仮想通貨の税制改正・ETF環境整備は「検討が必要」石破総理の発言に失望の声

仮想通貨の税制改正・ETF環境整備について慎重姿勢

自民党の石破茂内閣総理大臣は2024年12月2日に開かれた衆議院本会議の中で「仮想通貨(暗号資産)の税率を20%に引き下げること」や「仮想通貨をETF(上場投資信託)の対象とすること」について慎重な姿勢を示しました。

仮想通貨に関する発言は国民民主党の浅野哲議員からの質問に答える形で行われたもので、具体的には「仮想通貨の税制改正」と「仮想通貨ETF」について以下のような発言が行われています。

暗号資産の税制改正について

【暗号資産の税金に関する指摘:浅野議員】
日本では暗号資産の売買益に雑所得として最大55%の税金が課せられているため、そのような規制や税制が足枷となって、Web3企業や個人資産が国外に流出している。

【暗号資産の税金に関する要望:浅野議員】
Web3市場におけるビジネス振興や資産の国内回帰を促すために、暗号資産の取引から生じる利益について、一律20%の申告分離課税を導入し、株式や投資信託と同様に損失繰越控除の対象とするなど、税制改正によって日本市場の育成や競争力強化を図るなどの対応を行うべき。

【暗号資産の税金改正に関する回答:石破総理】
暗号資産を税法上で上場株式と同じように扱った場合には、給与などの所得には最大55%の税率が適用される一方で、暗号資産による所得には20%の税率が適用されることになるため、「国民の理解が得られるか」「投資家保護規制が整備されている株式や投資信託のように、暗号資産への投資を国が推奨することが妥当なのか」などの課題があり、丁寧な検討が必要であると考えている。

仮想通貨ETFの取引環境整備について

【仮想通貨ETFの取引環境整備に関する質問:浅野議員】
仮想通貨ETFの取引環境整備が急務であると考えるが、総理はどのように考えているか?

【仮想通貨ETFの取引環境整備に関する回答:石破総理】
暗号資産をETFの対象とするかどうかについては「暗号資産が国民にとって投資を容易にすることが必要な資産とすべきかどうかを踏まえて検討する必要がある」と考えている。

検討ばかり日本政府に失望の声

「仮想通貨の税制改正」や「仮想通貨ETFの環境整備」は以前から強く求められたものであったため、今回の回答内容には失望の声が数多く投稿されています。

これは、具体的な税制改正や環境整備の姿勢を示さずに「検討する」といういつも通りの回答が行われたためであり、国民民主党の玉木雄一郎代表も「暗号資産の税制改正に関する石破総理の答弁にはがっかりだ」とコメントしています。


仮想通貨の税制改正で求められているのは「申告分離課税」と「損失繰越控除」だけではなく、以下のような様々な面が重要視されているため、申告分離課税と損失繰越控除の2点だけでも進展しない現状には批判の声が数多く上がっています。

  • 暗号資産取引で生じる利益を申告分離課税(一律20%)の対象とすべき
  • 暗号資産取引で生じる損失の繰越控除(3年間)を認めるべき
  • 暗号資産デリバティブ取引についても、申告分離課税を認めるべき
  • 暗号資産取引で生じる損益への課税は保有する暗号資産を法定通貨に交換する際に一括で実施すべき
  • 相続した暗号資産の課税のあり方を見直すべき
  • 暗号資産を寄附した際の税制を整備すべき

なお、衆議院本会議で語られた内容は「衆議院TVインターネット審議中継」のページで確認することが可能で、仮想通貨に関する発言は国民民主党の浅野哲議員からの質問に答える形で行われています(※質問内容:3:11:52〜|回答内容:3:35:55〜)。

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執筆・翻訳:BITTIMES 編集部
サムネイル:Shutterstockのライセンス許諾により使用

参照元:ニュース – 仮想通貨ニュースメディア ビットタイムズ

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