イーサリアムネームサービス(ENS)、独自L2「Namechain」構築でコンセンシス「Linea」と提携

ENSラボとリネアが提携

「イーサリアムネームサービス(ENS:Ethereum Name Service)」の独自レイヤー2ソリューション「ネームチェーン(Namechain)」構築にあたり、ENSラボ(ENS Labs)とリネアアソシエーション(Linea Association)が共同エンジニアリングパートナーシップを締結した。両社が12月17日に発表した。

ENSラボ(ENS Labs)は、イーサリアム基盤のアドレスネーミングサービスである「ENS」の開発元。またリネアアソシエーションは、レイヤー2ソリューション「リネア(Linea)」をサポートする非営利財団だ。

ENSラボは今年6月、「ENS」のコア機能をL2へ移行する計画「ENSv2」を発表していた。

「ENS」は現在250万を超えるオンチェーン「.eth」と2,000万を超えるオフチェーン「.eth」が登録されておりグーグル(Google)、ペイパル(PayPal)などの主流プラットフォームとの統合により、「ENS」の採用は拡大し続けているという。

ただしイーサリアムメインネットのガス代の高さとトランザクション速度の遅さが「ENS」のより広範な採用の障壁になっているとのこと。

そこでENSラボは、前述した「ENSv2」を計画。独自のイーサリアムL2ソリューション「ネームチェーン」を構築し、「ENS」プロトコルのコア機能を移行することで、「ENS」の利用にかかるガスコストの削減やパフォーマンス向上、マルチチェーン相互運用性の強化を目指している。

「リネア」は、web3ウォレット「メタマスク(Metamask)」などを提供する米コンセンシス(ConsenSys)がゼロ知識証明(zero-knowledge proof:zkp)を用いて開発したL2スケーリングソリューション。同ソリューションは去年8月にメインネットローンチしている。

発表によると今回「リネア」が選ばれたのは、「リネア」がイーサリアムエコシステム内で技術的・社会的にも深く統合されているからとのこと。「リネア」のエンジニアリングチームにはL2ソリューションの中でも最も多くのイーサリアムコア開発者が所属しており、「リネア」は全てのイーサリアムコンパイラ、ツール、クライアントですぐに使用でき、標準EVMとの100%バイトコード互換性を実現している唯一のL2であるとENSラボは「リネア」について評価している。

「ENS」の主任開発者であるニック・ジョンソン(Nick Johnson)氏は「当社の技術評価において、Lineaの能力は印象的でしたが、彼らを本当に際立たせていたのは、イーサリアムの将来に対する共通のビジョンでした。分散型シーケンスでの協力へのコミットメントとイーサリアムコア開発への貢献により、彼らは、私たちがイーサリアムの価値をスケーリングの議論の最前線に押し上げる上で理想的なパートナーとなっています」と述べている。

なお「ネームチェーン」は、2025年末にリリースされる予定だ。

ENSとは

「ENS」は、複雑な文字列から構成される暗号資産のウォレットアドレスを認識しやすい「任意の文字列」と紐付けられるイーサリアムブロックチェーン基盤のアドレスネーミングサービスだ。インターネットにおけるDNS(Domain Name System)のようなサービスとなる。

「ENS」を利用して取得したアドレス用の文字列は一般にENSと呼ばれており、「.eth」などの拡張子が付属する。なおENSはNFTとしても発行される。

ENSのユーザーはDeFiやweb3ゲームでユーザーネームのように取得した文字列を使用でき、ENSに対応したウォレットでは送金時に送金先のアドレスの代わりにアドレスに紐づいた文字列の利用もできる。

参考:ENS
画像:iStocks/LuckyStep48

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参照元:ニュース – あたらしい経済

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