそこで終わらない」と述べました。

さらに「xStocksは将来的にあらゆるチェーン・あらゆる取引所で利用可能になるべきだ」とも付け加え、他のブロックチェーンや取引プラットフォームへの展開も視野に入れていることを強調しました。

さらにBacked社はxStocksがもたらす利点として、グローバル市場へのアクセス拡大や取引コスト削減、即時決済、そしてDeFi(分散型金融)レンディングなどへの活用可能性が挙げています。

利用者はトークン化株式を個人ウォレットに保管しつつ必要に応じて貸し出し担保などに活用できると説明されています。

世界的金融機関も参入するトークン化市場

今回の発表は、仮想通貨(暗号資産)業界で昨今注目されている現実資産のトークン化(RWA)トレンドの一環とも位置付けられます。

人気の投資アプリ「ロビンフッド(Robinhood)」は、欧州で米国証券のトークン取引を可能にするブロックチェーン基盤の独自プラットフォームを開発中であることが報じられています。

また、ブラックロック(BlackRock)やフランクリン・テンプルトン(Franklin Templeton)など伝統的金融機関の大手もトークン化分野に参入しており、2025年5月時点でトークン化資産の市場規模は約650億ドル(約9.3兆円)に達しています。

クラーケンとBackedによる今回の取り組みは、米国株投資に新たな可能性を提供する事例として業界内で注目を集めています。

※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=142.63円)

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Source:Kraken公式ブログ
執筆・翻訳:BITTIMES 編集部
サムネイル:Shutterstockのライセンス許諾により使用

参照元:ニュース – 仮想通貨ニュースメディア ビットタイムズ

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