ニューハンプシャー・フロリダ州、ビットコイン準備法案が可決|米各州で広がる立法レース
ニューハンプシャー州、BTC準備法案が下院通過
ニューハンプシャー州議会の下院は2025年4月10日、州のビットコイン(BTC)準備法案であるHB302を「賛成192票・反対179票」という僅差で可決しました。
同法案は今後ニューハンプシャー州上院で審議され、可決された場合はケリー・アヨット知事の署名により成立します。
HB302法案の提案者であるキース・アモン州議会議員は「本法案は州資金の多様化を図り、インフレから守ることを目的としている」と述べています。
アモン議員は法案提出時のインタビューで「ニューハンプシャー州のモットーは『自由か、さもなくば死か』だ。我々は米ドルに縛られているが、この法案が通れば州がごく一部の資金をこの新しく相関性の低い資産クラスに投じることが可能になる」と述べ、州の自主性や財政面での独立性の観点からビットコイン保有の重要性を強調しました。
一方、民主党議員からは資産管理リスクを懸念する声が挙がっており、今後の上院での議論が注目されます。
ニューハンプシャー州ビットコイン準備法案
フロリダ州、BTC準備法案を全会一致で承認
フロリダ州も4月10日に行われた下院の保険・銀行業務小委員会において、州資金をビットコインに投資できる法案HB487が「賛成18・反対0」の全会一致で可決されました。
この結果を受けて法案は下院の次の審査段階である政府運営小委員会に送られており、さらに歳入委員会、商工委員会で承認を得た後に下院本会議へ送られる見込みです。
法案を提出したウェブスター・バーナビー州議会議員は「この法案はフロリダ州をビットコイン活用の先進地域とするために不可欠だ」と述べました。
フロリダ州議会は上下両院とも共和党が多数派であり、州知事のロン・デサンティス氏(共和党)もビットコインなどの金融革新に理解を示していることから、本法案は比較的スムーズに成立する可能性があるとの見方が強まっています。
一方で、州年金を暗号資産へ投資することに関して慎重な意見もあり、リスク管理方法が議会審議の焦点になると予想されています。
米各州で広がるBTC準備法案の立法レース
ニューハンプシャー州とフロリダ州で検討が進む「ビットコイン準備法案」は、米国内で州政府レベルでの暗号資産の利用拡大を示す具体的な動きとして注目されています。
ニューハンプシャー州のHB302可決により、同様の「ビットコイン準備金」法案が立法府を通過した州は全米で4州(アリゾナ、テキサス、オクラホマ、ニューハンプシャー)となりました。
アリゾナ州では2024~2025年の会期中に提出された2本の関連法案(SB1373およびSB1025)がすでに上院を通過しています。2025年3月下旬には下院規則委員会でも承認され、本会議での投票を控えています。仮に下院でも可決されれば民主党のケイティ・ホッブズ州知事の署名を経て成立しますが、知事が民主党所属であるため、最終的な承認については不確実性が残っています。
またテキサス州では、2023年に州上院がビットコイン準備基金の創設を含む法案を可決しており、提案者のシュウェルトナー上院議員は「ビットコインは土地や金のような伝統的資産と同様にインフレから資産を守る手段になりうる。テキサス州は将来の金融資産価値を確保する必要がある」と説明しています。
オクラホマ州でも類似の法案が議論されるなど、複数の共和党優勢州で州の戦略的資産としてビットコインを保有する動きが広がっています。
各州は「最初にビットコイン準備金を正式に設立する州」の座を競っており、デジタル資産政策の分野で先駆者となることを目指しています。2025年4月現在、これらの法案が完全に成立した州はまだなく、今後の立法過程が注目を集めています。
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Source:ニューハンプシャー州法案 / フロリダ州法案
執筆・翻訳:BITTIMES 編集部
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