IDA・Progmat・Datachain・TOKIがステーブルコインの国際送金の共同検討、香港と日本間の貿易効率化に向け
IDA・Progmat・Datachain・TOKIがステーブルコインの国際送金の共同検討
IDA Finance Hong Kong(IDA)、Progmat(プログマ)、Datachain(データチェーン)、TOKI(トキ)の4社が、港と日本間のステーブルコインを活用したクロスボーダー取引の実現に向けたPoC(概念実証)を共同で開始することを3月21日に発表した。
IDAは、香港ドル建てのステーブルコイン「HKDA」を発行する香港の企業。Progmatはデジタルアセット発行・管理基盤「Progmat」を提供する日本企業。Datachainは異なるブロックチェーン間のインターオペラビリティ(相互接続)に関する取り組みを行う日本企業。そしてTOKIはパブリックブロックチェーン間でクロスチェーン取引を可能にする「クロスチェーンブリッジ」開発のドバイ拠点の企業だ。
発表によると今回行うPoCの目的は、ブロックチェーン技術の活用により、日本と香港間の輸出入取引の開始、処理、決済の新たな選択肢を提供することであるという。今回の取り組みを通じて、両国の明確な規制のもと、安全かつ効率的なデジタル資産の枠組み構築を目指すとのこと。
それにあたり今回のPoCは、現行の貿易ルートと比較し、改善点や利点を検証するとともに、規制・コンプライアンス要件を考慮しながら進めるという。まずは、IDA、Progmat、Datachain、TOKIが協力し、日本円および香港ドル建てのステーブルコインを活用したクロスボーダー決済の実証実験を行うとのこと。
同実証実験では、ユーザーの特定と送金リクエストの発行を行い、現地のオフランプパートナー(法定通貨への交換を支援する事業者)を通じて、ステーブルコインの換金および法定通貨の受け取りを検証するとのことだ。
各社の役割としては以下の通り
- IDA:香港の規制に準拠し、厳格なモニタリングのもと1:1の準備資産による裏付けられたステーブルコインの提供
- Progmat:ステーブルコインの発行・管理プラットフォーム「Progmat Coin」の提供
- Datachain:クロスボーダー決済の技術開発および実装
- TOKI:クロスチェーン取引を可能にするインフラの提供
IDA共同創業者のシーン・リー(Sean Lee)氏は「香港貿易発展局(HKTDC)によると、日本は2023年において香港の第5位の貿易相手国であり、輸出入市場として極めて重要な位置を占めています。ステーブルコインは従来の送金手段の代替手段として有望視されており、両国でのステーブルコイン規制の明確化が進む中、この分野では大きな成長が見込まれます」とコメントしている。
Progmat、Datachain、TOKIの3社は、Swift(国際銀行間通信協会)と連携した銀行間ホールセールステーブルコイン(SC)のクロスボーダー送金基盤構築プロジェクト「Project Pax」に昨年9月より取り組んでいる。
「Project Pax」は、Swiftの既存アセットの活用と各国金融機関との連携により、AML/CFT、規制対応、既存オペレーションとの複線化、企業によるウォレット利用といった種々のハードルを解消する、クロスボーダーSC送金基盤の構築を目指すもの。
今年2月には「Project Pax」のもと、韓国金融機関と実証実験を実施するにあたり、Progmatは韓国のブロックチェーン関連企業Fairsquarelab(フェアスクエアラボ)および韓国最大のカストディサービス企業のKorea Digital Asset Custody(コリアデジタルアセットカストディ)と、MOU(基本合意書)を締結していた。
参考:プログマ
画像:iStocks/Cemile-Bingol
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参照元:ニュース – あたらしい経済