トヨタ×ブロックチェーン|グループ初のST(セキュリティトークン)社債を発行へ
トヨタのデジタル戦略
トヨタファイナンシャルサービス株式会社は2025年2月10日に、トヨタグループとして初めて、セキュリティトークン(ST)を活用した社債「トヨタウォレットST債」を発行することを発表しました。
この取り組みには、トヨタファイナンシャルサービスのほか、トヨタファイナンス、大和証券、三菱UFJ銀行、三菱UFJ信託銀行、Progmatが参画することが報告されています。
公式発表によると、トヨタウォレットST債はブロックチェーン技術を活用したデジタル化された個人投資家向けの証券で、発行総額は10億円、期間は1年と設定されています。最低購入単位は10万円で、2025年2月20日から27日まで募集が行われ、3月3日に発行される予定とされています。
発行スキームとして、Progmat社が提供するデジタルアセット発行・管理基盤「Progmat(SaaS)」を採用することも明らかにされています。
TOYOTA WalletとProgmatの情報連携により、セキュリティトークンの発行者や関連事業者は、投資家の情報を迅速に把握し、最新データを活用して、より適切なサービスを提供できるようになると報告されています。
トヨタウォレットST債の購入者特典
トヨタウォレットST債の購入者には、トヨタのスマートフォン決済アプリ「TOYOTA Wallet」を通じて特典が提供されることが報告されています。特典内容は以下の通りです。
購入金額 | 受取 TOYOTA Wallet 残高 |
---|---|
10〜40万円 | 1,000円相当 |
50〜90万円 | 5,000円相当 |
100万円〜 | 10,000円相当 |
なお、特典の受け取りには「TOYOTA Wallet」アプリのインストールと利用登録が必要となります。
セキュリティトークン市場の拡大
セキュリティトークン(ST)は、従来の金融資産をブロックチェーン技術でデジタル化した証券です。取引の透明性が高く、法規制に準拠した安全な投資手段として注目を集めています。
日本国内では、金融庁が2020年に施行した改正金融商品取引法によりセキュリティトークンの法的枠組みが整備され、それ以降、証券会社や金融機関によるST債の発行が広がりを見せています。
今回のトヨタのST市場への参入により、国内の投資家にとってデジタル証券への関心が高まり、市場の拡大につながる可能性があると見られています。また、今後国内での事例が増加するにつれ、証券取引所での流通市場の整備が進むかどうかも重要なポイントとされています。
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Souce:トヨタファイナンシャルサービス社公式発表
執筆・翻訳:BITTIMES 編集部
サムネイル:Shutterstockのライセンス許諾により使用