分離課税を目指し暗号資産を金商法の新区分に、自民党web3WGが改正案を公表

自民党web3WGが改正案を公表

自由民主党デジタル社会推進本部web3ワーキンググループ(web3WG)が、暗号資産(仮想通貨)を金商法上「有価証券」とは異なる新たなアセットクラスとして位置付ける制度改正案を3月6日公表した。

この提案は、かねてから業界で声の上がっていた要望のひとつである、「暗号資産を税制上、他の⾦融商品と同様に分離課税の対象にするべき」という規制緩和の実現を目指した点が注目となっている。

なおweb3WGは、海外ではキャピタルゲインとして⽇本より低い税率での課税が主流であることから、国際競争⼒の確保の観点から、海外との税制上の乖離を解消するべきとの考えも提言している。

今回公表された資料、「暗号資産を新たなアセットクラスに 〜暗号資産に関する制度改正案の概要〜」(案)によると、国⺠の資産形成に資する資産として暗号資産が投資対象となるには「1. 市場の健全な発展」、「2. 投資家保護」、「3. 分離課税」が重要であるとされた。

この観点から、暗号資産は代表的な投資資産である有価証券に対する規制の考え⽅を参考にするというが、「暗号資産は有価証券とは⼤きく異なる特性を有する為、有価証券とは別に『暗号資産』として⾦商法に位置づける」と示された。

また「暗号資産に関する情報の提供ルールを暗号資産の特性に応じた形で整備すべき」とも提案された。市場の健全な発展と投資家保護の為には、情報が発⾏体など特定の関係者だけに偏在せず、⼀般投資家にも⼗分に伝わることが重要であるからだという。

これらを踏まえた上で本提案では、「発⾏体」、「交換業者等のサービス提供者」、「投資家」の3つの規制に関して新制度案が挙げられた。なお「DEX(分散型取引所)およびDeFi(分散型金融)」についての規制は、今後の検討課題となっている。

「発⾏体」の規制については、新規発行は、これまで販売者は業登録を要する必要があったが、新制度案では公募(IEO等)・ 私募(プロ向け / 少⼈数向け)の発行体は業登録が不要となる。ただし公募については、発行体は開示義務を負うことになる。また発⾏体に対する「インサイダー取引規制」が課されることが規制整備として盛り込まれた。

「交換業者等のサービス提供者」の規制には、最低資本⾦額の増額や法律上の⾃⼰資本規制⽐率適⽤の他、投資アドバイザー・ファンド運用に関して業登録の新設が必要であるとの考えが挙げられた。

そして「投資家」の規制には、個⼈の税制における分離課税およびインサイダー取引規制の適⽤が含まれる考えとなった。

なお本⾒直しにおいては、資⾦決済法上の暗号資産を対象とし、現在、暗号資産として規制されていないNFT等その他のトークンは対象としていない。

新制度案に対する意⾒・提案は3⽉6⽇〜3⽉31⽇の期間にて受け付けられている。

参考:web3WGブログ意見・提案フォーム
画像:iStocks/KanawatTH

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参照元:ニュース – あたらしい経済

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