米SEC、ユニスワップの調査を措置なしで終了
SECがユニスワップの調査を終了
米証券取引委員会(SEC)が、大手DEX(分散型取引所)「ユニスワップ(Uniswap)」運営のユニスワップラボ(Uniswap Labs)への調査を終了し、強制措置を行わないことを決定した。ユニスワップラボが2月25日発表した。
ユニスワップラボは昨年4月にSECより「ウェルズ通知(Wells Notice)」を受け取っていた。
SECは、DEXのユニスワップが未登録の証券取引所および証券ブローカー・ディーラーとして機能していると主張していた。
なおウェルズ通知とは、SECが企業・個人に対して、法的措置を講じる予定であることを通達する公式文書である。
今回の発表にてユニスワップラボは、「SECの新しいリーダーシップが、私たちの業界全体にわたる未決の執行調査や訴訟を、私たちだけでなく、より詳細に調査していることに感謝している。また、米国の消費者保護に関する、より効果的な方法があることを認識していることも評価している」と述べた。
またユニスワップラボは、同社が、適応される全ての法律に完全に準拠して運営されていることを強調し、DeFiが「市場をより透明性が高く、効率的で、アクセスしやすくする」ものだと述べている。
今回の動きは、SECが複数の暗号資産関連企業への訴訟や調査を終了した動きに続くものだ。
SECは2月24日、株式や暗号資産(仮想通貨)の取引アプリを提供する米ロビンフッド(Robinhood)の調査を執行措置なしで終了。また、NFTマーケットプレイス「オープンシー(OpenSea)」もSECによる調査が終了したと2月22日に発表した。
また大手暗号資産取引所バイナンス(Binance)への民事訴訟が、SECによって60日間保留されたことも2月13日に明らかになっている。
さらに大手暗号資産取引所のコインベース(Coinbase)については2月21日に、SECが同社に対して起こしていた訴訟を取り下げる予定であることが明らかになっている。
この件について、コインベースの最高法務責任者であるポール・グレワル(Paul Grewal)氏は、「少なくともコインベースに関しては、暗号資産に対する戦いは終わった」とコメントしている。
一連のSECの動きは、ドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領就任後の暗号資産規制整備推進の影響を受けている。
ジョー・バイデン(Joe Biden)前政権下でSECは、暗号資産業界への規制を強化し、コインベースやクラーケン(Kraken)といった業者をルール違反で提訴。業界からは、証券法に基づいたSECの監督の仕組みが不透明で、暗号資産独自のルールを確立すべきだとの不満がくすぶっていた。
トランプ政権下でSEC委員長代行に指名された共和党委員のマーク・ウエダ(Mark Uyeda)氏は1月22日、SECのコミッショナーであり「Crypto Mom(クリプトママ)」として知られるヘスター・ピアース(Hester Peirce)氏が主導する暗号資産の規制体系を整備するための専門チーム(タスクフォース)を結成した。
SECによると、専門チームは議会が暗号資産関連法制を策定するのを支援し、米商品先物取引委員会(CFTC)など他の連邦機関や州、外国機関との調整に関与する役割も担う。
またピアース氏は、暗号資産業界が長い間反対していた会計指針も撤廃している。
参考:ユニスワップ
画像:PIXTA
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参照元:ニュース – あたらしい経済