米保安官、1億ドルの仮想通貨強盗に関与で有罪認める
米保安官が仮想通貨強盗に関与
米連邦検事局は2025年1月17日に、ロサンゼルス在住の2人が1億ドル(約156億円)の仮想通貨強盗などについて有罪を認めたと公表しました。
有罪を認めたのは仮想通貨のゴッドファーザーを自称するアダム・イザ氏と、ロサンゼルスの保安官のエリック・チェイス・サアベドラ氏です。
プレスリリースによると、イザ氏は保安官を雇うことで犯罪行為に協力させました。サアベドラ氏は、イザ氏に雇われて職務で得た機密情報を提供していたと見られています。
疑いがかけられている犯罪の1つが、1億ドルを超える仮想通貨強盗です。2022年初頭、イザ氏は被害者のノートパソコンに1億ドルの仮想通貨が入っていると確信しました。サアベドラ氏に被害者のGPS位置情報を追跡するため、虚偽の捜査令状を取得することを提案し、両者は合意します。
サアベドラ氏は実際に虚偽の捜査令状を取得し、位置情報を元に複数の武装した人物を利用して、ノートパソコンを盗もうとしました。被害者が発砲したことで、強盗は失敗に終わっています。
イザ氏はサアベドラ氏の設立した警備会社に対して、毎月10万ドル(約1,500万円)前後を支払っていたと見られています。
両者は、上記以外にも広範囲な犯罪行為に関与していたと見られています。プレスリリースでは、イザ氏は最長で35年の刑、サアベドラ氏は最長で13年の刑に処される可能性があると発表されました。
担当する連邦検事は、保安官が事件に関与したことに対して「国民を裏切るだけでなく、職務を正当に遂行する警察官の大多数も裏切ることになる」とコメントしています。
米国で仮想通貨強盗が続く
米国において、仮想通貨をターゲットにした強盗は、過去にも見られています。2024年6月には、ノースカロライナで仮想通貨強盗を主導したレミー・セントフェリックス氏に有罪判決が下りました。
裁判の文書によると、セントフェリックス氏はノースカロライナ州、フロリダ州、テキサス州、ニューヨーク州など、複数の州で行われた仮想通貨の連続強盗を計画しました。
強盗の被害者は、仮想通貨のアカウントにアクセスして送金するように命じられ、強盗による被害額は数十万ドル(数千万円)と見られています。盗まれた仮想通貨は、匿名性の高い通貨やKYC不要のDeFiなどを通じてマネーロンダリングされました。
※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=156.2円)
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Souce:司法省プレスリリース
執筆・翻訳:BITTIMES 編集部
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