ビットコイン価格86,000ドルに回復|パウエルFRB議長「インフレのペースを緩める」
FOMC(米連邦公開市場委員会)の金融政策発表とパウエルFRB議長の記者会見を受けて、ビットコイン(BTC)価格が一時87,000ドルまで上昇しました。
FRB(米連邦準備制度理事会)は政策金利の据え置きと量的引き締め(QT)ペースの減速を決定し、2025年の追加利下げの可能性にも言及しました。
市場では結果が概ね想定通りと受け止められ、想定よりも「タカ派(引き締め)的ではない」内容だったため安心感が広がり、株式や暗号資産などのリスク資産に買いが集まりました。
FRB、利上げ停止・QT縮小へ
FRB(米連邦準備制度理事会)は2025年3月19日に、FOMC(米連邦公開市場委員会)の声明で政策金利を「4.25~4.50%」で据え置くことを発表しました。
また、量的引き締め(QT)に伴う米国債償還の上限を4月から月額250億ドル(約3兆7,000億円)から50億ドルへ引き下げる(実質的にQTを減速させる)方針も明らかにしています。
同日の記者会見でパウエルFRB議長は「インフレ率が依然高水準にあるものの、徐々にペースが緩んでいる」と述べ「利下げに踏み切るタイミングは急がず、今後の経済データを慎重に見極める」との見解を示しました。
この発言は、追加利下げへの過度な期待を牽制しつつも、大きくタカ(引き締め)派に転じる意図がないことを示すものと見られています。
BTC価格が86,000ドル付近まで回復
FOMCとパウエル議長の発表を受けて、ビットコイン(BTC)価格が反応を見せています。発表直後には前日比4%超上昇し、一時87,000ドル(約1,300万円)に回復しています。
FRBが金融引き締め(QT)の減速を明らかにしたことで、市場ではリスク資産への資金流入が再び活発化しています。
ロイターによると、米株市場もこれを好感し、ダウ工業株平均が前日比383ドル高(+0.92%)となったほか、ナスダック総合指数も1.4%上昇しました。
パウエル議長の発言
市場の期待と懸念材料
市場では今回のFRBの決定が想定よりもハト派(緩和)的だったと受け止められていますが、同時に不安材料になるとの見方もあります。米中間で再び「関税問題」が浮上しており、これが米国の景気後退を引き起こす可能性があるとロイターは指摘しています。
こうした状況の中、FRBは「経済見通しには引き続き不確実性が存在する」としており、市場は引き続き経済データやFRB高官の発言に敏感に反応する展開が予想されています。
ビットコイン市場の今後についてもFRBの政策や米国経済の動向次第で変動が予想されます。
金融緩和が進めばビットコインなど仮想通貨への資金流入が期待されますが、一方でインフレの抑制が期待通りに進まない場合、再び引き締め政策が実施される可能性もあります。
※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=148.37円)
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Souce:FRB公式発表
執筆・翻訳:BITTIMES 編集部
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