ビットコイン、国家債務危機のヘッジ手段に「公正価値は約3,400万円」Bitwiseレポート
世界的な債務リスクへの防衛策として注目集まる
仮想通貨運用企業Bitwise(ビットワイズ)の欧州リサーチ部門責任者アンドレ・ドラゴシュ氏は1月20日、ビットコイン(BTC)の公正価値を約21万9,000ドル(約3,400万円)と試算しました。
今回のビットコインの公正価値の評価は、G20国債の市場価値とデフォルトリスクに基づいているとされています。
ドラゴシュ氏は、米国の公的債務がGDPの約123%に相当する36兆ドル(約5,597兆円)に達していることを明らかにしました。フランスの10年国債スプレッドは過去最高を記録し、英国でもスワップスプレッドの上昇が続いています。
1/ Sovereign Debt is Out of Control
U.S. debt recently surpassed $36T, a record 123% of GDP.
France and the UK are under growing pressure, with bond markets flashing warning signs.
Is the global financial system nearing a breaking point? pic.twitter.com/tbxa4g8PC4
— André Dragosch, PhD | Bitcoin & Macro (@Andre_Dragosch) January 21, 2025
国家債務は制御不能
米国の債務は最近36兆ドルを超え、GDPの123%という過去最高を記録した。
フランスと英国は圧力が高まっており、債券市場は警告のサインを発している。
世界の金融システムは限界点に近づいているのでしょうか?
同氏は、ビットコインが金に代わる「魅力的な選択肢」となる理由として、グローバルに分散化されたネットワークによる保護、仲介者不在によるカウンターパーティリスクの排除、中央機関による干渉からの独立性を挙げています。
インフレ対策としても有効性を主張
歴史を紐解くと、1800年から2000年代初頭までにアルゼンチンやギリシャ、ガーナなど320件もの対外債務不履行の事例が記録されています。
G20諸国が同時にデフォルトするという極端なシナリオでは、ビットコインの理論価値は約350万ドル(約5億4,400万円)まで上昇する可能性があるとドラゴシュ氏は述べています。
また、同氏は「自国通貨建て債務では、中央銀行による通貨発行でデフォルトを回避できるが、インフレリスクを高める要因となる」との見解を示しています。
Bitwiseは、ビットコインの年間供給増加率がわずか0.9%と極めて低く、2024年には世界で最も希少な主要資産になると指摘しています。
ドラゴシュ氏の試算によると、G20国債の市場価値69.1兆ドル(約1京740兆円)と今後10年間の債務不履行確率約6.2%を考慮した場合、ビットコインは「ポートフォリオ保険」として機能する可能性が高いとされています。
Bitwise社は、債務不履行とハイパーインフレの両シナリオに対する有効な防衛手段となると分析しています。
※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=155.41円)
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Souce:Bitwiseレポート
執筆・翻訳:BITTIMES 編集部
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