イーサリアム「Pectra」アップグレード、新テストネット「Hoodi」に実装完了

Pectraアップグレードがテストネット「Hoodi」に実装完了

イーサリアム(Ethereum)の大型アップグレード「ペクトラ(Pectra)」が、新たなテストネット「フーディ(Hoodi)」にて、日本時間3月26日23:30頃実装された。

「ペクトラ」はメインネット実装までに、テストネット「ホルスキー(Holesky)」および「セポリア(Sepolia)」での実装を経て実施される予定であった。しかし両テストネットでの実装時に発生した問題を受け、「フーディー」が新たに立ち上げられた。

「ホルスキー」と「セポリア」では、共に「許可型の入金コントラクト(permissioned deposit contract)」の構成の変更に伴い、クライアントの問題が明らかになっていた。「セポリア」のネットワーク復旧は即座に行われたが、「ホルスキー」では多くのバリデータがオフラインとなり停止状態になってしまっていた。

その後「ホルスキー」のネットワークは復旧したものの、バリデーターの問題を解決するのに1年ほどかかる見込みとなっている。また「ホルスキー」での「ペクトラ」のテストができるのは、バリデータ退出を除いた機能のみとなっている。

なお「フーディー」は「ホルスキー」と同じくバリデーターおよびステーキングプロバイダーのテストに利用されるネットワーク。ちなみに「セポリア」は、アプリケーションおよびツール開発者のテストに利用される。

メインネットへの実装は、「フーディー」でのテスト後に行われる予定だ。メインネット実装予定日は、「フーディ」実装から30日後の4月25日以降になる見込みとされている。

「ペクトラ」の主なアップグレードとして「EIP-7702」と「EIP-7251」の2つの実装がある。

「EIP-7702」は、イーサリアムの共同創業者のヴィタリック・ブテリン(Vitalik Buterin)氏が提案したウォレットのユーザー体験を向上させるアップグレードだ。これにより通常のアカウントとして利用されているEOA(外部所有アカウント)を、一時的にスマートコントラクトとして扱える仕組みを導入し、既存のスマートコントラクトに追加の実装を行わずにEOAに様々な機能を導入可能になる。

「EIP-7251」は、バリデーターがステークできる最大量を32ETHから2,048ETHに増加させるというものだ。これにより32ETHよりも大きな額をステーキングしたいユーザーが、これまでのように複数のノードに分割せず、1つのノードで行えるようになる。そのため、新しいノードの構成をする必要があり、数週間の待ち時間が必要とされることもあったステーキングの開始がよりスムーズに行えるようになると予想されている。

参考:イーサリアム財団
画像:iStocks/Antiv3D・PIXTA

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参照元:ニュース – あたらしい経済

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