アバランチ大型アップグレード「Avalanche 9000」、テストネットで稼働開始

Avalanche 9000がテストネットで稼働開始

レイヤー1ブロックチェーンのアバランチ(Avalanche)による大型ネットワークアップグレードイベント「Avalanche 9000」が、同チェーンのテストネット「フジ(Fuji)」にて稼働開始した。アバランチ公式Xより11月26日発表された。

また今回の「Avalanche 9000」のテストネット稼働開始と同時に、4000万ドル(約61.4億円)規模の助成金プログラム「Retro9000」もビルダー コミュニティ向けに正式オープンしている。

「Retro9000」では、「Avalanche 9000」のテストネット上にてレイヤー1ブロックチェーンやその他関連ツールを構築する開発者向けに報酬が付与される。

「Avalanche 9000」とは

「Avalanche 9000」は、アバランチ史上最大級のネットワークアップグレードだ。

「Avalanche 9000」では、L1ブロックチェーンの立ち上げを容易にする「エトナ(Etna)」アップグレードや、開発者のインセンティブに関する変更、マルチチェーンサポートの強化などの複数の更新が含まれている。

なお、この中で主要となるアップグレードは「エトナ」では、同アップグレードによりサブネットのバリデーターの仕組みがアバランチのプライマリネット(C・Xチェーン)から切り離され、サブネットは独自のL1ブロックチェーンとして稼働することになる。

そのため現在アバランチのサブネットを構築するために必要な2000AVAXのステーキングが不必要になる。

またこれまでサブネットのバリデーターは、アバランチのプライマリネットーワークのバリデーターを並列して行う必要があった。しかし「エトナ」実装後は、サブネットのバリデーターとしてのみ稼働すれば良くなるため運用コストが下がるという。

これによりサブネット構築のための金銭的な障壁が小さくなり、今後より多くのサブネットが立ち上げられることが想定されている。

さらにネットワークが切り離されるため、プライマリネットワークが渋滞した際に悪影響を受けなくなるという障害に対する耐性が向上するメリットもあるとのこと。そして、これによるガス代の大幅削減も期待されている。

なお同アップグレードを機に、現在のサブネットモデルはレイヤー1ブロックチェーンズ:Layer 1 blockchains(L1s)へと概念・名称が変更される予定だ。

ちなみに同アップグレードでは、ACP(Avalanche Community Proposals:アバランチ改善提案)のうちACP-77を中心とした計7つの提案が実装される予定である。またこれまで通り、2000AVAXをステーキングする形式でのL1s立ち上げも可能となっている。

アバランチについて

アバランチは異なるデータ構造を採用するCチェーン、Pチェーン(Platform Chain)、Xチェーン(Exchange Chain)の3つのチェーンで構成されたブロックチェーンであり、それぞれで重要機能の役割を分担している。

Cチェーンではスマートコントラクトの実行が可能なため、dAppsの構築に利用される。またPチェーンはアバランチにおけるメタデータを記録するチェーンとなっており、AVAXのステーキングやバリデーター、サブネットの管理に用いられる。そしてXチェーンは送金に特化したチェーンとなっている。

これら3つのチェーンは総合して「プライマリーネットワーク」と呼ばれている。

またアバラボでは、アバランチチェーンを利用した独自ブロックチェーンを構築できる機能「サブネット」を提供している。なお「サブネット」はプライマリーネットワークのPチェーンによって管理されている。そのため「サブネット」のバリデーターは、自身の「サブネット」の運用とPチェーンの同期をとる必要がある。

参考:アバラボ
画像:iStocks/Aleksei_Derin

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参照元:ニュース – あたらしい経済

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