仮想通貨価格急落の理由はDeepSeek?中国AI企業の台頭が市場に与えた影響
仮想通貨価格下落とDeepSeekショック
仮想通貨市場では日本時間2025年1月27日に大幅な下落が見られましたが、今回の価格急落は中国のAI企業DeepSeek(ディープシーク)の影響を受けたものだと考えられており、一連の下落は「DeepSeekショック」として注目を集めています。
DeepSeek(ディープシーク)とは?
DeepSeek(ディープシーク)は、投資ファンドで成功した梁文峰氏が2023年に中国・杭州で立ち上げたAI企業であり、低コストかつ高性能なAIモデルを展開する新興企業として注目を集めています。
同社は昨年12月に、OpenAIのGPT-4oやClaude 3.5 Sonnetと同等の性能を有する無料利用可能な大規模言語モデル「DeepSeek V3」を公開しており、先週はOpenAIの最新モデル性能に匹敵するとされる「DeepSeek R1」モデルも公開されています。
DeepSeekのアプリは2025年1月27日にアメリカのApp Storeで無料ダウンロード数1位を獲得する大きな注目を集めていますが、その一方ではマイクロソフトのサティア・ナデラCEOなどといったシリコンバレーの重鎮たちが「新たなライバル」として懸念を表明していることも報告されています。
DeepSeekショックが仮想通貨市場にも波及?
DeepSeekと仮想通貨に直接的な関係はないものの、DeepSeekの登場によって「米国のAI企業が市場を支配している」という前提に疑問が生じ、株式市場ではAI・テクノロジー関連銘柄で売りが発生したため、この影響が仮想通貨市場にも波及したと考えられています。
AI分野における中国企業の台頭は「資産配分の見直し」を引き起こしていると考えられていて、投資家は米国のテクノロジー株や関連資産から資金を引き上げ、より多様な地域や分野への分散を検討していると見られています。
また、仮想通貨市場でもAI関連銘柄の大幅な下落が観測されているため、そのようなAI関連仮想通貨の下落にはDeepSeekショックが深く関連していると考えられています。
仮想通貨市場で見られた下落にはその他複数の要因が関連している可能性がありますが、仮想通貨市場は伝統的な金融市場と一定の相関性を持っており、投資家が米国市場への過度な依存を見直し始めている可能性もあるため、そのような複数の要因が重なって仮想通貨市場でも大幅な下落が見られたと考えられています。
なお、アルトコイン価格の下落に関しては「トークンの種類が増えすぎたことによって供給が需要を上回り、価格が上昇しにくくなっている」といった指摘も出ており、ビットコイン価格に関しては「7万ドルに向けたさらなる下落調整が起きる可能性がある」という予想も出ています。
数年前までの仮想通貨市場はあまり多くの影響は受けずに安定して成長を続けていましたが、現在は市場の動きにも変化が見られており、企業や政府の発表など様々な要因に影響を受ける動きが見られているため、仮想通貨投資を行う場合はそのような複数の要因も考慮することが重要です。
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執筆・翻訳:BITTIMES 編集部
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