米ドル連動ステーブルコイン「USDC」国内初導入へ|SBI VCトレード
SBI VCトレード、国内初となるUSDC導入を発表
暗号資産取引所SBI VCトレードは2025年3月4日に、米ドルと価値が連動するステーブルコイン「USDC(USDコイン)」を3月12日より、ベータ版として提供開始することを発表しました。
同社の発表によれば、今回のUSDC導入は日本国内では初の取り組みであり、12日のシステムメンテナンス終了後より、まずはSBIグループ内でベータ版として提供される予定とのことです。
これは、国内初となる金融庁の「電子決済手段等取引業者」の登録を受けて実現したものであり、同社が登録第1号(登録番号 関東財務局長第00001号)となったことも報告されています。
本日、関東財務局東京財務事務所長より電子決済手段等取引業者の登録の通知をいただき、SBIVCがいわゆるステーブルコインのライセンスを国内初・単独で取得しました。
米ドル連動の海外発行ステーブルコインUSDCの早期取扱開始に向けて引き続き対応してまいります。 https://t.co/lCVrzFDgmR pic.twitter.com/qxeHe2IX1r
— 近藤 智彦@SBI VC Trade (@tomohiko_kondo) March 4, 2025
USDCは、米国Circle(サークル)社が発行する「米ドル連動型のステーブルコイン」で、発行量と同額の現金または現金同等物を金融機関に保管し、毎月第三者機関による証明報告を受けることで高い信頼性を確保しています。そのため、世界的に広く利用されるデジタルマネーとして定着しています。
ステーブルコイン国内導入が進んだ背景
日本国内ではこれまで法規制の影響から、海外で主流となっているステーブルコインを暗号資産交換業者が直接取り扱うことが困難でした。
ですが、2023年6月に施行された改正資金決済法により、電子決済手段としてステーブルコインの取り扱いが正式に認められたことから、SBI VCトレードがいち早くその取り扱いを開始できる環境が整った形となります。
こうした規制緩和の流れを受け、取引所Coincheck(コインチェック)を含め国内他社も追随して準備を進めており、国内ステーブルコイン市場は今後さらなる広がりを見せる可能性があります。
さらに日経新聞によると、米ドル連動のUSDCだけでなく、日本円に連動したステーブルコイン(JPYC)の発行も今夏を目指して進んでおり、国内でもステーブルコインを活用した多様な金融サービスの普及が予想されています。
USDC導入で何が変わる?
SBI VCトレードのUSDC導入により、暗号資産取引を行う国内ユーザーは資産管理において新たな選択肢を手に入れることになります。
仮想通貨市場は価格変動が大きいため、一時的に価格の安定した通貨に資金を移動させたいというニーズが常に存在していましたが、これまでは日本円に換金する以外に有効な方法がありませんでした。
USDCが導入されることにより、ユーザーは取引後の資金を円転せずに米ドルに近い安定した価値で保有することが可能となります。
さらに国際的に広く利用されるUSDCを介して、海外取引所への資金移動や海外サービスへの支払いも円滑に行えるようになるため、仮想通貨ユーザーにとって利便性が飛躍的に向上することが見込まれています。
USDC登場で国内ステーブルコイン市場が活性化
SBI VCトレードによる国内初の米ドル連動型ステーブルコイン「USDC」の導入は、暗号資産業界で大きな注目を集めています。
一方で、市場が活性化し、規模が拡大するに伴い、金融庁は規制面の対応も進めています。2024年9月から開始した金融庁のワーキンググループでは、市場の健全性を維持するため、ステーブルコインを巡るリスクや課題についても議論が進められています。
今回のSBI VCトレードによるステーブルコイン「USDC」の提供開始は、国内の仮想通貨市場において新たな展開をもたらすとともに、今後の市場拡大の起爆剤となる可能性があります。今後も、規制環境の整備や国内外の動向に注目が集まります。
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Souce:SBIホールディングス公式発表
執筆・翻訳:BITTIMES 編集部
サムネイル:SBIホールディングス公式発表より引用