ビットコインは金相場を超えられるのか?リスクと利益で比較分析
ゴールドマンサックス(Goldman Sachs)の分析によれば、2024年のビットコイン(BTC)価格は依然としてボラティリティ・リスクに見合っていません。一方で金相場の利益調整後リターンを見ると、セイフヘイブン(安全な避難所)としてのゴールドの地位は揺るがないように見えます。
ビットコインはまだパフォーマンス不足?
デジタル資産をリードするビットコインは、2024年の年初に42,000ドル(約624万円)からスタートし、3月までに73%上昇して73,000ドル(約1,084万円)を記録しました。現在は60,000ドル(約891万円)を超えるラインですが、それでも年初から40%アップを保っています。主要な株式市場、債券投資、ゴールド、原油などと比較しても、ビットコインは明らかに高いパフォーマンスを維持しています。
ところがゴールドマンサックスのデータでは、ビットコインは大幅な価格上昇にもかかわらず、絶対値での価格パフォーマンスはボラティリティに見合っていないということです。ビットコインの年初来のボラティリティ率は2%弱ですが、ゴールド(金)のリスク調整後リターンは3%であり、絶対値では28%も上昇しています。
ボラティリティ率は、各種のリスクやボラティリティと、資産が生み出す利益を比較する指標です。この比率が高いことは、その資産がリスクとは相対的に高い利益を上げていることを意味し、逆に低い場合は非効率なパフォーマンスであることを示します。ビットコインのボラティリティ率は、イーサリアム(ETH)のネイティブトークン、S&Pダウジョーンズ・インデックス、日本のTOPIX指標などの非固定的な投資をわずかに上回る程度です。
この現状を如実に表したのが、10月1日に行われたイランによるイスラエル攻撃で、その後ビットコインが値を下げたのに対して、セイフヘイブンとしてのゴールドは逆に値を上げています。
ビットコインはまだ成長期?
とはいえ2008年の金融危機以降、時価総額1兆ドル(約145兆円)にまで拡大したビットコインの成長は驚異的です。2,100万という供給上限と分散化ネットワーク構造、そして4年に1度の半減期など、ビットコインが注目を集める資産であることは間違いないでしょう。しかし時価総額においてのビットコインとゴールドとの差は未だに隔絶しています。
それでも複数の暗号資産(仮想通貨)アナリストが、数年以内にビットコインがゴールドに取って代わるという予測に自信を見せています。経験豊かなピーター・ブラント(Peter Brandt)氏は、2025年までにビットコイン価格が400%上昇すると予測しています。ヴァンエック(VanEck)のジャン・ヴァン・エック(Jan van Eck)CEO(最高経営責任者)も、ビットコインの採用拡大により価格が350,000ドル(約5,198万円)に達すると述べています。
直近ではブラックロック(BlackRock)も、限定された供給量と増大する投資家の自信、さらに不安定な経済下におけるインフレ対策や価値下落回避などの特性から、ビットコインがゴールドに取って代わるという見解を示しました。
一方で資産家のレイ・ダリオ(Ray Dalio)氏のように、ビットコインは決してゴールドの代わりにはならないと主張する関係者もいます。
そうした声をよそに、日本時間10月11日正午時点、ビットコイン価格は24時間で0.4%ほど下がって60,500ドル(約898万円)程度で推移しています。
参考
・Bitcoin Price Surge In 2024 Not Enough To Beat Gold’s Risk-Adjusted Returns – Details Here
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