ブラジルのフィンテック企業Meliuz、ビットコイン準備戦略を採用、株価急騰

ブラジルMeliuzがビットコイン準備戦略を採用

ブラジルのフィンテック企業メリアズ(Meliuz)は、新たな戦略を発表し、保有する準備金の一部をビットコインに割り当てる新たな戦略を3月6日に発表した。将来的には、ビットコインが財務資産の主要銘柄となる可能性もあると、同社は述べている。

なお同社のサンパウロ市場に上場する株価は、これを受けて25%以上急騰した。

メリアズは、ビットコイン投資を通じて「長期的なリターンの獲得」を目指しているという。米国のストラテジー(Strategy)や日本のメタプラネット(Metaplanet)といった、暗号資産(仮想通貨)を積極的に保有する企業から着想を得たと同社は話している。

証券報告書によるとメリアズは、保有する現金の最大10%をビットコインに割り当てられるとし、すでに45.72BTC(約410万ドル相当)を購入したとのこと。

2011年に設立されたメリアズは、当初オンラインストアでのキャッシュバックサービスを提供していたが、後に実店舗やアプリでの利用へと事業拡大し、現在では無料のデジタル口座やクレジットカードの提供も行っている。

同社は2020年末に株式公開を果たしたが、その後ブラジルの高金利環境の影響を受け、近年株価が大幅に下落した。しかし、証券報告書によると、同社は現在も2億4,000万レアル(約4,172万ドル)以上の純現金を保有しているという。

「当社の資本の相当額を固定収入投資に割り当てることは、一見賢明な戦略のように思えるが、実際には、これは大きな機会損失を生むと当社は考えています」とメリアズのイスラエル・サルメン(Israel Salmen)会長は声明で述べた。

さらにサルメン会長は「この(新たな)戦略は、メリアズの財務基盤を守り強化するだけでなく、世界的に進行中の金融変革において、我々が先駆者となる可能性も秘めている」と強調した。

メリアズはまた、「ビットコインを財務資産の主要戦略銘柄とすること」を含めた詳細な分析を進める予定であると発表した。

スイスの金融機関UBS BBのアナリストは、メリアズの戦略について、ブラジル企業では比較的新しい取り組みではあるが、「価値の保存手段や潜在的なリターンを求める世界的なトレンドと一致している」と指摘した。

「この戦略が成功すればメリアズは、暗号資産へのエクスポージャー(投資機会)を求める投資家を引きつける要因となるかもしれない」と、UBS BBのアナリストは顧客向けのレポートで述べた。一方で、「この戦略は、企業の業績にさらなる変動性をもたらす可能性もある」と警鐘を鳴らしている。

※この記事は「あたらしい経済」がロイターからライセンスを受けて編集加筆したものです。
Brazilian fintech Meliuz adopts bitcoin reserve strategy; shares soar
(Reporting by Gabriel Araujo and Paula Arend Laier; Editing by Alison Williams, Kirsten Donovan)
翻訳:大津賀新也(あたらしい経済)
画像:Reuters

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参照元:ニュース – あたらしい経済

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