分散型ガバナンスの基盤「カルダノ憲法」正式承認|10年の歳月をかけた重要な一歩

分散型ガバナンスの基盤「カルダノ憲法」正式承認|10年の歳月をかけた重要な一歩(Cardano Constitution, the foundation for decentralized governance, officially approved: a major step 10 years in the making)

カルダノ憲法が満場一致で可決

カルダノ(Cardano/ADA)の共同創設者であるチャールズ・ホスキンソン氏は2025年2月19日に行われたYouTubeライブ配信の中で、カルダノが採用する分散型ガバナンスの基盤・指針となる「カルダノ憲法」が正式に承認されたことを報告しました。

Cardanoブロックチェーンでは、ADA保有者やエコシステム参加者がプロジェクトの方向性を決める分散型ガバナンスの仕組みが採用されていますが、カルダノ憲法はそのような分散型意思決定を行う上での基盤・原則・指針のように機能します。

この憲法が成立するためには「DReps(委任代表者)による投票」と「憲法委員会での承認」が必要でしたが、最終的には賛成85%・反対6.62%・棄権7.68%という結果になり、7名の憲法委員全員が賛成票を投じ、暫定憲法に代わるカルダノ憲法が満場一致で可決されたと報告されています。

なお、最終的な集計は2日ほどで行われるとのことで「おそらく木曜日にはカルダノ憲法が正式に成立するだろう」とコメントされています。

カルダノ利用者による利用者のための憲法

ホスキンソン氏はカルダノ憲法の承認について「2年の歳月をかけた素晴らしい旅をついにやり遂げた」と述べた上で、「これはカルダノ利用者による、利用者のための憲法だ」と語っています。

私たちはやり遂げました。2年という歳月をかけた素晴らしい旅でした。長い時間と膨大な労力が必要でした。65回以上のワークショップ、1,800人の参加者、憲法制定会議、無数の議論が行われました。時には不確実性に悩まされ「本当に実現できるのか?」と疑問視する声もありました。しかし、私たちは諦めず、世界中から人々を集め、50か国の人々が議論し、カルダノの基盤を築くことができました。

もちろん完璧ではありません。すでに多くの人が改善の余地があると感じています。しかし、最も重要なのは、これが稼働すること、そして私たちに貴重なデータを提供してくれることです。気に入る部分もあれば、そうでない部分もあるでしょう。しかし、私たちは完全に分散化されたネットワークの中で、85%もの支持を集め、憲法委員会がそれを承認し、チェーン上に埋め込むことができました。これは、これはカルダノ利用者による、利用者のための憲法です。

これを成し遂げたことで、今後も改定できることが証明されました。つまり、カルダノは生きたエコシステムであり、成長し続けるネットワークなのです。800以上のDReps、憲法委員会メンバー、108,000人の委任者がガバナンスに直接参加しており、その数は急速に増えています。企業や開発者も続々と参入し、今やカルダノは完全に分散化されています。ビットコインと並び、中央集権的な管理者が存在しない、数少ない真に分散化されたネットワークです。

もちろん、依然として影響力の強い勢力は存在しますが、それでもチェック&バランスが機能し、時間とともにその影響力も薄れていくでしょう。今日という日は、このプロジェクトに関わったすべての人々の努力が報われた瞬間です。最終的な文書が、すべての人の期待を完全に満たすものではなかったとしても、これは社会的な物理法則の中での大きな達成です。世界中の異なる言語を話す人々が、75%という非常に高い閾値で合意に至ったのです。

今後の課題と次の選挙について

ホスキンソン氏は今後の課題として「プロダクトのロードマップ、予算の批准、憲法委員会の正式メンバー決定」を挙げています。

暫定憲法委員会のメンバーは今後の新たな選挙で正式メンバーに置き換えられる予定で「選挙は今年後半に実施され、現在の委員の任期は9月に終了する」と報告されています。

同氏は今回の動画で「カルダノはもはや単なるブロックチェーンではなく政府のようなものだ」とも語っており、「15億ADAの資金を管理する財政もあり、すでに税制の議論も始まっている。まさに政府のような動きだ」とコメントしています。

BTC・ETHにはないカルダノ最大の強み

ホスキンソン氏は、10年前に同氏が日本でカルダノのビジョンについて説明していた時には、誰もが”頭がおかしい”と思っていて「分散型のオンチェーン・ガバメントを作る?世界中の見知らぬ人々が協力して、ボランティアで意思決定をする?そんなことが可能なのか?」と疑問視されていたが、10年の歳月を経てついにここまで辿り着くことができたとも語っています。

カルダノ最大の強みは『誰もが意思決定に参加できること』だと語る同氏は「これはビットコインイーサリアムにはない特徴である」とも述べていて、「多くのブロックチェーンは『コードがすべてであり人間は信用できない』という考え方を持っているが、カルダノは『アルゴリズムと人間の最良の部分を融合させる』というアプローチを採用している」と説明しています。

カルダノでは今後も多くの技術革新が予定されていますが、ホスキンソン氏は「それらは単なる技術に過ぎない」とも述べており、「本当に重要なのは、私たちが世界最大の分散型ガバナンス層を持ち、集合知を活用できるという点だ。これにより、カルダノは止められない存在となる」と語っています。

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Souce:ホスキンソン氏のYouTube動画
執筆・翻訳:BITTIMES 編集部
サムネイル:Shutterstockのライセンス許諾により使用

参照元:ニュース – 仮想通貨ニュースメディア ビットタイムズ

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