FDIC、仮想通貨関連の内部文書を公開|バイデン政権下での規制圧力が浮き彫りに
旧体制による抑圧が明らかに
米国銀行を監督する規制機関「FDIC(米国連邦預金保険公社)」は2025年2月5日に、仮想通貨関連企業に対する口座閉鎖問題に関する790ページに及ぶ内部文書を公開したことを発表しました。
公開された内部文書には、複数の仮想通貨企業や銀行とのやり取りが含まれており「サービスの一時停止要求」や「数ヶ月にも及ぶ回答遅延」「繰り返しの情報提供要求」などといった問題が発覚し、大きな騒動を巻き起こしています。
これは、規制当局の対応が仮想通貨企業に影響を与えていたことを示すものであり、シンシア・ルミス米上院議員が2025年1月16日に「内部告発者から”FDIC内で仮想通貨関連の書類が破棄されている”との告発があった」と明らかにし、FDICに対して書類破棄を中止するように要求していました。
FDIC暫定委員長であるトラビス・ヒル氏は次のようにコメントしています。
以前、FDICは、仮想通貨関連のサービスを検討していた24の金融機関に送った「一時停止通知書」を25通公開しました。今回新たに公開する文書には、これら24の金融機関との追加のやり取り、そしてこの24行以外の銀行とのやり取りも含まれています。
これらの文書を見れば、銀行が仮想通貨関連の取り組みを進めようとすると、ほぼ例外なく壁にぶつかっていたことが分かります。FDICは、銀行からの申請に対して、何度も追加の情報を求めたり、長期間にわたって返答をしなかったり、さらには監督官が「この事業は進めないように」と直接指示することまでしていました。
こうした対応の結果、多くの銀行は「FDICが認めないなら取り組んでも無駄だ」と考え、仮想通貨関連の事業を諦めてしまったのです。
同氏は今回の内部文書の公開に対して「情報公開法(FOIA)で要求されている以上の透明性を高めるというコミットメントを反映したものである」とも述べており、問題解決へと動いていることを示しました。
「チョークポイント2.0」問題の動向
この問題は「チョークポイント2.0」にも関連するものでもあり、現在、米国議会では規制の透明性を高めるための動きが活発化しています。米下院金融サービス委員会は、本日2月6日に公聴会を開催する予定とされています。
チョークポイント2.0とは、規制当局が銀行や金融機関を通じて、取引停止などで仮想通貨業界に圧力をかける動きのことです。これにより、多くの仮想通貨関連企業が口座開設や資金移動が困難となり、問題視されていました。
この公聴会には、米仮想通貨取引所「Coinbase(コインベース)」の最高法務責任者であるポール・グレワル氏や、仮想通貨マイニング企業「MARA」のCEOフレッド・シール氏らが証言することが明らかにされています。
今回のFDICの文書公開は、仮想通貨業界と金融機関との関係に対する透明性を向上させるための重要な事案として大きな注目を集めています。
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Souce:FDIC公式発表
執筆・翻訳:BITTIMES 編集部
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