「TOKI」が本番環境で稼働開始、イーサリアムとBNBチェーン間で初のIBC接続

TOKIがメインネットローンチ

クロスチェーンブリッジの「TOKI(トキ)」が、ベータメインネットとして本番環境で稼働開始した。また同時に「TOKIポイントプログラム」が正式に開始された。「TOKI」公式SNSより2月19日に発表されている。

今回の本番環境での「TOKI」稼働開始は、Ethereum(イーサリアム)とBNB Chain(BNBチェーン)のメインネット間でIBC接続がされた初の事例になる。これにより両チェーン間でのクロスチェーン取引が可能になった。

今回はEthereumとBNB Chain間のみの対応となるため、ベータメインネットの表現でのローンチとなる。今後はIBC接続をOptimism(オプティミズム)、Base(ベース)、Arbitrum(アービトラム)、ZK-rollups(ZKロールアップ)、Avalanche(アバランチ)、Polygon(ポリゴン)、Solana(ソラナ)などのチェーン拡張や、ステーキング等の機能もリリースされ、正式なメインネットローンチとなる予定だ。

「TOKI」は、コスモス(Cosmos)エコシステムのチェーンをつなげるIBC(ブロックチェーン間通信)を採用し、TEE(Trusted Execution Environment)やゼロ知識証明(zero knowledge proof:zkp)といったセキュリティモデルを組み合わせ、「マルチプルーバーセキュリティ」という独自のアプローチにてコスモスエコシステム外のブロックチェーン同士をつなげることを進めていた。TEEやZKPを用いることで、IBCのセキュリティを損なわずにコスト効率も改善することに成功したという(IBC・TEE・ZKPについては後述)。

また従来のトークンブリッジでは、第三者となるブリッジ運営者を信頼する必要があったが、「TOKI」ではアプリケーション間の接続を重視した設計となっており、トークンブリッジにあたり第三者への信頼が不要となっている。

TOKIポイントプログラムについて

TOKIポイントプログラムは、ユーザーによる「TOKI」への貢献と関与に報いるために設計されたとのこと。貢献度によってTOKIトークンが付与される予定だ。同プログラムは複数のシーズンに分かれており、これまでの「TOKI」上でのプロトコルインタラクションや、早期のテストネット参加などでTOKIポイントが得られる。

各シーズンの終了時に蓄積されたポイントが「TOKI」が公開する計算式によってTOKIトークンに変換される。

なおTOKIトークンは総供給量10億TOKIとなっており、シーズン1では500万TOKIの配布が確定しているとのことだ。

これまでのTOKIの動向

「TOKI」は2023年6月、三菱UFJ信託銀行、Datachain(データチェーン)とマルチチェーンで展開されるステーブルコインのクロスチェーン取引を可能にするインフラ構築を目指すための技術提携を開始。三菱UFJ信託銀行が推進する、Progmat(プログマ)社提供のステーブルコイン発行管理基盤「Progmat Coin(プログマコイン)」によって発行される予定のステーブルコインが、様々なパブリックブロックチェーン上で発行・流通されることを想定して、3社はインフラ構築を行うとした。

また「TOKI」は、Progmat社とDatachain(データチェーン)社が連携し取り組む「Project Pax」による、Swift(国際銀行間通信協会) のAPI モック/シミュレーション環境に適応したステーブルコインのクロスボーダー送金基盤の構築にて、「TOKI」の流動性プールが活用されることが昨年9月に発表されている。

IBC・TEE・ZKPについて

なお上記にて言及したIBCとは、コスモス(Cosmos)エコシステム内のプロジェクトによって策定されたブロックチェーン同士を相互運用する為の標準仕様である。これを採用することでブロックチェーンを跨いだトークン転送などのデータ通信が可能になる。

またTEEとは、ICカードのセキュリティ等の標準技術の策定を行う非営利組織GlobalPlatformが定める技術仕様のひとつで、プロセッサーを通常の実行環境と安全な実行環境に分割することによって、アプリケーションの安全な実行環境を物理的に確保するセキュリティ技術。

そしてゼロ知識証明とは、ある主張が正しいという事実を主張内容を明かすことなく、第三者に証明できる暗号学のプロトコルだ。

参考:TOKIブログ
画像:iStocks/RAPEEPON-BOONSONGSUWAN・dalebor

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参照元:ニュース – あたらしい経済

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