仮想通貨XRP、ラテンアメリカで人気の決済手段として市場拡大|Bitsoレポート
XRPがラテンアメリカで急成長する理由とは?
仮想通貨取引所Bitso(ビットソ)が発表した最新レポート「Crypto Landscape in Latin America 2024」によると、ラテンアメリカの仮想通貨ユーザーの間でXRPの人気が急上昇しています。
このレポートは2024年の購入データを分析したもので、ラテンアメリカ地域の全仮想通貨購入額のうち「9%がXRP」だったことが明らかになりました。
この数字はイーサリアム(ETH)の5%、ソラナ(SOL)の4%、ドージコイン(DOGE)の2%、ミームコインのPEPEの6%を上回っており、XRPが主要アルトコインの中で最も人気があることを示しています。
BitsoはRipple(リップル)社と提携して国際送金サービスを展開しています。この実績によってXRPは決済手段としての実用性が認められ、投機対象から日常生活で使える資産へと変化しつつあります。
2028年末までにXRPはETHを超える
XRPがラテンアメリカ市場で躍進した背景
Bitsoのレポートによると、ラテンアメリカ全体で最も購入された仮想通貨(暗号資産)はUSDCやUSDTなどのhttps://bittimes.net/feature/96857.htmlで、全購入件数の39%を占めました。次いでビットコイン(BTC)が22%となり、法定通貨に価値を連動させた資産や主要仮想通貨が引き続き取引の中心となっています。
アルトコイン領域ではXRPの躍進が目立ち、先述のとおりXRPが9%でトップ、次いでPEPEが6%、ETHが5%、SOLが4%、DOGEが2%となっています。特にメキシコのBitsoユーザーはXRPの購入率が高く、同国では全購入額の10%がXRPだったと報告されています。
これはラテンアメリカ諸国で最も高い水準であり、XRP人気を地域全体で牽引しているのがメキシコであることを示しています。
背景には、Bitsoとリップル社が共同で構築した国際送金ネットワークがあります。Bitsoは2022年に米国・メキシコ間で33億ドル(約4,700億円)の送金を処理しており、手数料の安さと送金スピードの速さから、個人と企業の両方でXRPを国際決済に活用する流れが広がっています。
その結果、ラテンアメリカの仮想通貨ユーザーの平均ポートフォリオにおけるXRPの割合は、2023年の0%から2024年には13%まで急増しました。前年まで一般的な保有銘柄ではなかったXRPが、一気に主要資産の一つになり、ユーザーの資産構成が大きく変わったことを示しています。
一方でBTCとステーブルコインはまだポートフォリオの大きな部分を占めています。ビットコインは平均保有額の約49%を占めていますが、前年(57%)より比率が下がっています。
同期間に法定通貨連動トークンやミームコインへの資金移動も見られています。インフレ対策としてのステーブルコインの需要は引き続き強いものの、XRPのような実用性のあるアルトコインが新たに投資先として選ばれる傾向が鮮明になっています。
ラテンアメリカで加速するXRPの実用化
ラテンアメリカでのXRP人気の高まりと決済利用の拡大は、地域内外の様々なニュースからも確認できます。
ブラジルでは2025年2月に証券当局が世界初のXRP現物ETFを承認し、金融市場でのXRPへの関心も高まっています。このETF(Hashdex社のXRPファンド)はブラジル証券取引所B3で取引開始予定と報じられ、承認ニュースを受けてXRP価格は一時8%上昇しました。
また、ブラジルの大手銀行が自国通貨レアル連動のステーブルコインをXRP台帳(XRPL)上で発行する計画を発表するなど、XRPのブロックチェーン基盤を使った決済サービスも広がりつつあります。
リップル社も2024年末から2025年にかけて企業向け決済サービスを強化しており、2025年4月には独自の米ドル連動型ステーブルコイン(RLUSD)を決済プラットフォームに取り入れるなど新しい取り組みを行っています。
ラテンアメリカでは高インフレや通貨不安といった問題に対処するため、仮想通貨が重要な金融手段になっています。特に送金コストを抑え、速度を上げるXRPの役割はますます重要になってきています。
ラテンアメリカでXRPが人気の決済手段として市場を広げている状況は、今後の他地域での仮想通貨活用の流れを予測する上でも見逃せない動きです。
※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=142.38円)
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Source:Bitsoレポート
執筆・翻訳:BITTIMES 編集部
サムネイル:AIによる生成画像